《26年税制改正大綱》年末での決定事項②

3 土地・住宅税制
 (1) 都市再生特別措置法の改正を前提に、次の措置を講ずる。
   ① 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用
    対象となる特定の民間再開発事業及び既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等
    の建設のための買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例等の適用対象となる特定民間再開
    発事業の施行区域の範囲に、都市再生特別措置法の認定区域整備事業計画(仮称)の区域
    を加える。
   ② 都市再生特別措置法の改正により業務が拡大される都市再生推進法人(仮称)(現行:
    都市再生整備推進法人)について、次のとおりとする。
    イ 都市開発事業等の用に供される土地の供給等の業務を行う一定の都市再生推進法人に
     対する当該業務を行うために直接必要な土地等を譲渡した場合にも、優良住宅地の造成
     等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例を適用する。
    ロ 一定の都市再生推進法人が行う都市再生整備計画又は立地適正化計画(仮称)に記載
     された公共施設の整備に関する事業の用に供するために土地等が買い取られる場合にも、
     特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除を適用
     する。
 (2) マンションの建替えの円滑化等に関する法律の改正を前提に、次の措置を講ずる。
   ① 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用
    対象に、改正後のマンションの建替え等の円滑化に関する法律(仮称)に規定するマンシ
    ョン敷地売却(仮称)に伴う売渡し請求又は分配金取得(仮称)に基づく当該マンション
    敷地売却を施行する者に対する土地等の譲渡で一定の要件を満たすものを加える。
   ② 特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用
    対象に、建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する通行障害既存耐震不適格建築物
    に該当するマンションの敷地の用に供されている土地等が、マンションの建替え等の円滑
    化に関する法律に規定するマンション敷地売却に伴う売渡し請求又は分配金取得により当
    該マンション敷地売却を施行する者に一定の要件の下で買い取られる場合を加える。
   ③ マンションの建替え等の円滑化に関する法律に規定するマンション敷地売却に伴い、マ
    ンションの借家権を有する者が同法の規定により資産の移転等に係る補償金の交付を受け
    た場合において、その交付の目的に従って資産の移転等の費用に充てたときは、一定の要
    件の下で、その費用に充てた金額は、各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない
    こととする。
 (3) 短期所有土地の譲渡等をした場合の土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例について、
   適用除外措置の範囲から独立行政法人環境再生保全機構に対する土地等の譲渡を除外すると
   ともに、適用停止措置の期限を平成29年3月31日まで延長する。
 (4) 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、
   次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する。
   ① 適用対象に、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(仮称)に規定するマンショ
    ン敷地売却(仮称)に伴う売渡し請求又は分配金取得(仮称)に基づく当該マンション敷
    地売却を施行する者に対する土地等の譲渡で一定の要件を満たすものを加える。(再掲)
   ② 適用対象となる特定の民間再開発事業の施行区域の範囲について、次のとおりとする。
    イ 都市再生特別措置法の認定区域整備事業計画(仮称)の区域を加える。
     (再掲)
    ロ 都市計画法の地区計画の区域及び都市再生特別措置法の認定整備事業計画の区域を除
     外する。
   ③ 適用対象から、独立行政法人環境再生保全機構に対する土地等の譲渡を除外する。
   ④ 都市開発事業等の用に供される土地の供給等の業務を行う一定の都市再生推進法人(仮
    称)に対する当該業務を行うために直接必要な土地等を譲渡した場合にも、対象とする。
    (再掲)
 (5) 短期譲渡所得の課税の特例について、適用除外措置の範囲から独立行政法人環境再生保全
   機構に対する土地等の譲渡を除外する。
 (6) 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等について、次の措置を講ずる(法人
   税についても同様とする。)。
   ① 子ども・子育て支援法等の施行に伴い、収用対象事業用地の買取りに係る簡易証明制度
    の対象に、地方公共団体等の設置に係る幼保連携型認定こども園及び一定規模以上の小規
    模保育事業の用に供する施設を加える等の措置を講ずる。
   ② 独立行政法人中小企業基盤整備機構が工業再配置等業務に関連して卸電気事業者に代わ
    り資産を買い取る場合における収用等証明書の記載事項の特例を廃止する。
 (7) 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除の適用対象
   に、地方独立行政法人法施行令の改正に伴い、重要文化財、史跡、名勝又は天然記念物とし
   て指定された土地が博物館又は植物園(博物館法の規定により博物館に相当する施設として
   指定を受けたものに限る。)の設置及び管理の業務を主たる目的とする地方独立行政法人に
   買い取られる場合を加える(法人税についても同様とする。)。
 (8) 特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除について、
   次の措置を講ずる(法人税についても同様とする。)。
   ① 適用対象に、建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する通行障害既存耐震不適格
    建築物に該当するマンションの敷地の用に供されている土地等が、マンションの建替え等
    の円滑化に関する法律(仮称)に規定するマンション敷地売却(仮称)に伴う売渡し請求
    又は分配金取得(仮称)により当該マンション敷地売却を施行する者に一定の要件の下で
    買い取られる場合を加える。(再掲)
   ② 適用対象に、農用地区域内にある農用地が農業経営基盤強化促進法の協議に基づいて、
    農地中間管理事業の推進に関する法律に規定する農地中間管理機構(一定のものに限る。)
    に買い取られる場合を加える。
   ③ 一定の都市再生推進法人(仮称)が行う都市再生整備計画又は立地適正化計画(仮称)
    に記載された公共施設の整備に関する事業の用に供するために土地等が買い取られる場合
    にも、対象とする。(再掲)
 (9) 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除について、次の措
   置を講ずる(法人税についても同様とする。)。
   ① 適用対象に、農地中間管理事業の推進に関する法律に規定する農地中間管理機構(一定
    のものに限る。)に農用地区域内にある農用地等を譲渡した場合を加える。
   ② 適用対象となる山林に係る土地の譲渡に係る当該土地を取得した者は、森林経営計画に
    ついて、森林法施行規則の改正を前提に、改正後の認定基準に従って作成し、認定を受け
    た者とする。
 (10) 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え等の場合の譲渡
   所得の課税の特例等の適用対象となる特定民間再開発事業の施行区域の範囲について、次の
   措置を講ずる。
   ① 都市再生特別措置法の認定区域整備事業計画(仮称)の区域を加える。(再掲)
   ② 都市計画法の地区計画の区域及び都市再生特別措置法の認定整備事業計画の区域を除外
    する。
 (11) 居住者が、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準(以下「耐震基準」とい
   う。)に適合しない既存住宅を取得した場合において、当該既存住宅の取得の日までに耐震
   改修工事の申請等をし、かつ、その者の居住の用に供する日までに耐震改修工事を完了して
   いること等の一定の要件を満たすときは、当該既存住宅を耐震基準に適合する既存住宅とみ
   なして、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができること
   とする。
   (注1) 本措置は、既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除の適用を受ける場合
     には、適用しない。
  (注2) 上記の改正は、平成26年4月1日以後に既存住宅の取得をし、自己の居住の用に供す
     る場合について適用する。
 (12) 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、譲渡資
   産の譲渡対価に係る要件を1億円(現行:1.5億円)に引き下げた上、その適用期限を2年
   延長する。
  (注)上記の改正は、平成26年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用する。
 (13) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長する。
 (14) 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長する。
 (15) 小笠原諸島振興開発特別措置法の期限の延長を前提に、小笠原諸島への帰島に伴う譲渡所
   得等の課税の特例の適用期限を5年延長する。
 
 4 租税特別措置等
 〔新 設〕
 (1) 個人が、その有する債務について免除を受けたことにより生じる経済的な利益について、
   次の措置を講ずる。
   ① 事業を営む個人が、その有する債務につき、債務処理に関する計画で一般に公表された
    債務処理を行うための手続に関する準則に基づき作成されていることその他の要件を満た
    すものに基づき免除を受けた場合において、当該準則に定められた方法により減価償却資
    産及び繰延資産等の評定を行っているときは、これらの資産の評価損の額に相当する金額
    は、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得
    の金額の計算上、必要経費に算入する特例を創設する。ただし、当該必要経費に算入する
    金額は、この特例を適用しないで計算したその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額
    又は山林所得の金額を限度とする。
   ② 個人が、その有する債務につき、破産法の規定による免責許可の決定、再生計画認可の
    決定その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる事由によ
    り免除を受けた場合には、当該免除により受ける経済的な利益の額については、各種所得
    の金額の計算上、総収入金額に算入しない。ただし、当該経済的な利益の額のうち、次に
    掲げる金額に相当する部分については、この限りでない。
    イ 当該免除を受けた年において、当該経済的な利益の額がないものとして当該債務を生
     じた業務に係る各種所得の金額を計算した場合に当該各種所得の金額の計算上生じる損
     失の金額
    ロ 当該免除を受けた年において、当該経済的な利益の額を当該債務を生じた業務に係る
     各種所得の金額の計算上総収入金額に算入して計算した場合に、その生じる各種所得の
     金額から純損失の繰越控除により控除すべきこととなる金額
 (2) 「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(平成25年10月1日閣
   議決定)において実施することとされた「簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」として給付
   される給付金については、所得税を課さないこととする。
 (3) 「好循環実現のための経済対策」(平成25年12月5日閣議決定)において実施することとさ
   れた「子育て世帯に対する臨時特例給付措置」として給付される給付金については、所得税
   を課さないこととする。
 (4) 東日本大震災により住宅、家財等又は事業用資産に損失が生じた場合において、被災した
   これらの資産に関連する原状回復費用等をその災害のやんだ日から3年以内に支出をするこ
   とが困難な事情があるときは、その困難な事情がやんだ日の翌日から3年以内に支出される
   原状回復費用等を雑損控除及び雑損失の繰越控除又は被災事業用資産の損失の繰越控除の特
   例の対象となる災害関連支出としてこれらの特例の適用を受けることができることとする
   (法人税についても同様とする。)。
  (注) 上記の改正は、平成26年1月1日以後にした原状回復費用等の支出について適用する。
 (5) 東日本大震災事業者再生支援機構の支援決定の対象となった内国法人(中小企業者に該当
   するものに限る。)の取締役等である個人でその内国法人の保証債務を有するのが、当該個
   人の有する資産(有価証券を除く。)で現に当該内国法人の事業の用に供されているものを、
   同機構の定めた準則に従って策定されたその内国法人に係る債務処理計画に基づきその内国
   法人に贈与した場合を、債務処理計画に基づき資産を贈与した 場合の課税の特例の対象と
   する。
 
 〔延長・拡充等〕
 (1) 肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の適用期限を3年延長する(法人税についても
   同様とする。)。
 (2) 政治活動に関する寄附をした場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除の適用期限
   を5年延長する。
 (3) 森林法施行規則の改正を前提に、改正後の認定基準により認定を受けた森林経営計画に基
   づいて山林の伐採又は譲渡をした場合にも、山林所得に係る森林計画特別控除の適用ができ
   ることとする。
 (4) 公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例について、次の措置
   を講ずる。
   ① 公益法人等が寄附を受けた株式等を株式交換等(株式交換等に係る譲渡所得等の課税の
    特例の対象となる株式交換等に限る。)により譲渡し、その株式交換等により交付を受け
    た株式を引き続き公益目的事業の用に直接供する場合には、一定の要件の下で非課税特例
    の継続適用を受けることができることとする。
   (注)上記①の改正は、平成26年4月1日以後に行われる株式交換等について適用する。
   ② 国税庁長官の非課税承認の要件である寄附者の所得税等を不当に減少させる結果となら
    ないことを満たすための条件に、株式の寄附を受けた公益法人等が当該寄附によりその株
    式発行法人の発行済株式の総数の2分の1を超えて保有することにならないことを加える。
   (注)上記②の改正は、平成26年4月1日以後に行われる株式の寄附について適用する。
   ③ 公益法人等は、買換え又は合併等により寄附財産を移転する場合に事前届出により非課
    税特例を継続できる措置の適用を受けるため、寄附財産を特定して申請を行うこと等一定
    の要件の下で、非課税承認対象財産に該当するかの確認を国税庁長官に求めることができ
    ることとする。
   ④ 非課税承認を受けた寄附財産を有する公益法人等が事前届出を行わずに合併等によりそ
    の寄附財産を他の公益法人等に移転した場合に、当該他の公益法人等が移転を受けた財産
    に非課税承認対象財産があることを知った日から2月以内に届出を行うこと等一定の要件
    の下で、非課税特例の継続適用を受けることができることとする。
   (注)上記③及び④の改正は、平成26年4月1日以後に行われる申請又は届出について適用
     する。
   ⑤ 非課税承認の取消しにより公益法人等に対して所得税を課税する場合において、当該公
    益法人等が当該取消しのあった年以前に合併又は解散をしたときにおける納税義務の成立
    時期、課税年分及び確定申告期間については、次のとおりとする。
    イ 納税義務の成立時期 合併の日の前日又は解散の日(現行:非課税承認が取り消され
     た日(以下「承認取消日」という。)の属する年の終了の時)
    ロ 課税年分 上記イに定める日の属する年分(現行:承認取消日の属する年分)
    ハ 確定申告期間 合併の日又は解散の日の翌日から2月以内(現行:承認取消日の属す
     る年の翌年2月16日から3月15日まで)
   (注)上記⑤の改正は、平成26年4月1日以後に公益法人等が合併又は解散を行う場合につ
     いて適用する。
   ⑥ 地方独立行政法人法施行令の改正に伴い、博物館等(博物館、美術館、植物園、動物園又
    は水族館をいう。)の設置及び管理の業務を行う地方独立行政法人に対する財産の寄附に
    係る非課税承認の要件について、他の業務を行う地方独立行政法人と同様の措置を講ずる。
   (注)上記⑥の改正は、平成26年4月1日以後に行う財産の寄附について適用する。
 (5) 国等に対して重要文化財等を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例について、地方独立行
   政法人法施行令の改正に伴い次の措置を講じた上、下記②の特例の適用期限を2年延長する。
   ① 非課税の特例の対象に、重要文化財を博物館等(博物館、美術館、植物園、動物園又は
    水族館で、博物館法の規定により博物館に相当する施設として指定を受けたものをいう。)
    の設置及び管理の業務を主たる目的とする地方独立行政法人に譲渡した場合を加える。
   ② 2分の1課税の特例の対象に、重要有形民俗文化財を上記①の地方独立行政法人に譲渡
    した場合を加える。
 
 〔廃止・縮減等〕
 (1) 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例について、次の措置を講ずる。
   ① 相続財産である土地等を譲渡した場合の特例について、当該土地等を譲渡した場合に譲
    渡所得の金額の計算上、取得費に加算する金額を、その者が相続した全ての土地等に対応
    する相続税相当額から、その譲渡した土地等に対応する相続税相当額とする。
   ② 相続財産の譲渡に係る確定申告書の提出期限後に、当該相続財産の取得の基因となった
    相続に係る相続税額が確定した場合(相続税の期限内申告に限る。)には、当該相続税の
    期限内申告書を提出した日の翌日から2月以内に限り、更正の請求により本特例の適用を
    受けることができることとする。
   ③ 本特例について、次のとおり現行の取扱いを法令に規定する。
    イ 適用対象者の範囲に、非上場株式等についての贈与税の納税猶予の適用を受けていた
     個人で、当該非上場株式等の贈与者の死亡によって当該非上場株式等を相続により取得
     した者とみなされるものを加える。
    ロ 計算の基礎となる相続税額について、次のとおりとする。
    (イ) 農地等についての相続税の納税猶予等の規定の適用があった場合には、その適用後
      の相続税額とする。
    (ロ) 相続税の修正申告により相続税額が異動した場合には、当該修正申告後の相続税額
      とする。
    ハ 対象となる相続財産には、相続財産である土地等に係る換地処分により取得した土地
     等を含むこととする。
    ニ 対象となる相続財産の譲渡には、譲渡所得の基因となる不動産の貸付けを含むことと
     する。
    ホ 同一年中に複数の相続財産の譲渡をした場合において、譲渡所得の金額の計算上、取
     得費に加算する金額は、当該譲渡をした資産ごとに計算することとする。
  (注)上記①及び②の改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈
   により取得した資産を譲渡する場合について適用する。
 (2) 定額給付金の非課税規定を削除することとする。
 
 5 その他
 (1) 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律及び国家
   公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する
   法律等の施行に伴い、国家公務員共済、地方公務員共済及び私立学校教職員共済について、
   次の措置を講ずる。
   ① 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行
    の日(平成27年10月1日。以下「一元化法施行日」という。)前に給付事由が生じた退職
    共済年金等について、引き続き現行の退職共済年金等に係る税制上の措置を適用する。
   ② 一元化法施行日以後に給付事由が生じる退職共済年金の職域加算額に相当する年金給付
    (下記④において「旧職域加算年金給付」という。)について、引き続き現行の退職共済
    年金に係る税制上の措置(下記④の源泉徴収を除く。)を適用する。
   ③ 退職等年金給付について、次のとおりとする。
    イ 拠出段階
      組合員等の本人が拠出する掛金について、社会保険料控除を適用する。
    ロ  給付段階
    (イ) 受給権者が支給を受ける退職年金について、公的年金等控除を適用するとともに、
      国税徴収法に規定する「給料等」として一定額までの差押えを禁止する。
    (ロ) 受給権者が支給を受ける有期退職年金に代わる一時金又は整理退職の場合の一時金
      について、所得税法に規定する「退職手当等」とみなすとともに、国税徴収法に規定
      する「退職手当等」として一定額までの差押えを禁止する。
   ④ 一元化法施行日以後に国家公務員共済組合連合会等から支払を受ける公的年金等に旧職
    域加算年金給付又は退職等年金給付が含まれる場合における源泉徴収については、次のと
    おりとする。
    イ 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出しなければならないこととする。
    ロ 源泉徴収税額は、国家公務員共済組合連合会等が支払う公的年金等の金額から各種控
     除の月割額(4万7千5百円の調整控除額を控除)に公的年金等の支給月数を乗じて計
     算した金額を控除した残額に5%(当該残額の月割額のうち16万2千5百円を超える部
     分については、10%)の税率を乗じて計算することとする。
   (注)退職共済年金の特例として65歳未満の者に支給される年金その他一定の年金である場
     合には、上記の調整控除額を控除しない。
   ⑤ 一元化法施行日以後に給付事由が生じる恩給公務員期間等を有する者に支給される退職
    共済年金等について、次のとおりとする。
    イ 退職共済年金について、公的年金等控除を適用するとともに、国税徴収法に規定する
     「給料等」として一定額までの差押えを禁止する。
    ロ 障害共済年金を受ける者又は遺族共済年金を受ける遺族(妻に限る。)を障害者等に
     対する少額貯蓄非課税制度の対象者に加える。
   ⑥ その他所要の措置を講ずる。
 (2) 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職
   員共済組合法等を廃止する等の法律の施行に伴う存続組合が支給する特例年金給付等に関す
   る政令の一部改正により新たに支給されることとなる一時金について、次の措置を講ずる。
   ① 特例退職共済年金、特例退職年金、特例減額退職年金又は特例通算退職年金に代えて支
    給される一時金について、次のとおりとする。
    イ 所得税法に規定する「退職手当等」とみなす。
    ロ 国税徴収法に規定する「退職手当等」として、一定額までの差押えを禁止する財産に
     加える。
   ② 特例遺族共済年金、特例遺族年金又は特例通算遺族年金に代えて支給される一時金につ
    いて、次のとおりとする。
    イ 所得税を課さないこととする。
    ロ 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
 (3) 譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要
   でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資
   産(ゴルフ会員権等)を加える。
  (注) 上記の改正は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用する。
 (4) 雑損控除の対象となる資産の損失金額について、その資産の時価(損失が生じた時の直前
   におけるその資産の価額)を基礎として計算する方法のほか、その資産の取得価額に基づく
   価額(その資産の取得価額から減価償却費累積額相当額を控除した金額)を基礎として計算
   する方法を加える。
  (注) 上記の「減価償却費累積額相当額」とは、その取得から譲渡までの間に業務の用に供さ
    れていた期間のない資産の場合には、その資産の耐用年数の1.5倍の年数に対応する旧定
    額法の償却率により求めた1年当たりの減価償却費相当額にその資産の取得から譲渡まで
    の期間の年数を乗じて計算した金額をいう。
 (5) 企業型確定拠出年金の拠出限度額について、次のとおり引き上げる。
                    (現 行)      (改正案)
   ① 他の企業年金がない場合  月額5.1万円   月額5.5万円
   ② 他の企業年金がある場合  月額2.55万円  月額2.75万円
 (6) 小規模企業共済法施行令の一部改正を前提に、小規模企業共済等掛金控除等の対象となる
   小規模企業者の範囲を、宿泊業又は娯楽業を営む者で、常時使用する従業員の数が20名以下
   (現行:5名以下)のものに拡充する。
 (7) 所得税の予定納税制度について、次の措置を講ずる。
   ① 災害等に係る国税通則法による納期限等の延長(以下「期限延長」という。)により、
    その年分の所得税につき納付すべき予定納税額の納期限がその年12月31日後となる場合に
    は、その期限延長の対象となった予定納税額はないものとする。
   ② 災害等に係る期限延長により、その年6月15日において申告等の期限が延長されている
    場合には、同日までに税務署長が行うこととされているその年分の所得税に係る予定納税
    額等の通知は、期限延長により延長された第1期分の予定納税額の納期限(以下「延長後
    の納期限」という。)の1月前までに行うものとする。ただし、延長後の納期限がその年
    12月31日後となる場合には、当該通知は要しないものとする。
   (注) 特別農業所得者について、同様の措置を講ずる。
 (8) 公的年金等に係る確定申告不要制度等について、次の措置を講ずる。
   ① 公的年金等に係る確定申告不要制度について、源泉徴収の対象とならない公的年金等の
    支給を受ける者は同制度を適用できないこととする。
   ② 2以上の居住者の控除対象配偶者又は扶養親族に該当する者をいずれの居住者の控除対
    象配偶者又は扶養親族に該当するかの判定の基礎となる申告書等の範囲に、公的年金等の
    受給者の扶養親族等申告書を加える。
   (注) 上記①の改正は、平成27年分以後の所得税について適用し、上記②の改正は、平成26
     年分以後の所得税について適用する。
 (9) 支払調書等について、次の措置を講ずる。
   ① 支払調書、源泉徴収票、計算書又は報告書(以下「調書等」という。)を提出すべき者
    が、所轄税務署長の承認を受けた場合には、当該所轄税務署長以外の税務署長に対し、そ
    の調書等に記載すべき事項(以下「調書等記載事項」という。)を記録した光ディスク等
    を提出する方法又は当該調書等記載事項を電子情報処理組織(e-Tax)を使用する方法の
    いずれかの方法により提供できるものとする。
   (注) 上記の改正は、平成26年4月1日以後に提出すべき調書等について適用する。
   ② 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)
    に係る非課税適用確認書の交付申請書の記載事項(以下「申請書記載事項」という。)を
    所轄税務署長に提供する金融商品取引業者等の営業所の長についても、上記①と同様とす
    る。
   (注) 上記の改正は、平成26年4月1日以後に申請書記載事項を提供する場合について適用
     する。
   ③ 上記①又は②の所轄税務署長の承認を受けるための申請書又は調書等記載事項若しくは
    申請書記載事項を記録した光ディスク等を提出する場合における税務署長の承認を受ける
    ための申請書の提出があった場合において、その提出の日から2月を経過する日までにそ
    の申請につき承認又は却下の処分がなかったときは、その日においてその承認があったも
    のとみなすこととする。
   (注) 上記の改正は、平成26年4月1日以後に提出する申請書について適用する。
 (10) 奄美群島振興開発特別措置法の期限の延長を前提に、独立行政法人奄美群島振興開発基金
   を引き続き公共法人等(所得税法別表第一)とする。
 (11) 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構から独立行政法人地域医療機能推進機構へ
   の改組後も、引き続き公共法人等(所得税法別表第一)とする。
 (12) 電気事業法の改正に伴い、広域的運営推進機関を公共法人等(所得税法別表第一)とする。
 (13) 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律に基づく所得税の減免の申請に
   ついて、期限後申告、更正の請求又は修正申告においてできることとする。
 (14) 雇用保険法の改正を前提に、同法の失業等給付について、引き続き次の措置を講ずる。
   ① 所得税を課さないこととする。
   ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
 (15) 母子及び寡婦福祉法の改正を前提に、同法の自立支援教育訓練給付金(仮称)及び高等職
   業訓練促進給付金(仮称)について、次の措置を講ずる。
   ① 所得税を課さないこととする。
   ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
 (16) 高等学校等就学支援金の支給に関する法律の高等学校等就学支援金について、所要の法令
   改正を前提に、引き続き次の措置を講ずる。
   ① 所得税を課さないこととする。
   ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
 (17) 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律の職業訓練受講給付金につ
   いて、所要の法令改正を前提に、引き続き次の措置を講ずる。
   ① 所得税を課さないこととする。
   ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
 (18)新たなワクチン追加後の予防接種法の健康被害救済給付について、所要の法令改正を前提
   に、引き続き次の措置を講ずる。
   ① 所得税を課さないこととする。
   ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
   ③ 障害年金を受けている者又は遺族年金を受けている遺族(妻に限る。)を障害者等に対
    する少額貯蓄非課税制度の対象者とする。
 (19) 児童扶養手当法の改正を前提に、児童扶養手当と公的年金給付の併給制限の見直し後の同
   法の児童扶養手当について、引き続き次の措置を講ずる。
   ① 所得税を課さないこととする。
   ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。
   ③ 受給者である母を障害者等に対する少額貯蓄非課税制度の対象者とする。
 (20) 難病の患者に対する医療等に関する法律(仮称)の制定及び児童福祉法の改正を前提に、
   難病の患者に対する医療等に関する法律の規定による医療及び改正後の児童福祉法の規定に
   よる医療について、次の措置を講ずる。
   ① 難病及び小児慢性特定疾患の患者に対する医療費として支給される金品について、所得
    税を課さないこととする。
   ② 難病及び小児慢性特定疾患の患者に対する医療費の支給を受ける権利について、国税の
    滞納処分による差押えを禁止する。
   ③ 社会保険診療報酬の所得計算の特例の適用対象となる社会保険診療の範囲に、これらの
    法律の規定による医療を加える(法人税についても同様とする。)。
 
 二 資産課税
 
 1 復興支援のための税制上の措置
 〔延長・拡充等〕
 (1) 東日本大震災の被災者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課
   税措置について、警戒区域設定指示等の対象区域内に居住していた者に係る受贈期限を警戒
   区域設定指示等の解除後1年(現行 3月)に延長する。
  (注)上記の改正は、平成26年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について
    適用する。
 (2) 独立行政法人中小企業基盤整備機構が建築した仮設建築物に係る所有権の保存登記に対す
   る登録免許税の免税措置の適用期限を2年延長する。
 (3) 小規模企業者等設備導入資金助成法の廃止に伴い、特別貸付けに係る消費貸借に関する契
   約書の印紙税の非課税措置について、規定の整備を行う。
 (4) 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の廃止等に伴い、株式会社
   日本政策金融公庫等が実施することとなる東日本大震災により被害を受けた者に対する青年
   等就農資金の特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書については、引き続き印紙税を課さ
   ないこととする。
 (5) 独立行政法人中小企業基盤整備機構が作成する不動産の譲渡に関する契約書等の印紙税の
   非課税措置の適用期限を2年延長する。
 

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