代表ブログ

《税務質疑応答》妻が個人事業を開始した場合の配偶者控除の判定について

代表ブログ,税務質疑応答 | 2016年8月19日 金曜日 15:08

Q .

今まで専業主婦でしたが、趣味を生かして自宅でパン教室をすることにしました。

自宅で教室を開くことで、私は夫の配偶者控除の対象とはならなくなってしまうのでしょうか?

また、私が教室を始めてもしばらくは儲からないと思うのですが、この儲からなかった分は夫の所得から差引くことはできますか?

A.

いままで専業主婦ということですので、パン教室を自宅で開くことで得られる収入のみという前提で回答します。

まず、配偶者控除の対象となるかどうかですが、あなたの年間の合計所得金額が38万円以下であれば夫の配偶者控除の対象となります。

所得の区分は、事業所得か雑所得となります。

所得金額は、いずれの所得も収入金額から必要経費を差し引いたものとなっています(事業所得である場合には、青色申告であると青色申告特別控除(最高65万円)を控除することができます。)。

つまり、パン教室での収入から材料費などの経費等を差し引いたあとの所得金額が38万円以下になっていれば、夫の配偶者控除の対象となり、38万円を超えていれば対象となりません。

ただし、所得金額が38万円を超えていても76万円未満であれば、夫の所得に応じて、配偶者特別控除の対象になる場合があります。

必要経費ですが、材料費のほか、教室で事業用として消費した水道料、電気料、ガス代などさまざまな経費があります。

自宅での教室ですので、事業用として使用した分が自宅分と分かれていないことが多いので、1日の使用時間を平均したものや使用割合などの合理的な基準で事業用と自宅分を按分して計算することになります。

次に、あなたの事業の損失(その年の1月1日~12月31日までの所得)をその年の夫の所得から差し引くことはできませんが、あなたが他に所得があれば(たとえば、今後働きに出た場合には給与所得)、その年の各所得と損益通算できる場合があります。

また、青色申告をしていれば、その年の事業所得の損失を翌年以降に3年間繰り越して、翌年の所得から控除することもできます。

参考:所法27、37、70、71、83、83の2、措法25の2

《税務質疑応答》医療費を超える保険金の補てんがある場合の医療費控除の計算

代表ブログ,税務質疑応答 | 2016年8月17日 水曜日 13:08

Q .
子どもが入院し、100万円の治療費がかかりました。この入院に係る治療費については、後日、掛けている医療保険から120万円の給付を受けました。

 その他、家族の医療費が年間30万円かかっています。

 このような場合、医療費控除の計算上、治療費を超過する保険給付金について、その他の医療費30万円から控除する必要がありますか?

 なお、私の総所得金額等は400万円です。

A.

医療費控除の額は、支払った医療費の合計額から保険金などで補填される金額を控除し、さらに10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合には、総所得金額等の5%相当額)を控除した金額です。

 この場合における『保険金などで補填される金額』とは、ご相談のように生命保険契約などで給付を受ける保険金の他、高額療養費、出産育児一時金などを指します。

ただし、その給付の目的となった医療費を超えて給付を受けた場合には、医療費から差引くのはその給付の目的となった医療費が上限であり、超過部分は他の医療費からは控除しません。

 よって、ご相談のケースにおいては、子どもの入院治療費100万円に対して給付を受けた医療保険給付金120万円については、治療費100万円を上限に控除します。

そして、超過した20万円については、他の医療費から控除することはしません。

これにより、ご相談者の医療費控除の計算は、次の通りとなります。

  (100万円+30万円-100万円(※1))-10万円(※2)

   (※1)100万円<120万円 ∴100万円
   (※2)10万円<400万円×5% ∴10万円

《税務質疑応答》親族に発生した雑損控除について

代表ブログ,税務質疑応答 | 2016年8月2日 火曜日 17:08

Q .

祖父母の家が震災で損壊しました。別々に住んでいますが、私自身は専業主婦であり、働いていないため夫の給与収入から毎月生活費として祖父母へ仕送りをしています。
この家は祖父の名義ですが、この損壊による損失は夫の損失として確定申告をすることは可能でしょうか?

A.

祖父の総所得金額等が38万円以下の場合は、可能です。

 災害、盗難又は横領によって、資産について損害を受けた場合には、一定の金額の所得控除(「雑損控除」という)を受けることができます。

 また、自己の所有する資産のみでなく、自己と生計を一にする配偶者その他の親族(=扶養親族に該当する者)が所有する資産について受けた損害についても、控除することができます。
 その他の親族とは、6親等内の血族及び3親等内の姻族を指します。

したがって、ご質問の件では、祖父母は夫からみて2親等の姻族となりますので、生計を一にしていれば、夫の雑損控除の対象となります。
 
 また、生計を一にするとは、一緒に住んでいるということではなく、経済的に同一であることを指します。
 
 この場合、毎月生活費として仕送りをされているということから、生計を一にしていると考えられます。

 雑損控除の金額は、次の二つのうちいずれか多い方の金額です。
 1. (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
 2. (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
 *差引損害金額とは、損害を受けた時のその資産の時価を基にして計算した
  損害金額から災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金等を差し引いた金額です。
 *災害関連支出の金額とは、災害により滅失した住宅、家財を除去するために支出した金額などです。

 雑損控除の金額が、総所得金額を超えその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以降に繰り越して(3年間が限度)、各年分の所得金額から控除することができます。

 その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が損害にあった場合は、雑損控除に代えて、災害減免法による所得税の軽減免除を受けることもできます。

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