(現状)
平成21年11月30日、経済金融情勢において厳しい状況にある中小零細企業を支援するため、
金融機関が中小企業や住宅ローンの借り手の申込に対して、できる限り貸付条件の変更等を行うよう
努める「中小企業等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(中小企業円滑化法)」が
成立しました(平成21年12月4日施行)。
中小企業金融円滑化法のポイントとしては、
①平成21年12月から平成23年3月までの時限立法である
②金融機関は、中小企業等の借り手から申込があった場合、貸付条件等の変更に努める
③債務者区分が、「その他要注意先」の中小企業に対しては、貸出条件を緩和しても、
債務者区分を「要管理先(不良債権)」とはしない
④但し、実現可能性の高い抜本的な「経営改善計画(実抜計画)」を作成することが
前提であり、この計画を貸出条件緩和後1年以内に金融機関に提出しなければならない
の4点が上げられます。
貸付条件の変更等の状況としては、
金融機関から返済条件緩和等が認められた中小企業は、平成23年3月末現在で、
368,000件(10兆2,286億円)に達しています。
ここで注目なのは、そのうちの大半は、いまだ「経営改善計画(実抜計画)」を策定していません!
(問題)
万一、その他要注意先の企業が、「経営改善計画(実抜計画)」を提出しなかったら、
①貸出条件緩和債権が不良債権となります!
②金融機関は、高率の貸倒引当金を計上し、その結果、自己資本比率が減少します!
*金融機関は、不良債権の金額や件数を公表する必要があります。
(今後どうすれば良いか)
現状、大半の中小企業は、いまだ「経営改善計画(実抜計画)」を策定していないと思われます。
また金融機関側の問題点としても、
①中小企業経営者だけでは「経営改善計画(実抜計画)」の作成が困難である。
②金融検査マニュアルの改訂により金融機関は、中小企業に対する経営改善計画の策定支援に
対する取り組みが期待されているが、企業数が多く、作成を支援できる社員(行員)が
限られているため、苦慮している状態である。
このままだと、平成23年3月に要注意先(不良債権)が増加するという課題を抱えています。
解決策としては、
一刻も早く「経営改善計画(実抜計画)」を作成すること、
また作成を支援できる会計事務所と連携することになります。
弊事務所は、TKCの「経営改善計画支援システム」を活用し、
金融機関からの信用力を高める「経営改善計画(実抜計画)」を作成を御支援します。