代表ブログ

国庫補助金等の取り扱いについて

その他,代表ブログ | 2011年3月30日 水曜日 14:03

【質問】 私はA市から100万円の補助金の交付を受け、交付の目的である機械を150万円で取得した。
この場合の税務上の処理について説明してもらいたい。

【回答】 補助金をもってその目的である固定資産を取得した場合には、その補助金は総収入金額に算入されない。
したがつて、市からの補助金100万円は、事業所得の総収入金額に算入されない。また、取得した機械の取得価額は50万円(150万円ー100万円=50万円)になる。

【関連情報】 《法令等》 所得税法42条
所得税法43条
所得税法施行令89条
所得税法施行令90条
所得税法施行令91条

【解説】  1 国庫補助金の交付を受けた場合においても、本来ならば課税所得の計算上総収入金額に算入される。しかし、国庫補助金の受入に伴い課税利益が生ずるとした場合には、その国庫補助金によって取得を予定された資産の取得資金が税の額だけ不足することとなり、補助金交付の目的が阻害される結果となる。そこで、この調整のための手段として、国庫補助金等の総収入金額不算入の制度が設けられている。
 この制度は、補助金をもってその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合には、その取得又は改良に充てた部分の補助金の額は、総収入金額に算入しないこととし、他方、その固定資産については、その取得に要した金額又は改良費の額から総収入金額に算入されなかった金額相当額を控除する制度である。
 これによって、国庫補助金の交付を受けた時点では課税は生じないことになる。しかし、その固定資産の減価償却を行う場合に、総収入金額に算入されない金額相当額だけ取得費又は改良費が減額されているので、それだけ年々の減価償却費の額が少なくなることを通じて、その固定資産の耐用年数に相当する期間になし崩し的に課税が行われることになる。つまり、この制度は一種の課税延期の制度である。
 2 居住者が、各年において固定資産(山林を含む。以下同じ。)の取得又は改良に充てるため、国や地方公共団体の補助金又は給付金その他政令で定めるこれに準ずるもの(以下「国庫補助金等という。)の交付を受け、その年においてその国庫補助金等をもってその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合には、その国庫補助金等の返還を要しないことがその年12月31日(その者がその取得又は改良をした後その年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時)までに確定した場合に限り、その国庫補助金等のうちその固定資産の取得又は改良に充てた金額は、所得金額の計算上総収入金額に算入されない(所法42条1項)。
 なお、国庫補助金に準ずるものとして次のものが定められている(所令89条)
(1)障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の助成金
(2)福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律に基づく独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成金
(3)独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法に基づく独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成金
(4)公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づく独立行政法人空港周辺整備機構又は成田国際空港株式会社の補助金
(5)独立行政法人農畜産業振興機構法に基づく独立行政法人農畜産業振興機構の補助金
(6)日本たばこ産業株式会社が交付するたばこ事業法に規定する葉たばこの生産基盤の強化のための助成金
 また、この国庫補助金等で取得し又は改良した固定資産の取得価額については、総収入金額に算入されない金額相当額(国庫補助金等の額)を控除した金額をもって取得し又は改良したものとみなされる(所法42条5項、所令90条1号)。すなわち、国庫補助金等の分だけ減額(圧縮)された取得価額を基にして、減価償却費の計算や譲渡があった場合の譲渡所得等の計算が行われることになるのである。
 3 居住者が各年において国庫補助金等の交付に代わるべきものとして固定資産の交付を受けた場合には、その固定資産の価額に相当する金額は、所得金額の計算上総収入金額に算入されない(所法42条2項)。
 また、その固定資産については、その取得に要した金額はないものとみなされる(所令90条2号)。
 4 前記1の場合において、その国庫補助金等の返還を要しないことがその年12月31日までに確定していない場合は、その国庫補助金等の額に相当する金額は、その年分の所得金額の計算上総収入金額に算入されない(所法43条1項)。要するに、とりあえず、その国庫補助金については棚上げして、課税が生じないようにするものである。
 しかし、国庫補助金等の全部又は一部について返還を要しないことが確定した場合には、その確定した金額は、次の金額を除き、その確定した年分の所得金額の計算上総収入金額に算入することになっている(所法43条2項、所令91条1項)。
(1)補助金を減価償却資産の取得に充てたとき・・・返還する必要のないことが確定した補助金×((その減価償却資産の取得に要した金額ーその減価償却資産の取得の日から補助金を返還する必要のなくなった日までの期間の減価償却費の累積額)÷(その減価償却資産の取得に要した金額))
(2)補助金を減価償却資産の改良に充てたとき・・・返還する必要のないことが確定した補助金×((その減価償却資産の改良に要した金額)ー(その減価償却資産の改良の日から補助金を返還する必要のなくなった日までの期間の改良に要した金額の減価償却費の累積額)÷(その減価償却資産の改良に要した金額))
(3)補助金を減価償却資産以外の固定資産の取得や改良または山林の取得に充てたとき・・・返還する必要のなくなった部分に相当する金額
 要するに、返還を要しないことが確定したことに伴って、次の金額を総収入金額に算入しなければならないのである。
 イ 国庫補助金等の交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良に充てられた金額以外の金額があれば、その金額
 ロ 国庫補助金等の交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良に充てられた金額のうち、既往の減価償却費に対応する金額
 上記ロの金額を総収入金額に算入することによって、既往の減価償却し過ぎた分が調整されるわけである。
 また、この国庫補助金等で取得し又は改良した固定資産の取得価額については、返還を要しないことが確定した部分に相当する金額を控除した金額をもって取得し又は改良したものとみなされる(所令91条2項)。
 5 前記2、3、4の国庫補助金等の総収入金額不算入の規定は、原則として確定申告書にその適用を受ける旨、総収入金額に算入されない金額その他所定の事項の記載がある場合に限り、適用される(所法42条3項、43条4項)。

【賃金政策】 海外法人に出向する社員の給与算定は?


 中国・上海に当社初の現地法人を設立したいと考えています。同社に出向する日本人社員の給与の算定はどのように考えればよいのでしょうか。


 社員は現地法人に出向中も日本の社会保険料を払い続けるなどして、日本における生活基盤を維持する必要があります。これに伴う出費をまかなえるように、国内で勤務していたら支給されただろう月例給与の一定割合を、まず円建ての月例給与として定めます。

 上海を含め中国では単身赴任者の割合が高いのですが、単身赴任者については、日本に残した家族がこれまでどおり生活ができるように、この円建ての月例給与を増額します。

 次に、出向者が上海でその役職にふさわしい水準の生活が送れるように、現地の物価を参考にして、手取額で人民元建ての月例給与を算定します。ただし、通常、住宅費はこれには含めず、会社が別途、家賃の実費を負担します。また、通勤や私用に使う自動車については、上海を含め中国では保有を認めない会社が多く、自動車関係費もこの給与には含まれません。この上海での生活費見合いの人民元建て給与は、物価が上がれば、それに応じて見直しを行い、金額を改定しなければなりません。

 日本人海外勤務者は、上海のみならずどの都市でも、安全で利便性の高い特定の地区に固まって住む傾向があります。そのため、生活の質に大きな選択の余地はありません。出向者の上海での生活費見合いの給与は、本社での序列や社員資格に応じて差を設けることが公平と理解されていますが、このような事情のため、日本と同様に上下間で大きな差をつけることは避けるべきでしょう。

 家族帯同者については、家族の生活費見合いも含まれるように人民元建ての月例給与を増額します。また、子が上海で通園・通学をする場合には、その実費を別途、子女教育手当として支給します。

 このように、出向者の月例給与は、大きく分けて円建ての給与と人民元建ての給与の2本立てとなります。さらに、出向者には、海外勤務中も国内勤務者と同一基準で賞与を決め、支給します。

 なお、社員を現地法人に出向させると、引越代や一時帰国休暇の旅費、医療費など様々な臨時的費用が発生します。このような費用については、その見合いを給与に含めず、海外勤務規程に定める範囲内で実費を会社が負担します。

 現地法人への出向者の給与のあらましは以上のとおりですが、実際には、会社によって給与の積み上げ方が少しずつ異なります。現地での生活費見合いの給与を日本と同程度の生活を実現する水準に抑え、海外勤務の労をねぎらう手当を別に支給する例も見受けられます。また、子女教育費の一部を個人負担させる会社もあります。従って、出向者の給与を他社と比べる際には、上海での生活費見合いの給与のみを取り出すのではなく、支給総額を用いたほうがよいでしょう。

 さて、出向者に支給される給与は、上海、日本を問わず、どこで支払われても、本人が居住者となっている上海で合算して納税申告しなければなりません。

 一方、出向者の活動から得られる利益の受益者は現地法人であり、出向者の人件費は、税負担を含めいくら高額になっても、本来すべて現地法人が負担すべきです。そもそも、円建ての月例給与、賞与を日本で本社が支給する場合には、追って現地法人にその全額を請求する必要があります。

 給与の算定が終われば、本社と現地法人との間で出向契約書を交わし、人件費の負担方法を明らかにしておくことが得策です。

東北地方太平洋沖地震について(TACS会計事務所)

その他,代表ブログ | 2011年3月18日 金曜日 12:03

3月11日(金)、日本は国内観測史上最大級の規模の巨大地震に見舞われました

この災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災された皆様・そのご家族の方へ、心よりお見舞い申しあげます

一日も早い復興をお祈りいたします

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