Yearly Archives : 2010年

【環境対策】世界的な化学物質管理規制への対応

その他,代表ブログ | 2010年11月15日 月曜日 18:11

Q1
 国際的に化学物質に係る規制が強化されていると聞きました。中小企業にも関係ありますか。ある場合にはどのような対応が必要でしょうか。

A1
 国際的な化学物質管理の流れは、1992年の国連地球環境サミットで定められた「アジェンダ21」が「2020年までに化学物質の製造と使用による人の健康と環境への悪影響の最小化を目指す」と目標設定し、この実現にむけ、06年国際化学物質管理会議が「国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ」(SAICM)を取りまとめ、各国においても現在この目標達成に向け諸規制の整備が進められつつあります(欧州REACH、日本化審法など)。

 SAICMを受けて、新たに規制強化が行われつつあるポイントは、大きく3つあります。1つは新規化学物質のみならず既存物質も対象に含めること。このことは、対象となる物質数が飛躍的に大きくなることを意味します。2つ目は物質の有害性(ハザード情報)に基づく管理から、リスク(ハザード情報×暴露情報)に基づく管理への移行です。そして3つ目は化学品及び混合物(調剤)といった化学品メーカーが販売する製品のみならず、テレビや自動車などの最終製品を含めた成形品(部品)が含有する化学物質も対象となることです。これらの変更によって、すべての製造産業が化学物質管理に等しく取り組む必要が生じました。

 既に、川下の最終製品メーカーでは、調達する部品などに含まれる規制対象物質の存在の有無などについて調査を行い、取引先の企業に対し回答を求めるところもでてきました。回答は、素材や原料を生産する川上企業から、携帯電話やパソコンを生産する川下企業まで、更には各企業を支える協力会社を含めたサプライチェーン全体が、各社で使用/含有/混入した化学物質の中で有害性をもつと合意された物質を各社の顧客に向け情報開示していくことで初めて把握できます。このため、企業内の購買部門や品質保証部門等においては、自社/自製品/自工程で、調達部材・部品や工程内で化学物質を混入した場合の管理などを適正に行い、管理対象物質の種類と量の把握を行う必要があります。

 部品や成型品を製造している中小企業の事業者の方々も、原則全ての化学物質について、規制動向を把握することを心がけるべきでしょう。さらに、規制対象物質の生産や自社製品内における使用状況を確認し、環境や人体への影響が現時点では問題にならない化学物質を設計・調達段階から管理し、使用することが必要です。特に、製造プロセスにおける管理は極めて重要で、これらへ適正に対応できる人材育成も急務です。

 すなわち、これまでのいわゆる品質、コスト、納期といった重要なコマーシャルスペックに加え、環境対策が必要になってきているのです。環境対策としては、CO2や省エネが代表的ですが、化学物質についても同様に対応しなければならない時代に入ってきました。

 これら化学物質規制への対応は、原則すべての企業に義務づけられます。取引先への信用拡大、環境負荷の低減、効率的な管理によるコストの削減等が見込まれることから、決してマイナス面ばかりではなく、むしろ国際的な競争力の向上に大きく寄与するものとして捉えることが重要です。

【役員退職金について】役員退職金の算定方法と功績倍率について

 

Q.役員退職金は、功績倍率により算出しない限り損金算入は認められないのでしょうか

A. 法人税法上の役員退職給与に係る規定から検討しますと、最も基本規定としましては、

役員に対して支給する退職給与は、不相当に高額でない限り損金とて認められるとする規定があります

(法法34(2))。

また、役員退職給与の額は、その役員の業務に従事した期間、退職の事情、同種の事業を営む

その事業規模が類似する法人の役員の支給状況等に照らし、相当である場合に全額が損金として

認められることとして規定されており(法令70(1))、功績倍率による退職金の算定に

係る規定は何らありません。

換言しますと、法人税法上、功績倍率によらない役員退職金の算出も当然考えられ、

むしろ、役員に対して支給される退職給与の額は、各企業において定められている

退職金規程等によって決定される企業慣行が多く、功績倍率のみが役員退職給与の適正額と

成り得るものではないと考えます。

したがって、役員退職給与の額の適正額については、企業慣行や公正妥当な会計慣行としての

基準並びに退職する役員の個別事情等々により決定することが妥当であります。

このことは、過去の役員退職金に係る判決例をみても、

「不相当に高額な役員退職給与の損金不算入を定めているのは、・・・・法人の行為計算のみ

にとらわれることなく、その合理性の検討について特に注意を喚起せんとするにとどまり、

損金としての要件を具備する役員退職給与であっても、当該事案における特殊事情をすべて捨象して、

同業種、同規模の他の会社の役員退職給与の支給金額をこえる部分の損金算入をすべて否定せしめん

とする趣旨に出たものではないと解すべきである。」として判示し、

更に、「役員退職給与の損金性の尺度たる貢献度は、売上金額、所得金額、積立金増加額の要素のほか、

法人の創立・再興の功績、資本金額、設備投資の有無および功罪によって異なるものというべきである。」

として判示しているところでもあります(東京地裁・昭和46年6月29日判決・「法人税課税処分取消請求事件」)

《参照法令等》 法人税法34条、法人税法施行令70条

直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税特例の拡充及び変更

代表ブログ,税制改正 | 2010年10月29日 金曜日 13:10

平成21年6月に創設された「直系尊族から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の500万円非課税特例」について、平成22年12月31日までの贈与とされていた適用期限が平成23年12月31日まで1年延長され、非課税枠が、平成22年については1500万円、平成23年については1,000万円となっています。

(1)1,500万円、1,000万円非課税特例については所得制限がある
平成21年6月に創設された500万円の非課税特例には、受贈者に所得に制限がありませんでしたが、改正後に拡充される1,500万円及び1,000万円の非課税特例については、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の者に限定されます。

(2)平成22年については選択適用
合計所得金額が2,000万円超の方は、平成22年住宅所得等資金贈与の1,500万円の非課税特例を受けることができませんが、平成21年に住宅所得等資金の500万円非課税特例の適用を受けていない場合には、平成22年に500万円の非課税特例の適用を受けることが可能です。

(3)父、母だけではなく祖父母等からの贈与も対象に
この非課税特例は直系尊属からの住宅取得等資金贈与に適用がありますので、父母
祖父母はもちろん、曾父母からの住宅取得等資金贈与も対象となります。
一方、従来から住宅主宅のための資金の贈与を受けた場合の特例として、相続時精算課税制度の住宅等資金贈与の特例がありますが、この特例は父母からの贈与に限られ、祖父母からの贈与は適用外です。

(4)資産贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得して居住することが原則
 贈与を受けた金額について、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅の取得など次の(5)に①から④までに充て、かつ、その住宅に居住することが必要です。3月15日までに完成していない場合で一定の状態まで建築が進んでいる場合やその他の事由で居住していないときには、遅滞なく居住することが確実であると見込まれるときは適用が認められます。

(5)新築、新築物件の取得、中古物件の取得及び増改築も対象に
住宅取得等資金贈与の適用は住宅の新築だけでなく、次のように新築物件の購入や既得住宅の取得や増改築についても対象となります。
①住宅用家屋の新築若しくは建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得
②上記①とともにするその敷地の用に供されている土地もしくは土地の上に存する権利の取得のために資金を充ててその住宅用家屋の新築をした場合又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をした場合
③既存住宅用家屋の取得または既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地もしくは土地の上に存する権利の取得のために資金を充てて、その既存住宅用家屋の取得をした場合
④居住の用に供している住宅用の家屋について行う増改築又はその家屋についての増改築とともにするその敷地の用に供されることとなる土地若しくは土地の上に存する権利の取得のために資金を充ててその住宅用の家屋について増改築をした場合

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