特別な場ではなく、日常的に晩酌感覚でワインをたしなむ人にとっては、いつもいつも高級な生ハムやチーズをつまみに、というわけにはいきません。そこでお奨めは、ワインのお供にとこだわって開発されたスナック菓子の数々です。
ビールに合うスナックは一般的に知られていますが、ワインのためのスナックは意外と知られていなくて新鮮! 150〜300円の“お菓子屋のおつまみ”とあなどることなかれ。それなりに大人の舌を満たしてくれる逸品ぞろいなのです。
大手菓子メーカー各社が、昨年秋ごろからつまみ市場に攻勢をかけている、新感覚の「おつまみスナック」のいくつかを紹介しましょう。
ワインに合うスナック菓子の火付け役となったのが、小栗旬さんのCMでもお馴染み、江崎グリコの「チーザ」シリーズ(3タイプ)。チーズをカリカリに焼いたような濃厚さと食感が特長です。「ゴルゴンゾーラチーズ」は、同チーズを51%も配合し、独特のクセのあるブルーチーズのコクと旨みが噛むほどに味わえます。「チェダーチーズ」は、同チーズが52%練り込まれ、濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。「カマンベールチーズ」は、同チーズを51%配合し、カマンベール独特のミルキーなコクをしっかり凝縮させました。
明治製菓からは、スナックをカマンベールチーズでコーティングした新食感濃厚チーズスナック「チーズクーゲル カマンベール味」。丸い(クーゲル=ドイツ語で「球」)ひと口タイプでサクサクとした食感。クリーミーな味わいがワインにぴったりです。つまんだ時に手がべとつかない工夫もされており、携帯電話やパソコンを操作しながらのドリンクシーンに配慮されている点も新感覚です。
東ハトは、ワインに合う大人の味わい「ハーベスト ウェルメイド・4種のチーズ」シリーズ。4種類のチーズを生地に練り込み、パリッと香ばしく焼き上げた人気スナックです。新製品の「4種の胡椒仕立て」は、同社チーフブランディングオフィサーでもある、サッカーの中田英寿氏のアイデアを取り入れて、男性好みのスパイシーな味わいに仕上げました。
ロッテからは、ワインと一緒に楽しみたいクリームチーズ風味の「大人のトッポ<カマンベールチーズケーキ>」や「ラムレーズンクッキー」など。
食事と同様、お酒も自宅で、という傾向がますます強くなっている昨今。加えて、つまみ専業メーカーが十分に“ワイン対応”を満たしていない現状の中、菓子メーカーがどこまで「おつまみスナック」で市場に斬り込んでいくことができるか。今後に注目です。