代表ブログ

建物取壊費、立退料等の取り扱い

その他,代表ブログ | 2010年9月30日 木曜日 18:09

【質問】  
当社では新たに土地を取得し、新社屋を建設する予定です。その場合、取得する土地には建物があり、その取り壊し、さらには整地が必要になります。また、その建物の所有者には立退き料を払わねばなりません。これらの新社屋建設に伴い発生する諸費用の処理はどのようにすべきでしょうか。

【回答】
まず、取得した土地に存する建物の取壊費ですが、法人税基本通達7-3-6によれば「法人が建物等の存する土地(借地権を含む)を建物等とともに取得した場合等において、その取得後おおむね一年以内に当該建物等の取り壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取り壊しの時における帳簿価額及び取り壊し費用の合計額(廃材の処分により得た金額は控除)は、当該土地の取得価額に算入する。」とされています。貴社の場合、新社屋の建設ということで、建物を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかですので、この通達の条項に従って処理する必要があります。
 次に、建物取り壊し後の土地の整地等に要する費用ですが、整地等に要する費用は原則的には土地の取得価額に算入されることとなりますが、たとえば、新社屋を高層化することで必要となる地盤強化のための整地費用のような場合にはその建物、すなわち新社屋の取得価額に算入されることになります。法人税法基本通達7-3-4の注書でも「専ら、建物等の建設の為に行う地盤強化等の工事に要した費用の額は、当該建物等の取得価額に算入する。」としています。
 最後に、建物に入居していた者に支払う立退料ですが、「法人が土地、建物等の取得に際し、当該土地、建物等の使用者等に支払う立退料等の金額は、当該土地、建物等の取得価額に算入する」(法人税基本通達7-3-5)とされており、ご質問の場合については土地の取得価額に算入されることとなります。そもそも土地の買取価額はこの立退料を織り込済みの価額であるはずです。
 なお、ご質問のケースは新たに土地等を取得した場合ですが、自社所有の土地の上にある既存の建物を取り壊し、建物を新築した場合のように既存の建物の立て替えだけの場合には、取壊費用、旧建物の帳簿価額、入居者に支払った立退料のいずれについても支出時の損金として認められます。

【関連情報】
《法令等》
法人税法施行令54条
法人税基本通達7-3-4
法人税基本通達7-3-5
法人税基本通達7-3-6

中小企業の夏季賞与からみる景気状況は?

代表ブログ | 2010年9月24日 金曜日 16:09

Q.首都圏でスーパーを経営しています。同業他社との厳しい価格競争にさらされていますが、

   今年も夏季賞与を支給したいと考えています。世間相場はどれくらいになりそうか教えてください。

 A.日本経済は2009年春から回復局面に入りましたが、

   昨年は雇用者にとって景気の持ち直しを実感するのは難しい1年間でした。

   厚生労働省が今年3月に発表した09年冬の1人当たりボーナス支給額は、

   前年比▲9.3%(08年冬は同+1.0%)と大幅に減少しました。

   支給額の算定基礎となる所定内給与、支給月数ともにマイナスとなり、冬季賞与としては過去最大の下落幅です。

   多くの企業は、業績が最も厳しかった昨春の賃金交渉の際に支給額を妥結していたため、

   夏季ボーナス(前年比▲9.7%)と同程度のマイナス幅となりました。

  
   夏・冬のボーナスが両方とも大幅に絞り込まれることは過去にあまり例のないことですが、

   昨年は1年を通じて人件費抑制に取り組んだ企業が多かったようです。

   1人当たり支給額の激減に加え、支給対象労働者の割合

  (常用労働者総数に占める、支給事業所に雇用される常用労働者の割合)は83.0%と前年から

   2.4ポイント低下し、過去最低となりました。

 
   冬のボーナスが支給される11〜1月の常用雇用者数を用いて試算すると、

   支給対象者数(支給事業所に雇用される常用労働者数)は前年比▲3%の大幅減、支給総額は13.9兆円と

   前年から2.1兆円も減少したことになります。雇用者にとって非常に厳しい所得環境であったといえます。

   2010年夏のボーナスを取り巻く環境には、昨冬よりも幾分明るさが見られます。

   09年度下期の経常利益(法人企業統計ベース)は低水準ながらも前年比+130.1%と大幅に増加しました。

   そのため、企業収益と連動する傾向のある支給月数(ボーナス支給額÷所定内給与)は、

   1.05ヵ月(前年差+0.02ヵ月)と4年ぶりに上向くとみられます。

 
   一方、ボーナス算定の基礎となる所定内給与が増加する可能性は低そうです。

   今年の春闘では、労働側の要求通り概ね定昇の維持が回答されたようですが、

   ベースアップはほとんどありませんでした。

   日本経団連の2次集計によると、今年の賃上げ率は大企業で1.81%(昨年の2次集計値は1.76%)、

   中小企業で1.5%(同1.42%)と、ほぼ昨年並みにとどまりそうです。

   また、企業の求人は持ち直してはいますが、非正規社員に偏っています。

   相対的に賃金の低い非正規社員のウェイトが高まる結果、

   雇用者全体の平均値で見た所定内給与は前年比▲0.5%と小幅に減少するでしょう。

   以上を踏まえ、大手シンクタンクでは今夏の民間企業1人当たりボーナス支給額(5人以上事業所)を

   前年比+1.0%と、4年ぶりに増加すると予測しています。

   規模別に見ると、中小企業(5〜29人)は前年比+0.5%と、

   大企業(30人以上)の同+1.2%と比べれば小幅な伸びになりそうです。

   これは、大企業の昨年の落ち込み幅(前年比▲11.5%)が中小企業(同▲5.7%)より大きかったためです。

   支給対象者も増加し、民間の支給総額は2年ぶりに増加するとみられますが、

   大企業・中小企業とも、金融危機前の08年と比べれば低い水準にとどまるでしょう。

   基本給である所定内給与が上向き、所得環境が本格的に回復するには今暫く時間がかかりそうです。

 税務調査で指摘されないためには!紹介手数料の取り扱い

代表ブログ |  16:09

 Q.A法人(製造業)は、売上が減少してきたことから、

   B法人(得意先)の役員に新しい仕事先の紹介を依頼していましたが、

   実際に紹介をしてもらったので、手数料(紹介料)として150万円支払いました。

   科目は、雑費として処理しました。
 
   今回の税務調査で、交際費ではないかと指摘を受けました。

   お礼として5万円〜10万円を支払ったのであれば交際費との見解もわかりますが、

   150万円の支払金額については事実であることが確認されたものであり、

   取引の対価性があるものであって、交際費とはしないでよいものではないかと思いますがいかがでしょうか。

 A.措置法通達61の4(1)-15では「交際費等に含まれる費用の例示」を掲げていますが、

   その(9)においては「得意先、仕入先等の従業員に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用」を、

   また、その(2)においては「下請工場、特約店、代理店等となるため、又はするための運動費等の費用」

   を例示しています。

  
   もっとも、その(2)の例示については、その注書において

   「……相手方である事業者に対して金銭等を交付する費用は、交際費等に該当しない。」としていますが、

   これは相手方の事業者(会社、個人事業者等)の収益又は収入金額として計上されるからです。

 
   また、措置法通達61の4(1)-8(情報提供料等と交際費等との区分)、

   同61の4(1)-14(特約店等の従業員を対象として支出する報償金品)では、

   交際費等として取り扱わない例を定めています。これらは、あらかじめの契約等がある場合であること

   又は取扱数量、取扱金額に応じて交付することがあらかじめ明らかにされている場合であることの

   一定の要件が満たされることが前提とされています。
 

   ご質問の場合は、どのような製品を製造する法人がいくらの取引が見込めるものについて

   150万円の紹介手数料又は謝礼金を支払ったのか等の事実関係が明確ではありませんが、

   税務上は、基本的には、取引等の紹介料、謝礼金の支出費用については交際費等に該当するものとし、

   前述のように、一定の要件を満たすものは交際費等から除くこととしていますので、

   それらの一定の要件を満たさないものは、交際費等に該当するものとして検討されることとなります。

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