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《税務質疑応答》年末調整による過不足額がその月分の納付すべき税額を超える場合

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年4月24日 火曜日 18:04

Q.

 年末調整後、その月分の納付すべき税額から過不足額を加減算したところ、過納額が多く引ききれません。このような場合、納付書にはどのように記載すればよいのでしょうか。

A.

 最終的に納付する税額をマイナスにせず、0円になるように過納額を調整します。

 そして、引ききれなかった過納額は、翌月分以降の納付すべき税額から差し引いていきます。

 ただし、たとえば2ヶ月経過しても引ききれないと見込まれる場合には、「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」を作成して、一定の書類とともに所轄の税務署へ提出することで、一度に引ききれなかった分を受取ることができます。

 なお、最終的な納付すべき税額が0円になる場合には、所轄税務署へ納付書を提出することになります。納付するときには金融機関へ納付書を持っていき、その場で納付手続きを行うことで納付書を所轄税務署へ提出することはないため、提出先を誤らないようにご注意ください。
                                      以上

《税務質疑応答》アスファルト舗装のない駐車場と消費税

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年4月18日 水曜日 11:04

Q.

 私は不動産賃貸業を個人で営んでおり、複数の土地を駐車場として賃貸しています。

 その駐車場にはアスファルト舗装はしていませんが、利用者の利便を考えてロープ等で区画を区分し、水溜りができないように土や砂利を敷いています。また、料金徴収設備や建物、屋根などもなく、一般常識的に施設といわれるものは一切ないと思っています。

 土地にアスファルト舗装を施して賃貸する場合、消費税法上の非課税取引とはならないことは承知しておりますが、上記のような形態の駐車場賃貸でも消費税の課税の対象となるのでしょうか?

A.

 ご相談の駐車場の貸付けは、消費税法上、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合に該当するものと考えられます。よって、消費税法上の非課税取引には該当せず、その収入は消費税の課税の対象となります。

[解説]

1.施設の利用に伴って土地が利用される場合の消費税
 消費税法では、土地の貸付けについては原則的に非課税取引とされています。しかし、その例外として、「駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合」は課税の対象となるものとされています。

 これは、土地の貸付けが消費としてとらえることになじまない性質のものであっても、「駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合」は、土地そのものというよりも施設として貸し付けるという意味合いのほうが強く、そのような土地の使用の態様については、消費としての性格が認められると解されているためです。

2.駐車場賃貸についての判断基準

 駐車場として土地を利用させた場合に、それが土地そのものの貸付けに該当するのか、施設の利用として土地が使用される場合に該当するのかの判断は、実務上非常に迷うところです。

 このため、消費税法基本通達ではその判断基準として、「事業者が駐車場として土地を利用させた場合において、その土地につき駐車場としての用途に応じる地面の整備又はフェンス、区画、建物の設置等をしていないときは、その土地の使用は、土地の貸付けに含まれる。」と定めています。

 上記の通達をさらに細かく読みますと、「駐車場として」土地を利用させる目的であるかどうかという前提のもとで「地面の整備や区画の設置等をしていないとき」には、その土地使用は消費税法上の土地の貸付に含まれる、と理解することができるかと思います。

3.まとめ
 さて、ご相談の駐車場賃貸は、①各賃借人に対して車両を駐車させるという目的で駐車場を貸し付け、②その駐車場には土や砂利を敷いてロープ等で区画を設けています。これらの事実から考えますと、ご相談の駐車場賃貸については、駐車場としての用途に応じる地面の整備や区画の設置等をしているものと考えられますので、「駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合」に該当し、消費税の課税の対象となるものと考えられます。

 消費税の課税の対象となるかどうかの判断は、そのルールが非常に複雑であることから非常に困難です。その判断を誤ってしまいますと、多額の消費税申告漏れを税務署から指摘される可能性がありますので、取引についての消費税の課税要否については顧問税理士にぜひご相談ください。

[根拠法令等]
消法6、消法別表第1一、消令8、消基通6-1-5

《税務質疑応答》外国人アルバイトと源泉所得税

代表ブログ,税務質疑応答 | 2018年4月16日 月曜日 16:04

Q.

当社はコンビニエンスストアを経営しています。
最近は求人広告を出しても、アルバイトへの応募がなかなかありません。
このため、中国やインドから来日した外国人学生(大学生や日本語学校の生徒など)をアルバイトとして雇うことを検討していますが、これらの学生についての源泉所得税の取扱いはどのようになるのでしょうか。

A.
原則的には、まずそれらの外国人アルバイトが所得税法上の居住者か非居住者かの判定を行った上で、それぞれの区分に応じた所得税の源泉徴収を行うこととなります。
ただし、外国人アルバイトの出身国によっては、「租税条約」の適用ができる場合があるため、租税条約の適用可否の検討も別途必要となります。

[解説]
1.所得税法上の居住者と非居住者の原則的な区分の方法

 我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
 「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」であるかどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
 したがって、「住所」は、その人の生活の中心がどこかで判定されます(住民票の有無はその判定についての決定的な要件とはならず、あくまでも生活の実態で判定します)。
なお、「居所」とは、「その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所」とされています。

2.外国人学生についての住所の推定

 ある人の滞在地が2か国以上にわたる場合に、その住所がどこにあるかを判定するためには、職務内容や契約等を基に「住所の推定」を行うことになります。
 学生の住所について、所得税基本通達では「学術、技芸の習得のため国内又は国外に居住することとなった者の住所が国内又は国外のいずれにあるかは、その習得のために居住する期間その居住する地に職業を有するものとして、法令の規定により推定 するものとする。」とされています。
 このため、ご相談の場合は各アルバイトの日本居住(予定)期間を確認し、その期間が1年以上であれば「居住者」として、1年未満であれば「非居住者」として、アルバイト給与から所得税の源泉徴収を行うこととなります。
 なお、外国人アルバイトの給与から源泉徴収する場合の源泉徴収税率は、居住者であれば日本人アルバイトと同様に源泉徴収税額表等にしたがった税率となり、非居住者の場合は原則的に20.42%(復興特別所得税含む)となります。

3.租税条約の適用可否判定

 ご相談の場合、アルバイトとして採用した学生が中国やインドから来日した学生であれば、各国との租税条約に基づき所得税の源泉徴収が免除される場合があります。

(1)中国から来日した大学生
 専ら教育を受けるために日本に滞在する大学生で、現に中国の居住者である者又はその滞在の直前に中国の居住者であった者が、その生計、教育のために受け取る給付又は所得は、日中租税協定により免税とされます。
 したがって、中国から来日した大学生の日本での生活費や学費に充てる程度のアルバイト代であれば、免税とされます。
(注)源泉徴収の段階で免税措置を受けるためには、給与等の支払者(御社)を経由して「租税条約に関する届出書」を、その給与等の支払者の所轄税務署長に提出する必要があります。

(2)インドから来日した大学生
 専ら教育を受けるために日本に滞在する大学生で、現にインドの居住者である者又はその滞在の直前にインドの居住者であった者が、その生計、教育のために受け取る給付は、日印租税条約により免税とされます。ただし、日本の国外から支払われるものに限られます。
 したがって、インドから来た大学生が受け取る日本でのアルバイトによる所得は、国外から支払われるものではありませんので、免税とされません。この場合、その給与等については、その大学生が居住者か非居住者かの判定を行った上、それぞれの区分に応じた源泉徴収を行うこととなります。

(3)中国、インドから来日した日本語学校生や専修学校生など
 各国との租税条約における「学生」、「事業修習者」及び「事業習得者」の範囲については、国内法の規定により解釈することになりますが、一般的には次のようになります。
• 学生…学校教育法第1条に規定する学校の児童、生徒又は学生
• 事業修習者…企業内の見習研修者や日本の職業訓練所等において訓練、研修を受ける者
• 事業習得者…企業の使用人として又は契約に基づき、当該企業以外の者から高度な職業上の経験等を習得する者
 日本語学校などの専修学校又は各種学校は、学校教育法第1条に定める学校でないため、日本語学校などの各種学校に在学する就学生については、租税条約における学生、事業修習者又は事業習得者の免税条項の適用はないこととなります。
 したがって、日本語学校などの各種学校の就学生は、そのことのみをもって免税条項の適用はなく、これらの就学生に対するアルバイト給与については、居住者か非居住者かの判定を行った上、それぞれの区分に応じた源泉徴収を行うこととなります。

 このように、我が国の締結した租税条約の学生条項は、免税とされる給付の範囲等が国によって様々であり、租税条約の適用に当たっては、各国との租税条約の内容を確認する必要があります。
 また、外国人学生同士での情報交換は非常に活発に行われています。このため、租税条約による免税の規定が適用できる場合にその適用を行っていないと、外国人学生から「税金を取られるのはおかしい。」というクレームが発生することも考えられます。
 
[根拠法令等]
所法2、3、所令13~15、所基通2-1、3-3-2、租税条約等実施特例省令第8条、日中租税協定第21条、日印租税条約第20条、租税条約等実施特例省令第8条、各国との租税条約など

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