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《国税庁事前照会回答》保険契約者と被保険者が同一人の場合において被保険者の死亡に伴い支払われる解約返戻金相当額の返戻金に係る支払請求権に対する相続税の課税関係について

代表ブログ,国税庁関連 | 2015年4月21日 火曜日 16:04

このほど、東京国税局では、保険会社からの保険契約者と被保険者が同一人の場合において被
 保険者の死亡に伴い支払われる解約返戻金相当額の返戻金に係る支払請求権に対する相続税の課
 税関係についての事前照会に対して行った回答を平成27年3月2日付で公表しましたので、その主
 な内容について紹介します。
 
 1.事前照会の概要
   A保険会社(当社)が新規に販売する医療保険において、保険契約者と被保険者が同一人の場
  合において保険契約者(=被保険者)が死亡したときに保険契約者の相続人に支払われる解約返
  戻金相当額の返戻金に係る支払請求権については、みなし相続財産には該当せず、保険契約者
  である被相続人の本来の相続財産として相続税の課税対象となると解してよいか。
 
 2.事前照会に係る趣旨及び事実関係
   当社は、新しい医療保険(以下「本件保険」といいます。)※1の販売を予定しています。
  本件保険に係る約款(以下「本件約款」といいます。)※2では、本件保険に係る契約(以下
  「本件契約」といいます。)の被保険者(以下「本件被保険者」といいます。)が死亡した場
  合には、本件契約は消滅し(本件約款31①)、解約返戻金(以下「本件解約返戻金」といいま
  す。)があるとき※3は、本件契約の保険契約者(以下「本件保険契約者」といいます。)に
  解約返戻金相当額の返戻金(以下「本件解約返戻金相当額の返戻金」といいます。)を支払う
  旨を定めています(本件約款31③)。
   ※1 本件保険は、本件被保険者が入院した場合、手術を受けた場合又は放射線治療を受け
     た場合を所定の給付金の給付事由(保険事故)としています。
    2 本件約款は、金融庁の認可を受けており、照会日現在において、今後、内容の追加や
     変更が行われる予定はありません。
    3 保険料払込期間中の保険契約については、本件解約返戻金はありませんが、保険料払
     込期間満了後(満了日までの保険料が支払われている場合)の本件契約については、
     基本入院給付金日額に10を乗じた金額の本件解約返戻金を支払うこととなります。
   ところで、当社は、本件保険契約者と本件被保険者が同一人である場合において本件保険契
  約者(=本件被保険者)が死亡したときには、本件保険契約者の死亡により、本件保険契約者
  の相続人が本件保険契約者から本件解約返戻金相当額の返戻金の支払を請求する権利(以下
  「本件解約返戻金相当額の返戻金の支払請求権」といいます。)を相続により取得するとの理
  解の下、当該相続人を本件解約返戻金相当額の返戻金の支払請求者として、当該相続人に当該
  返戻金を支払うことを予定しています。そして、本件解約返戻金相当額の返戻金の支払に係る
  事務処理上も、保険金の請求手続きを明らかにした「保険金ご請求のしおり」に準じて、本件
  保険契約者(=本件被保険者)の相続人が相続人全員の協議により代表請求者を定め、これを
  「念書(相続人代表請求者選任届)」に示し、当社に提出する方法を採ることとし、当該相続
  人のうちから代表請求者が定められなければ本件解約返戻金相当額の返戻金の支払を行わない
  ものとしています。
   このように本件保険契約者と本件被保険者が同一人である場合において本件保険契約者(=
  本件被保険者)が死亡したときに本件保険契約者の相続人に支払われる本件解約返戻金相当額
  の返戻金に係る支払請求権については、本件保険契約者である被相続人の本来の相続財産とし
  て相続税の課税対象となると解してよいか伺います。
   なお、本件約款のうち、本件解約返戻金及び本件解約返戻金相当額の返戻金に関する部分は
  次のとおりとなります。

 

○ 本件約款(抜粋)
 第20条(解約)
  1 保険契約者は、将来に向かって保険契約を解約し、解約返戻金があるときは、その
  請求をすることができます。
  2 保険契約者が保険契約の解約を請求するときは、請求書類を会社に提出してくださ
  い。
 第21条(解約返戻金)
  1 この保険契約に対する解約返戻金は、つぎの各号のとおりとします。
 (1)保険料払込期間中の保険契約については、解約返戻金はありません。
 (2)保険料払込期間満了後の保険契約については、基本入院給付金日額に10を乗じた金
   額とします。ただし、保険料払込期間満了の日までの保険料が払い込まれていない
   場合、解約返戻金はありません。
  2 解約返戻金の支払時期および支払場所については、第12条(給付金の請求手続)第6
  項の規定を準用します。
 第31条(被保険者の死亡による保険契約の消滅)
  1 被保険者が死亡したときは、保険契約は消滅します。
  2 前項に該当した場合には、保険契約者は、すみやかに請求書類を会社に提出してく
  ださい。
  3 第1項の規定により保険契約が消滅した場合、解約返戻金があるときは、解約返戻金
  相当額の返戻金を保険契約者に支払います。

 3.照会者の求める見解となることの理由
 (1)本件解約返戻金相当額の返戻金のみなし相続財産該当性
    本件保険は、本件被保険者が入院した場合、手術を受けた場合又は放射線治療を受けた場
   合を所定の給付金(保険金)の給付事由(保険事故)としており(上記2.事前照会に係る
   趣旨及び事実関係※1)、当該給付事由(保険事故)には被保険者の死亡は含まれていませ
   ん。このため、本件被保険者の死亡により支払われる本件解約返戻金相当額の返戻金は、本
   件保険に係る給付金(保険金)とは認められません。そして、相続税法第3条第1項第1号は、
   被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約の保険金を取得した場合に当該保険
   金はみなし相続財産となる旨規定しているところ、上記のとおり、本件解約返戻金相当額の
   返戻金は、本件保険に係る給付金(保険金)とは認められませんので同号の規定する保険金
   には該当しません。また、本件解約返戻金相当額の返戻金は、相続税法第3条第1項第2号から
   第6号までに規定する財産にも該当しません。
    以上のことから、本件解約返戻金相当額の返戻金は、みなし相続財産には該当しないもの
   と解されます。
 (2)本件解約返戻金相当額の返戻金の支払請求権の本来の相続財産該当性
    上記2のとおり、本件約款では、保険料払込期間満了後においては、本件保険契約者が本
   件契約を解約することにより、当社に対し本件解約返戻金の支払を請求することができるこ
   ととしています(本件約款20①、21①)。また、本件被保険者が死亡した場合には、本件契
   約は消滅する(本件約款31①)とともに、当該死亡時点で解約返戻金がある場合、すなわち
   当該死亡時点が保険料払込期間満了後である場合には、当社は本件解約返戻金相当額の返戻
   金を本件保険契約者に支払うこととしています(本件約款31③、21①)。
    このような本件約款の定めからすれば、本件保険契約者と本件被保険者が同一である場合
   において、本件保険契約者(=本件被保険者)が死亡したときには、本件約款第31条第1項
   の定めに従い本件保険契約者(=本件被保険者)の死亡時に本件契約が消滅することによっ
   て、本件保険契約者(=本件被保険者)が有していた本件契約の解約請求権及び本件解約返
   戻金の支払請求権が消滅することとなりますが、その消滅と同時に、すなわち本件保険契約
   者(=本件被保険者)の死亡と同時に、本件保険契約者(=本件被保険者)が、一旦は、本
   件約款第31条第3項の定めに従い本件解約返戻金相当額の返戻金の支払請求権を取得し、そ
   の取得と同時に、当該支払請求権を本件保険契約者(=本件被保険者)の相続人が相続によ
   り承継取得するものと解するのが相当であると考えます。
    したがって、本件解約返戻金相当額の返戻金の支払請求権(金銭債権)については、本件
   保険契約者である被相続人の本来の相続財産として相続税の課税対象となると解するのが相
   当であると考えます。

◎ これらの詳細については、「国税庁ホームページ>東京国税局>事前照会に対する文書回答
事例>東京国税局文書回答税目別検索>「保険契約者と被保険者が同一人の場合において被保
険者の死亡に伴い支払われる解約返戻金相当額の返戻金に係る支払請求権の相続税の課税関係
について」
でご確認ください。

《経営、雇用》2015年中小企業の賃上げ相場は

その他,代表ブログ | 2015年4月10日 金曜日 18:04

【質問】

消費財の値上げが相次ぎ経営環境は厳しいですが、社員のモチベーションをあげるために賃上げを考えています。今年の中小企業の賃上げ相場を教えてください。

 

【回答】

2015年春季労使交渉(春闘)では、賃上げに向けた経営サイドの姿勢がかなり前向きになったことが注目されます。経団連は既に昨年の春闘で、賃上げという「選択肢もあり得る」という表現で6年ぶりに賃上げを容認する姿勢を打ち出していましたが、今春闘ではさらに踏み込んで、好業績の企業は賃金の引き上げを「前向きに検討することが強く期待される」としています。

 こうした動きの背景には、企業収益の改善が挙げられます。財務省が発表した2014年10~12月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1000万円以上、金融機関を除く)の経常利益は、前年比+11.6%と12四半期連続で前年同期を上回り、過去最高を記録しました。円安による輸出や海外事業収益の増加に加え、原油安によるコスト減少が収益増に寄与しました。こうしたなか、企業の支払い能力を示す労働分配率(人件費÷付加価値)は、ほぼリーマン・ショック前の水準にまで低下してきており、賃上げ余力のある企業が増えています。

 さらに政府からの賃上げ要請も後押ししています。2年目を迎えた政労使会議でまとめられた合意文書では、今春闘での賃上げについて「政府の環境整備の取り組みの下、経済界は賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図る」とされ、「企業収益の拡大を賃金上昇につなげる」とした昨年よりも強い表現となっています。

 一方、労働組合側も賃上げ要請を強めており、連合は2015年の春闘基本方針において「ベア+2%以上」と前年の「+1%以上」を大幅に上回る要求を掲げました。これを受けて、自動車総連や電機連合などでは、昨年を上回るベア要求が相次いでいます。

 このように、経営環境の改善が続き、労使ともに賃上げ機運が高まるなか、2015年の大手企業の賃上げ率は、昨年(厚生労働省ベース2.19%)を上回る2.3%に高まると見込まれます。

賃上げ率は1.8%強を予想

 以上を踏まえて、中小企業の賃上げ動向を展望してみましょう。

 まず、前提となる企業収益動向についてみると、徐々に持ち直しているものの、大手企業に比べて立ち遅れ感があることは否めません。中小企業では、海外展開による円安メリットを得る企業が限られる一方、円安がコスト高に直結する内需型企業が多いことが一因です。労働分配率の動きをみても、大企業に比べて改善が遅れており、賃上げ幅拡大に慎重な企業が多くなる見込みです。

 経団連調査の中小企業ベースの賃上げ率は、昨年は1.76%、額にして約4400円でした。このベースでいえば、2015年の賃上げ率は1.8%強、金額で4600円程度になると予想されます。

 このように、中小企業の賃上げ相場は、企業業績を反映し大企業に比べ緩やかな上昇にとどまると見込まれます。もっとも、中長期的にみると賃金上昇圧力は一段と高まっていくことが予想されます。デフレ脱却に伴う労働者の賃上げ要請が強まっていくとみられるほか、非製造業を中心に人手不足感が急速に強まっているためです。このため、事業構造の見直しによる収益体質の強化や省力化投資など、将来的な賃金上昇圧力への対応が急がれるといえましょう。

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