代表ブログ

《税務質疑応答》国から補助金を受給した場合の課税関係について

代表ブログ,税務質疑応答 | 2019年1月11日 金曜日 13:01

Q. 
私は製造業の会社を経営しています。
このたび、設備投資に関して国の補助金を受給したのですが、この補助金収入は会社の法人税の課税対象となるのでしょうか。

A. 
会社が国等から受給した補助金については、原則的に法人税の課税対象となります。

[解説]
1.法人税法上の補助金の課税関係
 法人税法では、「内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上その事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係るその事業年度の収益の額とする。」と定められています。

 大まかに言いますと、「<資本等取引>以外の収益は、原則的に、法人の所得として法人税が課税される」ということです。

 この「資本等取引」とは、①法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引、②法人が行う利益又は剰余金の分配、③残余財産の分配又は引渡し、すなわち、「会社の資本金額を増減させたり、株主に配当などを行ったりすること」を指します。

 補助金収入はその資本等取引には該当しないため、補助金収入は、原則的に法人税法上の益金として法人税の課税所得に算入されることになります。

2.補助金に対する法人税の課税を繰り延べるための方法
 国等から受給した補助金に関する法人税法上の原則的な課税関係は上記1.のとおりです。
 しかし、会社が設備投資に関して国等から補助金を受給した場合に、その補助金収入に対して法人税が課税されると、補助金による資産の取得が困難となってしまいます。これでは補助金本来の目的を達成できなくなってしまうため、法人税法には「圧縮記帳」という制度が設けられています。

 この圧縮記帳とは、設備等の購入金額から補助金の額を差し引いた後の金額を購入価格とする税法上の技術的な処理のことです。

 圧縮記帳の適用を受けた事業年度においては、補助金の額相当額を法人税の課税所得から差し引くため、発生した補助金収入に対する法人税の課税を、翌年度以降に繰り延べることが可能となります。

 ただし、翌年度以降は圧縮記帳後の設備等の購入金額をもとに固定資産の減価償却が行われるため、その設備等についての各事業年度の減価償却費は減少します。このため、翌年度以降の課税所得は、圧縮記帳を行わなかった場合と比べて増加することになります。

 したがって、圧縮記帳は永久的に税額を減少させるのではなく、一時的な課税の繰り延べであることにご留意ください。

 最近ではいわゆる「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」など、設備投資に関して受給可能な補助金が多数登場しています。それらの補助金は、設備投資の資金源としては大いに有用ですが、その税務上の処理まで考慮しておかないと、思わぬ税負担が生じる可能性があります。

 また、圧縮記帳を行った場合と行わなかった場合とでは、各事業年度の税負担に差額が生じます。設備投資後の納税計画や資金繰り計画についても、あわせてご相談いただくとよいでしょう。
[根拠法令等]
 法法22、42、43、44など

《税務質疑応答》ネット通販と印紙税について

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年12月25日 火曜日 13:12

Q. 

私は今年秋に、個人でネット通販事業を始める予定です。その事業開始にあたり、印紙税について質問させてください。

販売代金の領収書については、顧客からの要望が特にない場合には、PDF化したものを電子メールで送付する予定ですが、この場合、PDF化した領収書には印紙税が課税されるのでしょうか。

また、私は消費税の免税事業者ですが、仮に印刷した領収書を顧客に送付するとした場合、消費税額を別途表示すれば、税抜金額で印紙税額を判定できるのでしょうか。

A. 

1. ①PDF化した領収書を電子メールで顧客に送付する場合には、その送付した領収書には印紙税は課税されません。また、顧客が電子メールで送付された領収書を印刷した場合であっても、その印刷した領収書にも印紙税は課税されません。

2. ②消費税の免税事業者の場合、領収書に消費税額を別途表示した場合であっても、印紙税が課税されるかどうかの判定は税込み金額で行います。

[解説]

1.領収書と印紙税(原則)
 金銭の受取書や領収書は、印紙税法上の課税文書に該当し、印紙税が課税されます。
 ここでいう受取書とは、「領収証」や「レシート」などはもちろん、その受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付するすべての証拠証書をいいます。

2.売上代金の領収書の印紙税額
 非課税とされる領収書以外の領収書について納めるべき印紙税額は、その領収書に記載された額ごとに異なります。

3.PDF化した領収書の取扱い
 PDF化した領収書を電子メールで顧客に送付する場合には、文書そのものが実際に交付されないという理由で、印紙税は課税対象外とされています。
 また、電子メールを受信した顧客が印刷した領収書は、コピーした領収書には印紙税が課税されないという印紙税法上の考え方と同様に、印紙税は課税されないこととされています。
 
 ただし、電子メールで領収書を送信した後に、改めて顧客に対して印刷した領収書を送付するなど、正本となる領収書を送付する場合には、その領収書は印紙税の課税対象となります。

4.消費税免税事業者と印紙税

消費税の課税事業者が領収書を作成する場合に、消費税額が区分記載されているときなど、その領収金額中の消費税額が明らかである場合には、その消費税額は印紙税が課税されるかどうかの判定となる記載金額には含めないこととされています。

一方、消費税の免税事業者については、消費税相当額を顧客から受け取っている場合であっても、本来はその取引に課されるべき消費税がないため、領収書などに消費税の金額を区分記載したとしても、これに相当する金額は記載金額に含めることになります。

つまり、消費税免税事業者の発行する領収書は、税込み金額で印紙税額を判定することになるのです。

印紙税の取り扱いを誤ると、税務調査で多額の追徴課税を求められる可能性がありますので、事前に最寄りの税務署もしくは当事務所へご相談ください。

[根拠法令等]
 印法別表1の17、印基通別表1第17号文書の1、2、国税庁「消費税法の改正等に伴う印紙税の取扱いについて」「コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱い」など

《税務質疑応答》セルフメディケーション税制、従来制度との選択適用について

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年12月7日 金曜日 11:12

Q. 

セルフメディケーション税制と従来の医療費控除、いずれも適用が可能だと判断した場合に、これらの制度を併用して適用することはできますか

A. 

セルフメディケーション税制と従来の医療費控除を併用して適用することはできません。いずれか一方を納税者が選択して適用します。

この選択適用は、一度選択して確定申告した後に修正申告や更正の請求等の手続き上で、選択を変えることはできません。そのため、いずれを選択すべきかは慎重に行う必要があります。

参考条文等:所法73、措法41の17の2

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