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復興増税と平成23年度税制改正の一部成立の概要

ニュース&トピックス | 2012年3月27日 火曜日 12:03

平成23年11月30日に、東日本大震災からの復興支援としての復興増税(法人税及び所得税などの

臨時増税)と平成23年税制改正のうち一部(法人税率の引き下げや中小法人の軽減税率の引き下げなど)

が国会で成立し、平成23年12月2日に公布・施行されました。

1 復興増税

◎企業関係 法人税額の10%を3年間上乗せ

・法人税の臨時増税…復興特別法人税の創設↑(増税)

①復興特別法人税の内容

a.納税義務者は?

法人(収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引受けを行う個人を含む)

b.課税される事業年度は?

平成24年4月1日以後、最初の事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内に
開始する事業年度等です。

c.税額の計算は?

復興特別法人税の税額は、「課税標準法人税額」(基準法人税額)の10%です。

増税額(年間)=課税標準法人税額×10%

※基準法人税額とは、各(連結)事業年度の所得に対する法人税額(特定同族会社の特別税率、所得
(外国)税額控除等を適用しない場合の法人税額)であり、付帯税の額は除かれます。

②申告と納付の仕方

申告書の提出期限は、法人税申告書の提出期限と同時であり、基準法人税額がない場合は申告書の
提出は不要です。

※控除されるべき復興特別所得税額で、復興特別法人税額の計算上控除しきれなかった場合には、
還付を受けるための申告書を提出することができます(指定期間後に開始する事業年度についても同様)。

◎個人所得関係・その他 所得税額の2.1%を25年間上乗せ

・所得税の臨時増税…復興特別所得税の創設↑

①復興特別所得税の内容

a.納税義務者は?

所得税の納税義務者と源泉徴収義務者

(注)法人も利子等及び配当等などについて所得税額に対する復興特別所得税を納付しなければなりません。

b.課税期間は?

平成25年分から同49年分までの25年間

c.税額の計算は?

復興特別所得税の税額は、「基準所得税額」の2.1%です。

増税額(年間)=基準所得税額×2.1%

※基準所得税額とは、1年間の全ての所得に対する所得税額(本税)です。

②申告と納付の仕方

確定申告書の提出期限までに、確定申告書と併せて復興特別所得税申告書を提出し、

所得税額と併せて復興特別所得税を納付します。

③源泉徴収と納付の仕方

所得税の源泉徴収をする者は、源泉徴収税額に係る復興特別所得税を併せて徴収し、その法定納期限までに

源泉徴収税額と併せて納付しなければなりません。

図2 年間税負担額(給与所得者の場合)

 給与収入金額  夫婦と子2人の場合の復興特別税額  独身者の場合の復興特別税額

  400万円       900円            2,000円

  600万円     2,700円            4,800円

  800万円     7,000円           11,300円

1,000万円    14,000円           18,200円

※子2人の場合、1人は16歳未満でもう1人は19歳~22歳など、一定の条件の下に試算したものです。
 実際の負担額は世帯によって異なります。

・個人住民税も均等割の臨時増税↑

個人住民税の均等割の額が従前の4,000円から1,000円引き上げられ、年額5,000円(道府県民税1,500円・

市町村民税3,500円)になります。実施は平成26年度から同35年度までです。

2 平成23年度税制改正(平成23年度12月2日公布・施行分)

・企業関係[主な改正項目]

○法人税率の引き下げ

○中小企業の軽減税率及びその特例の引き下げ

○減価償却資産の償却率の引き下げ

○欠損金の繰越期間の延長 など

(1)法人税率が引き下げられる↓(減税)

当初の平成23年度税制改正法案のとおり、国税及び地方税を合わせた法定実効税率が引き下げられます。

それにより法人税基本税率(国税)が、従前の30%から25.5%に引き下げられました。

また中小法人等の所得金額のうち年800万円以下の部分に適用される軽減税率(本則)は19%(従前22%)

に引き下げれました。ただし次の(2)のとおり、特例税率がさらに引き下げられています。

[適用] 平成24年4月1日以後に開始する事業年度に適用される。

(2)中小法人等の軽減税率の特例を15%に引き下げ↓

中小法人等の所得金額のうち800万以下の部分に適用される軽減税率の特例が15%(従前18%)に引き下げれました。

ただし3年間は復興増税が付加されます。

[適用] 平成24年4月1日から同27年3月31日までの間に開始する事業年度に適用される。

(3)減価償却資産の償却率の縮減↑

減価償却資産の定率法の償却率について、定額法の償却率(1/耐用年数)の2倍(従前2.5倍)とされます。

定率法の償却限度額=未償却残額(=期首帳簿価格)×定率法の償却率

              〔従 前〕 定額法の償却率×2.5
                        ↓
              〔改正後〕 定額法の償却率×2.0

        ※所得税についても縮減が図られます。

[適用] 平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産から適用される。

(4)欠損金の繰越期間を9年に延長

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、あるいは青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による

損失金の繰越期間が以下のとおり延長されました。ただし、欠損金が発生した事業年度の帳簿書類の保存が

要件とされます。

※中小法人等以外の法人については、欠損金の控除限度額を所得金額の8割とされました。

      
       従  前      改 正 後

繰越期間    7年        9年

[適用] 平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額から適用される。

(5)貸倒引当金制度が中小法人等に限定

貸倒引当金制度の適用法人が中小法人等や銀行等に限定されることになりました。つまり中小法人については、

従来のまま貸倒引当金制度が残ります。

(6)廃止される特別措置

①中小企業等基盤強化税制↑

 期限の到来をもって廃止されます。

1)事業基盤強化設備等の取得

平成24年3月31日までに取得し事業用に使用した資産には適用されますが、同年4月1日以後に取得等した

資産には適用はありません。

2)中小企業者等の教育訓練費に係る特別税額控除制度

平成24年3月31日までに開始する事業年度に適用されますが、同年4月1日以後開始する事業年度から適用はありません。

②事業革新設備等の特別償却↑

平成24年3月31日までに一定の事業革新設備を取得等して事業用に使用した場合に適用されますが、

同年4月1日以後に取得等した場合には適用はありません。

・個人所得関係・その他[主な改正項目]

○300万円以下の事業所得者に記帳義務化

○当初申告要件・記載上限の廃止

○更生の請求期間の延長など

(1)所得が300万円以下の事業所得者に記帳義務

前々年の所得金額が300万円以下であること等により、記帳義務及び記録保存義務のない白色申告の事業所得者等

について、新たに記帳義務と記録保存義務が課せられます。

[適用] 平成26年1月1日以後において事業所得者等に該当する者から適用される。

(2)当初申告要件の廃止

〈所得税〉純損失・雑損失の繰越控除など、〈法人税〉所得税額控除など、〈相続税・贈与税〉配偶者の税額軽減、

贈与税の配偶者控除など当初申告が要件とされている一部の措置について事後的な適用が可能となります。

(3)記載上限の廃止

〈所得税〉青色申告特別控除(65万円)、電子申告した場合の税額控除など、〈法人税〉所得税額控除など当初記載金額が

上限とされている一部の措置について事後的な増額が可能となります。

(4)税務調査手続きについて明文化

①税務調査が行われる場合は、調査の開始日時、場所、目的、調査対象の帳簿書類等について、納税者本人及びその代理人

に対して事前に通知されます(ただし税務署長等が正確な事実把握等を困難にするなどの恐れがあると認める場合を除く)。

②調査終了時において、調査の結果、更生決定等をすべきと認められない場合には納税者に対して「更生決定等をすべき

と認められない」旨が書面で通知されます。また、更生決定等をすべきと認められる場合は、調査結果の内容(非違の内容、

金額、理由等)の説明がなされます。

[適用] 平成25年1月1日以後に新たに納税者に対して開始する調査等について適用される。

(5)更生の請求期間が5年に延長

納税者が申告税額の減額を求める「更生の請求」ができる期間、及び課税庁が増額更生できる期間が以下のとおり5年

に延長されました。

             従 前   改正後
  
「更生の請求」期間    1年    
                      5年

 増額更生の期間     3年

※贈与税等に係る更生の請求については6年、法人税の純損失等の金額に係る更生の請求については9年です。

※脱税に係る増額更生については従前どおり7年です。

[適用] 平成23年12月2日以後に法定申告期限等が到来する国税から適用される。

(6)個人住民税の退職金に対する減税措置の廃止↑

退職所得の分離課税の係る所得割額を10%軽減する税額控除が廃止されます。実施は平成25年1月からです。

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