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《相続・事業承継》人生の総決算「終活」とは?

代表ブログ,相続 | 2012年12月13日 木曜日 15:12

(質問)

最近人生の終末期に備える「終活」という言葉をよく聞きますが、何から着手すればよいのでしょうか?

(回答)

いわゆる「終活」とは、人生の終末期に備えて葬儀やお墓、遺産相続などの準備をすることを意味します。

従来、このようなことは家族に任せればよいという風潮がありましたが、最近は平均寿命が伸びたこともあり、人生のエンディングを納得のいくものにしたいと願う人が増えてきました。

中小企業経営者は、わが身に万一のことがあったとき、株式や不動産などの資産をスムーズに承継させるため、準備しておきたいと考えている人が少なくないはずです。大事なことは、終活にはある程度の時間がかかるので、早めに対策をスタートする必要があるということです。

相続対策というと、まず顧問税理士に相談しようと考える人が多いと思いますが、そこまで差し迫った必要性を感じていないという方には、最近はやりの「エンディングノート」を利用することをおすすめします。

エンディングノートとは、将来自分に万一のこと(病気・介護・死亡など)があったときに備えて、家族や周りの人々に伝えたいことを、あらかじめ記入しておくノートのことです。

前半はプロフィール(自分史)および医療、介護に対する希望、後半が葬儀やお墓の希望、遺産相続、大切な人へのメッセージからなります。通常の手書きのほか、パソコン入力できるものや2分冊になったもの、

特定のテーマが充実しているものなど、さまざまなタイプがあります。

エンディングノートに記入するメリットは、将来リスクが現実化したときの対処法を具体的に考えられるだけでなく、家系図や財産リストを作成していくうちに、誰にどの財産を相続させるかといったことについて、考えがまとまりやすくなる点が挙げられます。

記入のポイントは(1)項目が多いので必要性の高いところから書く(2)ひとりよがりにならないように、なるべく周囲と相談しながら書く(3)保管方法に注意する等です。

(2)は、たとえば「葬儀は身内だけで、戒名は不要」などと書くと、葬儀の後で配偶者が親族から非難されたり、遺骨をお寺に納められなくなるといった可能性があります。将来、ノートの内容を実行するのは自分ではないため、周りの人々の意見を参考にして作成することをおすすめします。

(3)は、ノートには重要な個人情報が詰まっているため、普段は他人に見られないようにするとともに、必要なときすぐに使用できるようにしておく必要があります。信頼できる人に保管場所を伝えたり、財産や遺産相続に関するノートは別冊にして保管場所を分けてもよいでしょう。

◎法的効力のある書類作成を

注意したいのは、エンディングノートに記した内容には法的な強制力がないことです。

財産管理や遺産相続など、確実に実行してもらいたいことがある場合は、遺言書など正式な書類をつくる必要があります。

遺言書というと、家族仲の悪いお金持ちが作るものというイメージがあるかもしれませんが、実際は財産の多寡や家族仲に関わりなく、スムーズに遺産相続する上で役立ちます。自筆で書くための遺言書キットも市販されていますが死後、家庭裁判所での検認手続きが必要となり時間がかかるため、なるべく公証役場で作成することをおすすめします。

また、自分が寝たきりや認知症になったとき、特定の子に財産管理を任せたいといった希望がある場合は、公証役場で相手とともに「財産管理の委任契約書」や「任意後見契約書」を作るとよいでしょう。

公証役場での相談は無料なので、気軽に訪ねてみてはいかがでしょうか。

相続税や法的な問題が気になる方は、税理士や弁護士などの専門家に相談しましょう。

《労務・賃金情報》中小企業の冬季賞与の相場は?

(質問)

ここにきて海外景気が下振れするなど、当社を取り巻く環境はよくありませんが、今年も冬季賞与を支給したいと考えています。中小企業の「相場」を教えてください。

(回答)

わが国の賞与は諸外国対比給与総額に占める割合が大きく、従業員の生活のための一時金という性格も持ちますが、その金額は企業業績によって大きく変動してきました。

この賞与額の変動により、企業収益の増減が雇用調整のバッファーとなっており、この傾向は現在でも変わっていません。実際、企業の経常利益の増減率と賞与の伸び率の間には相関がみられます。

両者の間にはおおむね半年のラグがあり、今年の冬の賞与の動きは、今年前半の企業業績の影響を大きく受けることになります。

そこで、最近の企業業績の動向をみてみましょう。財務省「法人企業統計」によれば、2012年1~3月期、4~6月期の全産業ベース(除く金融)の経常利益は、前年同期比でそれぞれ+9.3%、+11.5%となっています。

産業別では製造業が+3.6%、+2.7%、非製造業が+11.8%、+16.0%となっています。

2011年の冬季賞与は、従業員30人以上でみて、前年比▲1.1%、5人以上でみて同▲1.9%と、2010年のそれぞれ+0.5%、▲0.4%に比べ、悪化していました。これは、2011年の前半は東日本大震災が発生し、サプライチェーンの寸断や電力不足の影響などから景気が落ち込み、企業業績も悪化したことが背景にありました。

これに対し、今年前半の景気は復興需要の下支えや消費の堅調などから比較的底堅く推移し、企業業績も堅調でした。

この面は今年の冬季賞与にとって改善要因です。

しかし、明確な改善は見込みがたいのが実情です。今年前半の収益改善は落ち込んだ昨年対比の話であり、利益水準自体はなお低めにとどまっています。加えて、ここにきて海外景気の下振れや尖閣諸島をめぐる日中摩擦の先鋭化など、先行き不透明感が高まっています。賞与は基本的に半年程度前の収益の影響を受けるとはいえ、足元で景気が変調を起こせば、その影響を免れません。

このようにみれば、今年の冬季賞与については、前年並みか小幅マイナスが予想されます。

業種別では、外需の先行き不透明感の高まりの影響を強く受ける製造業ではややマイナスになる一方、内需の相対的な堅調を受ける非製造業では若干前年水準を上回る見通しです。実際、労務行政研究所の東証1部上場企業に対する調査(9月12日時点)では、前年比▲1.1%、製造業で▲1.3%、非製造業で+0.1%となっています。

以上は主に大手企業の傾向ですが、中小企業の賞与相場については、これらをやや下回るものと見込まれます。

ちなみに、過去2年間では比較的規模の大きい企業のみの従業員30人以上ベースが、中小・零細も含む5人以上ベースを1%弱上回っています。この点を踏まえれば、中小企業の今年の冬季賞与は前年をやや下回る程度となることが予想されます。

ここで付言しておく必要があるのは、以上はあくまで「平均」の予想であり、中小企業では特にばらつきが大きいことです。

将来の事業戦略のためにあえて賞与を絞り、設備投資や研究開発に利益を投じるケースもあれば、従業員のモラールを上げるために賞与をあえて多く支払うのも一考です。

いずれにしても、重要なのは、賞与を経営の考え方を従業員に浸透させるための重要な機会と捉え、支給時に将来ビジョンを語りかけることといえるでしょう。

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