代表ブログ

「通常の地代の年額」の計算式とは?

その他,代表ブログ | 2010年8月31日 火曜日 16:08

【件名】 「通常の地代の年額」の計算

【質問】  被相続人(父)は、その所有地(宅地)の一部を、父の弟が所有する事業用建物の敷地として貸し付けていた。
 その土地の所在地は従前から借地権取引の慣行がある地域であるが、父は弟から借地権設定に際して権利金を貰わず、地代を貰ってはいたが、いわゆる相当の地代の半分程度であった。
 父が死亡したので、相続税の申告のために相続財産の評価をしているところであるが、上記の貸宅地については、通常の貸宅地として評価するのではなく、「相当の地代に満たない地代を収受している貸宅地」として、その自用地としての評価額から、次の算式により計算した当該宅地に係る借地権の価額を控除した価額(地代調整貸宅地価額)によって評価すべきだといわれた。
(相当の地代に満たない地代を収受している貸宅地に係る借地権の価額の算式)
 自用地としての価額×[借地権割合×〔1-{(実際に支払っている地代の年額-通常の地代の年額)/(相当の地代の年額 - 通常の地代の年額)}〕]
 ところで、この算式中、「借地権割合」は路線価図で分かるし、「実際に支払っている地代の年額」も分かっている。「相当の地代の年額」も最近3年間の相続税評価額の平均額に6%をかけて計算すればよいことになる。
 しかし、「通常の地代の年額」は難問で、どこでどのようにして調べれば分かるのか教えてもらいたい。

【回答】  「通常の地代の年額」とは、その地域において、権利金を支払って借地権の設定をした土地の賃貸借当事者間で授受される地代の平均的な額をいうのですが、それを調べるのは実際問題として困難です。
 そこで、相続税の課税実務では、簡便法として、次の算式により求めた金額をもって「通常の地代の年額」とし、ご質問の借地権の価額の計算式を用いて差し支えないとする取扱いが広汎に行われています。
(参照)「相続税法基本通達逐条解説(大蔵財務協会発行)」中、「相続税法基本通達関係主要個別通達」(相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて)解説部分
(算式)
 通常の地代の年額=「自用地価額×(1-借地権割合)」(過去3年間の平均額)×6%

【関連情報】 《法令等》 相続税法22条
財産評価基本通達25
相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(個別通達)(昭60.6.5直資2-58、直評9)

交際費をめぐる判例

【質問】  最近の交際費をめぐる判例で特に注目すべき事例があったら教えてください。

【回答】  租税特別措置法61条の4第3項では、交際費等を「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が得意先、仕入先その他事業に関連のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と定義付けています。この規定は、支出の目的、支出の相手方、支出の態様といった交際費等に該当することとなる要件を定めたものと解されますが、各要件の具体的な範囲をめぐっては解釈が分かれています。ここでは、この交際費等の該当要件について、地裁と高裁の判断がわかれたA製薬事件の判決につき、その内容を紹介します。

1、事実
 原告は医家向医薬品の製造販売を業とする会社であり、その医薬品を販売している大学の付属病院及び国公立病院の医師等から、その発表する医学論文が海外の雑誌に掲載されるようにするための英訳文につき、英文添削の依頼を受け、これをアメリカの添削業者2社に外注していた。原告は、医師等からは国内業者の平均的な英文添削の料金を徴収していたものの、外注業者にはその3倍以上の料金を支払っており、その金額は平成6年3月期、1億4512万円余、平成7年3月期、1億1169万円余、平成8年3月期、1億7506万円余となっていた。被告課税庁は、英文添削を依頼した医師等は原告の「事業に関係ある者」に該当し、原告の負担の目的が医師等に対する接待等のためであって、本件負担額は交際費等に該当するとし、更正処分を行った。これに対し原告は、本件負担額は交際費ではなく寄付金であるとして訴訟を提起したものである。

2、東京地裁平成14年9月13日判決
(1)交際費等の要件
 交際費等が、一般的に支出の相手方及び目的に照らして、取引関係の相手方との親睦を密にして取引関係の円滑な進行を図るために支出するものと解されていることからすれば、ある支出が交際費等に該当するか否かを判断するには、支出が「事業に関係ある者」のためにするものであるか否か、及び支出の目的が接待等を意図するものであるか否かが検討されるべきである。そして、支出の目的が接待等を意図するものであるか否かについては、当該支出の動機、金額、態様、効果等の具体的事情を総合的に判断すべきであって、当該支出の目的は、支出者の主観的事情だけではなく、外部から認識し得る客観的事情も総合して認定すべきである。
(2)英文添削の費用負担額は交際費等に該当するのか
 原告が取引先病院等の医学研究者から論文等の英文添削の依頼を受けそのために支出した費用負担額については、〔1〕英文添削の依頼者がすべて原告の取引先である大学、病院等に所属する医師又は医学研究者であって、「事業に関係ある者」に該当すること、〔2〕英文添削を利用できる者は、原告の取引先である大学、病院等に所属する医師又は医学研究者に限られていたこと、〔3〕原告が取引先に派遣していたMR(医薬情報担当者)を通じて英文添削の依頼を受けることにより、MRが取引関係者との間に親密な関係を築くことができ、取引関係を円滑にする効果を有していたこと、〔4〕英文添削の業務は頻繁に行われ、依頼者から収受した添削収入と英文添削の外注費との差額である費用負担額は、係争年度において1億1000万円、1億7000万円にのぼること、〔5〕原告は、公正競争規約に違反することを避けるため、他の国内翻訳業者の英文添削料金と同水準の料金を依頼者に請求することとしたものの、費用負担額については、取引先との取引の円滑な進行を図るため、これを自己負担としたものと解されること、等によれば、本件費用負担額は交際費等に該当する。

3、東京高裁平成15年9月9日判決
(1)交際費等の要件
 ある支出が交際費等に該当するためには、〔1〕支出の相手方が事業に関係ある者等であり、〔2〕支出の目的が事業関係者との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ることであるとともに、〔3〕行為の形態が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であることの三要件を満たすことが必要であると解される。そして、支出の目的が接待等のためであるか否かについては、当該支出の動機、金額、態様、効果等の具体的事情を総合的に判断して決すべきである。また、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であれば、それ以上に支出金額が高額なものであることや、その支出が不必要(冗費)あるいは過大(濫費)なものであることまでが必要とされるものではない。
(2)英文添削の費用負担額は交際費等に該当するのか
 製薬会社が取引先病院等の医学研究者から論文等の英文添削の依頼を受けそのために支出した費用負担額は、通常の接待、供応、慰安、贈答などと異なり、それ自体が直接相手方の歓心を買えるというような性質の行為ではなく、むしろ学術奨励という意味合いが強いこと、その具体的態様等からしても、金銭の贈答と同視できるような性質のものではなく、また、研究者らの名誉欲等の充足に結びつく面も希薄なものであることなどからすれば、交際費等に該当する要件である接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為をある程度幅を広げて解釈したとしても、本件英文添削の差額負担がそれに当たるとすることは困難である。本件英文添削の差額負担は、その支出の目的及びその行為の形態からみて、交際費等には該当しないものと言わざるを得ない。

【関連情報】 《法令等》 租税特別措置法61条の4第3項

■高い家賃設定、高い入居率。稼ぎます!「戸建て賃貸住宅」。

代表ブログ | 2010年8月25日 水曜日 15:08

いま、資産の有効活用の一つとして、賃貸用の戸建て住宅に熱い視線が注がれています。これまでの戸建て賃貸のような中古物件ではなく、新築の賃貸目的の戸建て住宅です。

 2009年版「土地白書」(国土交通省)によると、戸建てに住みたいと願っている人は約80%で、マンションなどの集合住宅がいいという世帯の約9倍にも達しています。しかし厳しい経済環境の中、マイホームの取得が一層難しくなり、賃貸入居者の意識も変わり始めているようです。「先行き不安な時に、持ち家は足かせになる」「無理して建ててローンに追われるより、現在の家賃より少々高くても戸建てに住めるならそうやって人生を楽しみたい」。

 こういった現実に対し、賃貸の供給戸数は、アパート・マンションが95%以上なのに戸建ての賃貸住宅は5%にも満たないという圧倒的な少なさ。マイホーム購入に踏み切れないファミリー世帯を中心に、戸建て賃貸に住みたいのに物件が不足している。つまり需要の大きさに比して供給が小さすぎるという、極端なアンバランスを招いているのが現状です。

 住宅メーカーではここを商機と捉え、土地保有者へ向け新しい資産運用商品として各社各様の個性的物件でアピールします。

 「桧家ランデックス」の『プライムアセットNew』は、入居者のライフスタイルに合わせて居住空間が変更可能。
 
 3年前から発売している「ミサワホーム」の『ベルリード カシーヤ』は、庭・ガレージ付きで1棟、約1,000万円。また、平屋タイプで高齢者向け仕様の『ベルリード カシーヤ ウィズ マザアズ』も販売。さらに昨年10月には『ハイブリッド ホームプラス』という、自宅部分と賃貸部分が併用した住宅を販売しています。

 「ハイアス・アンド・カンパニー」は、“デザイナーズ戸建て賃貸”と銘打った『ユニキューブ』を1棟740万円のローコストで販売。

 他にも「大和ハウス」「タマホーム」「セキスイハウス」など、大手から中小まで多数参入しています。

 建てる側(オーナー)の最大のメリットは、供給が過剰気味のアパート・マンション経営と比べ、供給量が少ないぶん希少価値を生み、借り手が見つかりやすく安定した家賃収入が見込める点。また、必ず駐車場付きのため、駅から離れた立地でも入居者を獲得でき、さらに同レベルのマンションより15%は高い家賃設定が可能な点、など。住む側も、よほど快適なせいか、戸建て賃貸の平均入居期間は約11年と、アパートなどの2倍強という人気ぶりです。

 需要と供給のギャップが埋まるまで、戸建て賃貸市場はさらに活況を呈することになりそうです。

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