質疑応答事例(譲渡所得税関係)の更新について

 国税庁は、このほど、平成24年7月1日現在の法令・通達等に基づく質疑応答事例を更新し、公
 表しました。

  譲渡所得関係では、新たに3事例に関する取扱いについて追加掲載されていますので、紹介し
 ます。

  新たに追加掲載された3事例の概要は、次のとおりです。

  なお、この質疑応答事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも
 事案の全部を表現したものではありませんので、納税者の方々が行う具体的な行為に適用する場
 合においては、この回答内容と異なる課税関係が生じることがありますのでご留意願います。

 
 1.第一種市街地再開発事業における「やむを得ない事情により都市再開発法第71条第1項
  の申出をしたと認められる場合」の判断

  ○ 権利変換を希望しない申出をする譲渡者本人に老齢又は身体上の障害の事由がない場合で
   あっても、当該申出をする譲渡者と住居及び生計を一にしている者に同事由があるために、
   同人が施設建築物において生活することが困難であるとして都市再開発法第71条第1項の申
   出をし、当該申出について施行者である市街地再開発組合が審査委員の過半数の同意を得て
   いる場合には、当該申出は、「やむを得ない事情により同法第71条第1項の申出をしたと認め
   られる場合」に該当することとなり、譲渡者本人が取得する補償金がこれに該当して支払わ
   れるものである場合には、当該補償金について、収用等の課税の特例の適用があるとされま
   す。

 
 2.月極の貸駐車場の用に供される土地を買換資産(租税特別措置法第37条第1項の表の
  第9号の下欄)とすることの可否

  ○ 措置法37条1項の表の下欄に掲げる買換資産となる駐車場の用に供される土地等は、建物
   又は構築物の敷地の用に供されていないことについて都市計画法上の開発許可手続中である
   ことなどの一定のやむを得ない事情があるものに限られます。

    したがって、これらに該当しない月極めの貸駐車場の用に供されている土地等は、買換資
   産に該当しないことから、同法に規定する特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受ける
   ことはできないとされます。

    ただし、①平成24年1月1日前に平成24年度税制改正前の旧措置法37条1項表の9号の上欄に
   掲げる譲渡資産の譲渡をした場合、②平成24年1月1日以後に同欄に掲げる譲渡資産の譲渡を
   し、かつ、同日前に同号の表の下欄に掲げる買換資産の取得をしている場合には、旧措置法
   37条の規定が適用されることとなるとされます。

 
 3.株式としての価値を失ったことによる損失と「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」
  の関係

  ○ 特定管理株式について、その発行会社が解散し清算が結了したことから、その株式として
   の価値を失ったことによる損失が株式等の譲渡による損失の金額とみなされることとなった
   場合において、当該損失の金額のうち、当年分の株式等の譲渡益から控除しきれない金額を、
   翌年以降に繰り越して控除することができるかについて、特定管理株式は、「上場株式等に
   該当しないこととなった内国法人の株式」であることから、上場株式等を対象とする「上場
   株式等に係る譲渡損失の繰越控除」の適用対象とはならないので、繰越控除することはでき
   ないものとされます。
 

なお、この詳細については、国税庁ホームページ>税について調べる>質疑応答事例>財産の
評価目次一覧から該当文書をご参照ください。

 【譲渡所得関係】

  (収用等の場合の課税の特例)

No.29 第一種市街地再開発事業における「やむを得ない事情により都市再開発法第71条
第1項の申出をしたと認められる場合」の判断
  (特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例等)

No.5 月極めの貸駐車場の用に供される土地を買換資産(租税特別措置法第37条第1項の
表の第9号の下欄)とすることの可否

No.7 株式としての価値を失ったことによる損失と「上場株式等に係る譲渡損失の繰越
控除」の関係

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