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《国税庁、事務運営指針》地方法人税に係る加算税の取扱いについて

代表ブログ,国税庁関連 | 2015年3月19日 木曜日 11:03
  国税庁は、このほど「地方法人税に係る加算税の取扱いについて(事務運営指針)」を公表し
 ましたので紹介します。
  これによりますと、国税通則法(以下「通則法」といいます。)第65条、第66条及び第68条第
 1項又は第2項の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定め、地方法人税の過少申告
 加算税、無申告加算税及び重加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものとしています。
 
 第1 過少申告加算税の取扱い
  (過少申告の場合における正当な理由があると認められる事実)
 1 通則法第65条の規定の適用に当たり、例えば、納税者の責めに帰すべき事由のない次のよ
   うな事実は、同条第4項に規定する正当な理由があると認められる事実として取り扱う。
  (1)税法の解釈に関し、申告書提出後新たに法令解釈が明確化されたため、その法令解釈と
    法人の解釈とが異なることとなった場合において、その法人の解釈について相当の理由が
    あると認められること。
   (注)税法の不知若しくは誤解又は事実誤認に基づくものはこれに当たらない。
  (2)法人税の調査により引当金等の損金不算入額が法人の計算額より減少したことに伴い、
    その減少した金額を認容した場合に、翌事業年度においていわゆる洗替計算による引当金
    等の益金算入額が過少となるためこれを税務計算上否認(いわゆるかえり否認)したこと
    により基準法人税額が増加したこと。
  (3)地方法人税の申告書に記載された税額(以下「申告税額」という。)につき、通則法第24
    条の規定による減額更正(通則法第23条の規定による更正の請求に基づいてされたものを
    除く。)があった場合において、その後の修正申告又は通則法第26条の規定による再更正に
    よる税額が申告税額に達しないこと。
   (注)当該修正申告又は再更正による税額が申告税額を超えた場合であっても、当該修正申
     告又は再更正により納付することとなる税額のうち申告税額に達するまでの税額は、こ
     の(3)の事実に基づくものと同様に取り扱う。
 (修正申告書の提出が更正があるべきことを予知してされたと認められる場合)
  2 通則法第65条第5項の規定を適用する場合において、その法人に対する臨場調査、その法人
   の取引先の反面調査又はその法人の申告書の内容を検討した上での非違事項の指摘等により、
   当該法人が調査のあったことを了知したと認められた後に修正申告書が提出された場合の当
   該修正申告書の提出は、原則として、同項に規定する「更正があるべきことを予知してされ
   たもの」に該当する。
  (注)臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として
    「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない。
 
 第2 無申告加算税の取扱い
  (期限内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があると認められる事実)
  1 通則法第66条の規定を適用する場合において、災害、交通・通信の途絶その他期限内に申
   告書を提出しなかったことについて真にやむを得ない事由があると認められたときは、期限
   内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があるものとして取り扱う。
 
  (期限後申告書等の提出が決定又は更正があるべきことを予知してされたと認められる
  場合)
  2 第1の2の取扱いは、通則法第66条第5項の規定を適用する場合において、期限後申告書又は
   修正申告書の提出が決定又は更正があるべきことを予知してされたものである場合の判定に
   ついて準用する。
 
  (無申告加算税を課す場合の留意事項)
  3 通則法第66条の規定による無申告加算税は、正当な理由がないにもかかわらず、期限内に
   申告書の提出がなかったことに基づいて課されるものであるから、次のことに留意する。
  (1)申告書が期限後に提出され、その期限後に提出されたことについて正当な理由があると
    認められた場合において、当該申告について、更に修正申告書の提出があり、又は更正が
    あったときは、当該修正申告又は更正により納付することとなる税額については無申告加
    算税を課さないで過少申告加算税を課す。
  (2)通則法第66条第4項により準用する第65条第4項に定める正当な理由があると認められる
    事実がある場合は、第1《過少申告加算税の取扱い》による。
 
 第3 過少申告加算税及び無申告加算税の計算
  (過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額の計算方法)
  1 過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額を計算する場合において、通則
   法第65条第4項の規定により控除すべきものとして国税通則法施行令(以下「通則法令」と
   いう。)第27条に規定する正当な理由があると認められる事実(以下「正当事実」という。)
   のみに基づいて更正、決定、修正申告又は期限後申告(以下「更正等」という。)があった
   ものとした場合の税額の基礎となる基準法人税額は、当該正当事実のみに基づいて更正等が
   あったものとした場合の所得金額又は連結所得金額により計算する。
  (注)正当事実のみに基づいて更正等があったものとした場合の所得金額又は連結所得金額の
    計算については、平成12年7月3日付課法2-9ほか3課共同「法人税の過少申告加算税及び
    無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)」の第3の1及び平成16年3月26日付課法
    2-7ほか3課共同「連結法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事
    務運営指針)」の第3の1による。
 
  (重加算税について少額不徴収に該当する場合の過少申告加算税又は無申告加算税の計
  算)

  2 通則法第119条第4項の規定に基づき重加算税の全額が切り捨てられる場合には、その切り
   捨てられることとなった重加算税の計算の基礎となった地方法人税の額(通則法第118条第3
   項の規定を適用する前の額をいう。)は、過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎と
   なる税額に含まれないのであるから留意する。
 
 第4 重加算税の取扱い
  (法人税に不正事実がある場合)
  1 法人税につき通則法第68条第1項又は第2項に規定する国税の課税標準又は税額等の計算の
   基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装していた事実(以下「不正事実」
   という。)がある場合には、当該不正事実は、地方法人税においても不正事実に該当するこ
   とに留意する。
 
 第5 重加算税の計算
  (重加対象税額の計算の基礎となる税額の計算方法)
  1 重加算税の計算の基礎となる税額は、通則法第68条及び通則法令第28条の規定により、そ
   の基因となった更正等があった後の税額から隠ぺい又は仮装をされていない事実だけに基づ
   いて計算した税額を控除して計算するのであるが、この場合、その隠ぺい又は仮装をされて
   いない事実だけに基づいて計算した税額の基礎となる基準法人税額は、当該隠ぺい又は仮装
   をされていない事実だけに基づいて計算した所得金額又は連結所得金額により計算する。
  (注)隠ぺい又は仮装をされていない事実だけに基づいて計算した所得金額又は連結所得金額
    の計算については、平成12年7月3日付課法2-8ほか3課共同「法人税の重加算税の取扱いに
    ついて(事務運営指針)」(以下「法人税重加指針」という。)の第2の1及び平成16年3月
    26日付課法2-6ほか3課共同「連結法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
    (以下「連結法人税重加指針」という。)の第2の1による。
 
  (不正に繰戻し還付を受けた場合の重加対象税額の計算)
  2 地方法人税法第23条第1項《欠損金の繰戻しによる法人税の還付があった場合の還付》の
   規定による還付を受けた場合において、同項に規定する「同法第80条第6項の規定による還
   付金の額」のうちに、不正に繰戻し還付を受けたことにより法人税に係る重加算税の計算の
   基礎となる税額があるときの地方法人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額は、当該法
   人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額に100分の4.4を乗じて計算した金額による。
  (注)不正に繰戻し還付を受けたことにより法人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額の
    計算については、法人税重加指針の第2の3及び連結法人税重加指針の第2の3による。

最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について

代表ブログ,国税庁関連 | 2015年3月13日 金曜日 17:03

 このほど、国税庁は、最高裁で争われていた競馬の払戻金の所得区分(一時所得又は雑所得の
 いずれに該当するか)及びその外れ馬券の必要経費性について、平成27年3月10日に判示し
 た概要並びに今後の対応について公表しましたので、紹介します。

  なお、今後の対応については、パブリックコメントの手続を行った上で、所得税基本通達34
 -1を改正する予定であること、また、同通達の改正は法令解釈の変更に当たることから、少な
 くとも判決と同様の馬券購入行為の態様、規模等により馬券の払戻金を得ていた方については、
 その所得を一時所得ではなく雑所得として取り扱い、法令上、可能な範囲で是正を行うとしてい
 ます。

 
 1.最高裁判決の概要
   競馬の馬券の購入を機械的、網羅的、大規模に行っており、かつ、そうした購入を実際に行っ
  ていることが客観的に認められる記録が残されているなどの場合において、①競馬の馬券の払
  戻金は、一時所得と雑所得のいずれに該当するか、②所得金額の計算上控除すべき金額は、的
  中した馬券の購入金額に限られるか否か、が争われていた裁判で、最高裁平成27年3月10
  日判決は、競馬の馬券の払戻金はその払戻金を受けた者の馬券購入行為の態様や規模等によっ
  ては、一時所得ではなく、雑所得に該当する場合があり、その場合においては外れ馬券も所得
  金額の計算上控除すべきである。

  【最高裁の判断】

  イ 所得税法上、営利を目的とする継続的行為から生じた所得は、一時所得ではなく雑所得に
   区分されるところ、営利を目的とする継続的行為から生じた所得であるか否かは、文理に照
   らし、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情
   を総合考慮して判断するのが相当である。

  ロ 被告人が馬券を自動的に購入するソフトを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてイ
   ンターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅
   的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬
   券の購入が一体の経済活動の実態を有するといえるなどの本件事実関係(参考参照)の下で
   は、払戻金は営利を目的とする継続的行為から生じた所得として所得税法上の一時所得では
   なく雑所得に当たる。

  ハ 雑所得については、所得税法第37条第1項の必要経費に当たる費用は同法第35条第2
   項第2号により収入金額から控除される。本件においては、外れ馬券を含む一連の馬券の購
   入が一体の経済活動の実態を有するのであるから、当たり馬券の購入代金の費用だけでなく、
   外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金の費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応すると
   いうことができ、本件外れ馬券の購入代金は同法第37条第1項の必要経費に当たる。

 
  【参考】本件事実関係

 イ 被告人は、自宅のパソコン等を用いてインターネットを介してチケットレスでの購入が可
   能で代金及び当たり馬券の払戻金の決済を銀行口座で行えるという日本中央競馬会が提供す
   るサービスを利用し、馬券を自動的に購入できる市販のソフトを使用して馬券を購入してい
   た。

  ロ 被告人は、同ソフトを使用して馬券を購入するに際し、馬券の購入代金の合計額に対する
   払戻金の合計額の比率である回収率を高めるように、インターネット上の競馬情報配信サー
   ビス等から得られたデータを自らが分析した結果に基づき、同ソフトに条件を設定してこれ
   に合致する馬券を抽出させ、自らが作成した計算式によって購入額を自動的に算出していた。

  ハ この方法により、被告人は、毎週土日に開催される中央競馬の全ての競馬場のほとんどの
   レースについて、数年以上にわたって大量かつ網羅的に、1日当たり数百万円から数千万円、
   1年当たり10億円前後の馬券を購入し続けていた。

  ニ 被告人は、このような購入の態様をとることにより、当たり馬券の発生に関する偶発的要
   素を可能な限り減殺しようとするとともに、購入した個々の馬券を的中させて払戻金を得よ
   うとするのではなく、長期的に見て、当たり馬券の払戻金の合計額と外れ馬券を含む全ての
   馬券の購入代金の合計額との差額を利益とすることを意図し、実際に本件の公訴事実とされ
   た平成19年から平成21年までの3年間は、平成19年に約1億円、平成20年に約
   2,600万円、平成21年に約1,300万円の利益を上げていた。

 

 2.従来の取扱い

   競馬の馬券の払戻金については、払戻金を得るに当たって行った馬券の購入行為の態様や規
  模等にかかわらず、一律に「一時所得」として取り扱っていました(所得税法第34条第1項、
  所得税基本通達34-1)。

 
 3.今後の対応

   今後、判決の内容を精査し、パブリックコメントの手続を行った上で、所得税基本通達34
  -1を改正する予定です。

   なお、パブリックコメントの手続、この手続を経た改正後の所得税基本通達については当ホー
  ムページ上で公表いたします。

   また、当該通達の改正は法令解釈の変更に当たることから、少なくとも判決と同様の馬券購
  入行為の態様、規模等により馬券の払戻金を得ていた方については、その所得を一時所得では
  なく、雑所得として取り扱い、法令上、可能な範囲で是正を行うことが適当と考えています。

   具体的な手続については、改正後の基本通達公表時に併せてお知らせしますので、今しばら
  くお待ちください。

◎ 詳細につきましては、国税庁ホームページ>調達・その他の情報>お知らせ>「最高裁判所
判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について(平成27年3月11日)」
をご覧くださ
い。

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