代表ブログ

《税務質疑応答》白色申告と帳簿付けについての留意点

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年9月13日 木曜日 14:09

Q. 

私は昨年個人事業を始め、数日前に初めての青色確定申告をようやく終えました。

友人から青色申告のほうが良いと勧められたので、特に考えもなく青色申告をすることにしたのですが、正直に言って、青色申告を行うために必要な資料整理や帳簿付けが非常に煩わしいです。

白色申告だとそれらの苦労から解放されるという噂を聞いたのですが、本当でしょうか。

A.

現在は白色申告者にも記帳や書類の保存が義務付けられていますので、白色申告であればそれらを行わなくてもよいということにはなりません。

[解説]
平成25年までは、白色申告の個人事業主で、事業所得などの合計額が一定額以下の人については、帳簿付けの義務はありませんでした。

しかし、平成26年以降は、白色申告であっても全ての事業所得・不動産所得・山林所得者に対して、帳簿への記帳と記録の保存が義務化されています。

1.白色申告者が記帳すべき内容

現在の法律では、白色申告者は青色申告者と同様に、収入金額(売上げなど)や必要経費(仕入れや各種経費など)に関する事項について、帳簿に記載しなければならないこととされています。

ただし、青色申告では一定水準の記帳を行うことが求められているのに対し、白色申告では簡易な方法で記帳することが認められています。

具体的には、取引を一つ一つ記載するのではなく、日々の合計金額によって記載するなどの方法が認められています。

2.白色申告者の帳簿書類とその保存

白色申告者も青色申告者と同様に、収入金額や必要経費を記載した帳簿だけでなく、請求書や領収書などの書類も保存しなければならないこととされています。

その保存期間については、収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)については7年、それ以外の帳簿(任意帳簿)や請求書・領収書などの書類については5年と定められています。

このように、現在の制度では、昔のように白色申告者の事務処理負担が際立って少なくなるということはありません。

[根拠法令等]
所法148、232、所規102など

《税務質疑応答》得意先接待旅行における交際費の留意点

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年8月27日 月曜日 16:08

Q. 

当社は健康食品の製造を行っております。

当社の商品は、全国の代理店を通じて販売を行っておりますが、昨今の健康食品業界の競争激化により、一部の代理店が当社との代理店契約を解除し、他の健康食品製造会社と代理店契約を結ぼうとする動きを見せ始めています。

そこで、代理店との懇親を深めることを目的とし、今年末から全国の代理店を温泉旅行に招待し、あわせて商品の販売戦略会議を行うこととなりました。

具体的には、2泊3日の予定で代理店を招待し、1日目の温泉旅館到着後に販売戦略会議を行い、後の日程は、宴会や近隣の観光地へのバスツアーなどを企画しています。

上記の招待旅行の費用は、法人税法上どのように取り扱われるのでしょうか。

A.

ご相談の場合、販売戦略会議に直接要する費用以外の費用は、法人税法上の交際費等に該当するものと考えられます。

[解説]

1.法人税法上の交際費等から除かれる会議の費用とは

法人税法上、新商品の説明や販売技術の研究等の会議を開催した場合において、それらの会議に関連して、茶菓・弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用については、交際費等から除かれることとされています(ただし、その会議が会議としての実体を備えていると認められるときに限ります)。

2.会議開催地での宴会費用等は会議の費用なのか、交際費なのか

しかし、会議開催地で、会議とは別に宴会等を催す場合のその宴会等の費用は、上記1.の「会議に通常要する費用」には含まれません。

したがって、御社が会議終了後に行う宴会費用等は、代理店との懇親を深めるために、代理店を接待・供応等する費用であると考えられるため、法人税法上の交際費等に該当することとなります。

なお、1人当たり 5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く)については、その飲食等のあった年月日等を記載した書類を保存すること等の一定の要件の下で、法人税法上の交際費等の範囲から除外されることとされています。

しかし、旅行等の催事に際しての飲食等については、通常、それらの催事を実施することを主たる目的とする一連の行為の一つとして実施されるものですから、その飲食等は、主たる目的である催事と不可分かつ一体的なものとして、催事の一連の行為に吸収される行為であると考えられます。

よって、ご相談の場合には、販売戦略会議の会場借上費や茶菓費等、会議に直接要した費用以外の費用は、法人税法上の交際費等に該当し、1人当たり5,000円以下の飲食費の判定も行わないこととなります。

このように、法人税法上の交際費等の考え方は非常に複雑ですので、その取扱いについて疑問等が生じた場合には、ぜひ当事務所へご相談ください。

参考条文等:措法61の4、措通61の4(1)-16など

《税務質疑応答》贈与税と譲渡所得税に関わる税務リスクについて

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年7月24日 火曜日 15:07

Q.
私はマンション1室を所有しています(購入したのは10年ほど前です)。

そのマンションを子に贈与することで私の相続財産を減少させ、子の相続税負担を軽減したいと考えています。

その贈与について、贈与者である私に関して、税務上留意すべき点はあるでしょうか?

 なお、贈与しようとしている土地に関する特記事項は、下記の通りです。
• マンションの購入時の価格は3,000万円、現在の帳簿価額(未償却残高)は2,200万円です。
• マンション購入についてのローンの残債は2,400万円で、全額を子に引き継がせるつもりです

A.
ご相談の贈与は「負担付贈与」に該当します。

この場合、ローン残債相当額の2,400万円でマンションをお子様に売却したことになります。

このため、ご相談の内容でお子様への贈与を実行されますと、ローン残債相当額2,400万円から帳簿価額2,200万円を控除した残額の200万円に対して、譲渡に対する所得税・復興特別所得税・住民税が課されることとなります。

[解説]
1.負担付贈与とは

 資産の贈与について、贈与を受ける条件として受贈者が贈与者の債務を引き受けることを「負担付贈与」といいます。

2.譲渡所得の「対価」に含まれるもの

 所得税法上の譲渡所得における「対価」には、金銭だけでなく、金銭以外の物又は権利その他経済的な利益も含まれることとされています。

 このため、贈与という名目ではあっても、その贈与に伴って贈与者が負っていた債務相当額が受贈者に引き継がれるような場合、贈与者は、受贈者に引き継がれた債務相当額の経済的利益を得たことと同じことになるのです。

 よって、ご相談の内容による贈与を実行された場合には、お子様に引き継がれるローン残債相当額2,400万円の収入がご相談者に発生したことになります。

 その収入額からマンションの帳簿価格(未償却残高)2,200万円を控除した残額が譲渡所得の金額となり、所得税が課税されることとなります。

 このように、資産を「贈与」する場合であっても「所得税」などが課税されることがあります。

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