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《税務質疑応答》妻が個人事業を開始した場合の配偶者控除の判定について

Q .

今まで専業主婦でしたが、趣味を生かして自宅でパン教室をすることにしました。

自宅で教室を開くことで、私は夫の配偶者控除の対象とはならなくなってしまうのでしょうか?

また、私が教室を始めてもしばらくは儲からないと思うのですが、この儲からなかった分は夫の所得から差引くことはできますか?

A.

いままで専業主婦ということですので、パン教室を自宅で開くことで得られる収入のみという前提で回答します。

まず、配偶者控除の対象となるかどうかですが、あなたの年間の合計所得金額が38万円以下であれば夫の配偶者控除の対象となります。

所得の区分は、事業所得か雑所得となります。

所得金額は、いずれの所得も収入金額から必要経費を差し引いたものとなっています(事業所得である場合には、青色申告であると青色申告特別控除(最高65万円)を控除することができます。)。

つまり、パン教室での収入から材料費などの経費等を差し引いたあとの所得金額が38万円以下になっていれば、夫の配偶者控除の対象となり、38万円を超えていれば対象となりません。

ただし、所得金額が38万円を超えていても76万円未満であれば、夫の所得に応じて、配偶者特別控除の対象になる場合があります。

必要経費ですが、材料費のほか、教室で事業用として消費した水道料、電気料、ガス代などさまざまな経費があります。

自宅での教室ですので、事業用として使用した分が自宅分と分かれていないことが多いので、1日の使用時間を平均したものや使用割合などの合理的な基準で事業用と自宅分を按分して計算することになります。

次に、あなたの事業の損失(その年の1月1日~12月31日までの所得)をその年の夫の所得から差し引くことはできませんが、あなたが他に所得があれば(たとえば、今後働きに出た場合には給与所得)、その年の各所得と損益通算できる場合があります。

また、青色申告をしていれば、その年の事業所得の損失を翌年以降に3年間繰り越して、翌年の所得から控除することもできます。

参考:所法27、37、70、71、83、83の2、措法25の2

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