国税庁は、「令和4年分における相続税の申告事績の概要」を公表しましたので紹介します。
死亡者数の増加に伴い、申告件数、税額とも増加しています。また、課税財産の内訳をみますと、金融資産の割合が増加しています。
1.死亡者数・課税対象となった被相続人数
令和4年中(令和4年1月1日~令和4年12月31日)の死亡者数(被相続人数)は、1,569,050人(前年1,439,856人)で、前年に比べて129,194人の増加(対前年比109.0%)となっています。
また、相続税の申告書の提出があった被相続人数は、150,858件(前年134,275人)で、前年に比べて16,583人の増加(対前年比112.4%)となり、死亡者数に対する割合は相続税の基礎控除額が引き下げられた平成27年分以降で最も高い9.6%(前年9.3%)となっています。
2.課税価格・税額の推移
課税価格は、20兆6,840億円(前年18兆5,774億円)で、2兆1,066億円の増加(対前年比111.3%)となり、相続税額は2兆7,989億円(前年2兆4,421億円)で3,568億円の増加(対前年比114.6%)となっています。
また、これを被相続人1人当たりでみると、課税価格は1億3,711万円(前年1億3,835万円)で、前年に比べて124万円の減少(対前年比99.1%)、相続税額は1,855万円(前年1,819万円)で前年に比べて36万円の増加(対前年比102.0%)となっています。
3.相続財産の種類別構成比
相続財産の主な種類別の金額の構成比は、現金・預貯金等34.9%(前年34.0%)、土地32.3%(前年33.2%)、有価証券16.3%(前年16.4%)となっています。
前年に、それまで(令和2年分まで)最も高い構成比を維持していた土地の割合を超えて、現金・預貯金等の構成比が最高割合となりましたが、令和4年分においても引き続きその構成比が最高となっており、有価証券の構成比も併せて金融資産の割合が増加しています。
4.e-Taxの利用状況
国税庁では、相続税申告についてもe-Taxの利用拡大に取り組んでおり、令和4年度における相続税申告のe-Tax利用率は29.5%で、前年度に比べて6.1ポイント上昇しています。
令和5年度においては、相続税申告のe-Tax利用率の目標を40%に設定し、税理士会を通じた利用勧奨や個別勧奨を実施しています。
◎ 詳細につきましては、国税庁ホームページ>お知らせ>報道発表>国税庁発表分>「令和4年分 相続税の申告事績の概要」をご参照ください。