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従業員と得意先社長の合同忘年会の処理について

【質問】

 会社主催の忘年会を、当社の役員・従業員全員と取引先の社長とを合わせ30名(うち取引先の社長14名)で、料亭において行いました。これらの費用は全額当社において負担したが、その全額を交際費等としなければいけないでしょうか。
 又は、支払総額のうち当社の役員及び従業員16名分を福利厚生費とすることはできないでしょうか。

【回答】

 交際費等の範囲は、措置法61条の4第3項において、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものとされ、また、同項括弧書きにおいて、交際費等から「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用その他政令で定める費用を除く。」と規定されています。
 従業員の慰安のために通常要する費用を、特に交際費等から除く趣旨として「この種の費用が従業員個々人の業務実績とは無関係に従業員全体の福利厚生のために支出されるものであり、法人において負担するのが相当な費用であるので、通常要する範囲を超えない限り全額損金算入を認めても、法人の社会的冗費抑制の目的に反しないとしたためと解される。」と判示しています(昭57.7.28東京高裁昭和56年(行コ)第31号)。
 これらのことから、例えば、年1回の忘年会において、たまたま得意先の従業員が数名参加し、しかも得意先従業員の接待が目的でない場合において、社会通念上行われる程度の忘年会で全従業員が対象ということであれば、福利厚生費としての処理可能と考えられますが、ご質問の場合は、30名のうち14名が取引先の社長ということですから、従業員の慰安目的が含まれているとしても、得意先社長の接待が主な目的と解されること、やむを得ないように思われます。
 特に、交際費等から除かれる理由として「専ら従業員の慰安のため…」が付されていることから考えても、福利厚生費としての処理には無理があり、その全額が交際費等に該当すると判断される可能性が高いと思われます。

【関連情報】 《法令等》 租税特別措置法61条の4第3項

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