ここでは今年4月に財務省が発表した調査結果(※)から、今年度の企業の賃金引上げ等の動向をみていきます。
上記調査結果から、企業規模別の賃金引上げ等の動向をまとめると、表1のとおりです。
全規模・全産業の結果をみると、2024年度にベア(ベースアップ)を行ったが70.7%、定期昇給を行ったは81.9%で、いずれも前年度調査結果より増加しました。
大企業では2024年度にベアを行った、定期昇給を行ったが80%を超えました。中堅・中小企業等は2024年度にベアを行ったが63.1%、定期昇給を行ったが78.7%と、いずれも前年度を上回りました。
次に同調査結果から、中堅・中小企業等の賃金引上げ率をまとめると、表2のとおりです。
ベアの引上げ率は2.0~3.0%未満が22.5%で最も多く、3.0~4.0%未満も20%を超えました。ベアの引上げ率では、3.0%以上と回答した割合が増加しています。
ベアと定期昇給を合わせた賃金の引上げ率は、5.0%以上が24.4%を占めました。
なお、調査結果全体の賃金引上げを実施する理由では、「社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止」、「物価上昇への対応」、「新規人材の確保」が50%を超えました。
賃金引上げ実施理由としている課題の解決が進むように、賃金引上げ以外の部分でも、課題解決に向けた取組を進めることが欠かせません。
(※)財務省「地域企業における賃上げ等の動向について(特別調査)」
各財務局が従来から継続的にヒアリングを実施している全国計1,125社の企業等を対象に、2024年3月中旬~4月中旬に行われた調査です。大企業は資本金10億円以上、中堅・中小企業は資本金10億円未満となっています。
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