1.税金負担が増える人も!平成23年分の所得税から扶養控除の一部が廃止されます!
子ども手当の創設や高校授業料の実質無償化に伴って扶養控除の一部廃止又は変更が行われます。
適用は平成23年分の所得税(住民税は平成24年度分)からとっており、ケースによっては負担が増える人もいます。
(1)15歳までの子どもに対する扶養控除が廃止される
扶養親族のうち15歳までの人を「年少扶養親族」といいますが、
この年少扶養親族に対する扶養控除(控除額38万円)が廃止されました。
住民税も同様に年少扶養親族に対する扶養親族に対する扶養控除(控除額33万円)が廃止されました。
したがって15歳までの子どもがいる人は、増税となりますが、子ども手当が支給されることになっています。
(2)高校生に対する特定扶養控除の上乗せ部分が廃止される
教育費等の支出がかさむ世代の税負担の軽減を図ろうと、高校入学から大学卒業までを
念頭に16歳から22歳までの扶養親族(特定扶養親族)に対して、扶養控除に25万円の上乗せが行われています。
ところが高校授業料の実質無償化に伴って、特定扶養親族のうち高校生にあたる16歳から18歳までの人に対する
扶養控除の上乗せ部分25万円(個人住民税は12万円)が廃止されたため、所得税の扶養控除が38万円
(個人住民税は33万円)となりました。
(3)同居する特別障害者に対する障害者控除が見直される
扶養親族又は控除対象配偶者が同居する特別障害者である場合、
扶養控除額又は配偶者控除額に35万円(個人住民税は23万円)を加算する措置
(同居特別障害者加算の特例)が講じられてきました。
ところが、年少扶養親族に対する扶養控除の廃止に伴い、控除額は特別障害者の障害者控除額
(40万円)に35万円(個人住民税は23万円)を加算した75万円に改められました。
(4)各種手当等は所得税と個人住民税が課されない
以下の各種手当等については、所得税及び個人住民税が課されないことになりました。
同時に、国税又は地方税の滞納処分による差押えが禁止されました。
・子ども手当
・高校の授業料無償化実質無償化助成
・父子家庭に支給されることとなる児童扶養控除手当と一部支給停止制度の廃止により支給されることとなる児童扶養控除手当
・休職者支援給付
・新たに雇用保険制度の対象となる人が受ける失業等給付
◎ 平成23年1月の給与から手取額が減る人がいます!
扶養控除の変更について、所得税では平成23年1月分の源泉徴収から実施されるので、
18歳までの子どもがいる人は、1月から給与の額は変わらなくても手取額は少なくなります。
個人住民税については、平成24年6月分の徴収からとなります。
扶養控除の見直しで、実際にどれほど税金の負担が増えるのでしょうか。簡単な事例で見てみましょう。
例)夫:年収500万円のサラリーマン、妻:専業主婦、子ども:2人(小学生)
↓
上記の場合、試算によると、所得税は年間40,100円ほどの増税となります。
月々の源泉所得税額も増加し、1月分の源泉徴収から適用となるので、
1月の給料から手取額が少なくなります。
なお、個人住民税は年間で66,000円程度の負担増となりますが、
こちらは平成24年6月分の徴収からとなります。