[相談]
私は会社で給与計算を担当しています。
令和6年分の所得税について政府が実施するとしている給与収入に係る源泉徴収税額からの控除(定額減税)について、その対象者となる「扶養親族」について教えてください。
[回答]
この場合の扶養親族とは、所得税法上の「扶養親族」のうち居住者であるものとされています。詳細は以下解説をご参照ください。
[解説]
令和5年12月22日に閣議決定された「令和6年度税制改正の大綱」では、令和6年分の所得税について、定額による所得税額の特別控除(定額減税)を実施することが謳われています。
具体的には、居住者(※1)の所得税額から、原則として、下記の特別控除の額を控除するとされています(※2)。
※1 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。
※2 その人の令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下である場合に限ることとされています。
所得税法上の「扶養親族」とは、居住者の親族(その居住者の配偶者を除きます)並びに児童福祉法に規定する里親に委託された児童及び老人福祉法に規定する養護受託者に委託された老人で、その居住者と生計を一にする人(※3)のうち、合計所得金額が48万円以下である人と定められています。
※3 青色事業専従者としてその年を通じて一度でも給与の支払を受けた人及び白色事業専従者を除きます。
扶養控除の対象となる所得税法上の「控除対象扶養親族」とは、上記2.の扶養親族のうち、居住者である人については、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいうと定められています。
上記1.の所得税の定額減税における「扶養親族」とは、上記2.の扶養親族に該当する人のうち、居住者に該当する場合に限られています。
言い換えますと、上記3.の控除対象扶養親族からは除外されている年齢16歳未満の扶養親族も、居住者であれば定額減税の扶養親族に含まれるということになります。
したがって、定額減税を実施する際には改めて各人ごとに該当する扶養親族の数を確認する必要があることとなります。
[参考]
所法2、85、国税庁「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」(令和6年1月)など
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