代表ブログ

従業員と得意先社長の合同忘年会の処理について

その他,代表ブログ | 2010年11月30日 火曜日 16:11

【質問】

 会社主催の忘年会を、当社の役員・従業員全員と取引先の社長とを合わせ30名(うち取引先の社長14名)で、料亭において行いました。これらの費用は全額当社において負担したが、その全額を交際費等としなければいけないでしょうか。
 又は、支払総額のうち当社の役員及び従業員16名分を福利厚生費とすることはできないでしょうか。

【回答】

 交際費等の範囲は、措置法61条の4第3項において、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものとされ、また、同項括弧書きにおいて、交際費等から「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用その他政令で定める費用を除く。」と規定されています。
 従業員の慰安のために通常要する費用を、特に交際費等から除く趣旨として「この種の費用が従業員個々人の業務実績とは無関係に従業員全体の福利厚生のために支出されるものであり、法人において負担するのが相当な費用であるので、通常要する範囲を超えない限り全額損金算入を認めても、法人の社会的冗費抑制の目的に反しないとしたためと解される。」と判示しています(昭57.7.28東京高裁昭和56年(行コ)第31号)。
 これらのことから、例えば、年1回の忘年会において、たまたま得意先の従業員が数名参加し、しかも得意先従業員の接待が目的でない場合において、社会通念上行われる程度の忘年会で全従業員が対象ということであれば、福利厚生費としての処理可能と考えられますが、ご質問の場合は、30名のうち14名が取引先の社長ということですから、従業員の慰安目的が含まれているとしても、得意先社長の接待が主な目的と解されること、やむを得ないように思われます。
 特に、交際費等から除かれる理由として「専ら従業員の慰安のため…」が付されていることから考えても、福利厚生費としての処理には無理があり、その全額が交際費等に該当すると判断される可能性が高いと思われます。

【関連情報】 《法令等》 租税特別措置法61条の4第3項

【印紙税】印紙税の7号文書(継続的取引の基本契約書)に該当するか否か?

その他,代表ブログ | 2010年11月20日 土曜日 11:11

【質問】
 A社は、売買取引基本契約書を結ぶに当たって、遅延損害金についての条項を入れようと思いますが、文言として、次のような「B社(仕入業者)が売買代金債務の弁済を怠ったときは、A社に対して損害を賠償する」というような文言のときは、印紙税法施行令26条1号に規定する債務不履行の場合の損害賠償の方法には該当しないと考えられます。

 しかし、次のような「B社が売買代金債務の弁済を怠ったときは、A社に対し弁済期日の翌日から完済の日まで年12%の割合による遅延損害金を支払わなければならない」というような文言のときは、同令26条1号の債務不履行の場合の損害賠償の方法に該当し、7号文書に該当すると考えていいのでしょうか。

【回答】
1 印紙税の7号文書(継続的取引の基本契約書)についてのお尋ねです。

2 印紙税法施行令26条1号には、継続的取引のための契約書で「債務不履行の場合の損害賠償の方法」を定めるものは、印紙税法別表第一の7号文書に該当するものとしています。

 ご質問の第1点は、「B社(仕入業者)が売買代金債務の弁済を怠ったときは、A社に対して損害を賠償する」という条項に関するものですが、これは民法上の債務不履行の責任を注意的に表現しているだけですから、このような条項がなくても当然に負担すべき原則的事項が約定されているだけであり、その故をもって7号文書の課税原因となるものには当たらないと考えます。

3 次に、ご質問の第2点は、「B社が売買代金債務の弁済を怠ったときは、A社に対し、弁済期日の翌日から
完済の日まで年12%の割合による遅延損害金を支払わなければならない」という約定に関するものです。

 この条項は、損害賠償金額の具体的な計算方法について約定するものですから、上記印紙税法施行令26条1号にいう「債務不履行の場合の損害賠償の方法」を定めるものに該当します。

 ご質問は、継続的な納入を行う仕入業者との間の契約書という前提ですから、その文書は、7号文書に該当すると考えられます。

【関連情報】
《法令等》 印紙税法別表第一の7号
印紙税法施行令26条1号

【環境対策】世界的な化学物質管理規制への対応

その他,代表ブログ | 2010年11月15日 月曜日 18:11

Q1
 国際的に化学物質に係る規制が強化されていると聞きました。中小企業にも関係ありますか。ある場合にはどのような対応が必要でしょうか。

A1
 国際的な化学物質管理の流れは、1992年の国連地球環境サミットで定められた「アジェンダ21」が「2020年までに化学物質の製造と使用による人の健康と環境への悪影響の最小化を目指す」と目標設定し、この実現にむけ、06年国際化学物質管理会議が「国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ」(SAICM)を取りまとめ、各国においても現在この目標達成に向け諸規制の整備が進められつつあります(欧州REACH、日本化審法など)。

 SAICMを受けて、新たに規制強化が行われつつあるポイントは、大きく3つあります。1つは新規化学物質のみならず既存物質も対象に含めること。このことは、対象となる物質数が飛躍的に大きくなることを意味します。2つ目は物質の有害性(ハザード情報)に基づく管理から、リスク(ハザード情報×暴露情報)に基づく管理への移行です。そして3つ目は化学品及び混合物(調剤)といった化学品メーカーが販売する製品のみならず、テレビや自動車などの最終製品を含めた成形品(部品)が含有する化学物質も対象となることです。これらの変更によって、すべての製造産業が化学物質管理に等しく取り組む必要が生じました。

 既に、川下の最終製品メーカーでは、調達する部品などに含まれる規制対象物質の存在の有無などについて調査を行い、取引先の企業に対し回答を求めるところもでてきました。回答は、素材や原料を生産する川上企業から、携帯電話やパソコンを生産する川下企業まで、更には各企業を支える協力会社を含めたサプライチェーン全体が、各社で使用/含有/混入した化学物質の中で有害性をもつと合意された物質を各社の顧客に向け情報開示していくことで初めて把握できます。このため、企業内の購買部門や品質保証部門等においては、自社/自製品/自工程で、調達部材・部品や工程内で化学物質を混入した場合の管理などを適正に行い、管理対象物質の種類と量の把握を行う必要があります。

 部品や成型品を製造している中小企業の事業者の方々も、原則全ての化学物質について、規制動向を把握することを心がけるべきでしょう。さらに、規制対象物質の生産や自社製品内における使用状況を確認し、環境や人体への影響が現時点では問題にならない化学物質を設計・調達段階から管理し、使用することが必要です。特に、製造プロセスにおける管理は極めて重要で、これらへ適正に対応できる人材育成も急務です。

 すなわち、これまでのいわゆる品質、コスト、納期といった重要なコマーシャルスペックに加え、環境対策が必要になってきているのです。環境対策としては、CO2や省エネが代表的ですが、化学物質についても同様に対応しなければならない時代に入ってきました。

 これら化学物質規制への対応は、原則すべての企業に義務づけられます。取引先への信用拡大、環境負荷の低減、効率的な管理によるコストの削減等が見込まれることから、決してマイナス面ばかりではなく、むしろ国際的な競争力の向上に大きく寄与するものとして捉えることが重要です。

ページトップへ