- 国税庁:復興特別法人税に係る加算税の取扱いを公表 -

法人税の修正等に伴う復興特別法人税の期限後申告に無申告加算税

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 はじめに

  さきごろ、国税庁は、「復興特別法人税に係る加算税の取扱いについて(事務運営指針)」を
 公表しましたので紹介します。

  これによりますと、法人税の確定申告書に記載されたところにより計算した課税標準法人税額
 がないため、復興特別法人税申告書の提出がなかった場合において、その後、その事業年度につ
 いて法人税の修正申告等があったことに伴い復興特別法人税について期限後申告書の提出等があ
 ったときは、法人税について期限内申告が行われたかどうかにかかわらず、その期限後申告に係
 る復興特別法人税については無申告加算税が課されることになりますので注意が必要です。

 1.復興特別法人税申告書の提出

   「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措
  置法」(以下「財源確保法」といいます。)において復興特別法人税が創設されたことに伴い、
  法人は、原則として、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する日
  から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度(課税事業年度)について、
  各課税事業年度終了の日の翌日から2月以内に、復興特別法人税申告書を提出する必要があり
  ます(財源確保法53①)。

   ただし、課税標準である課税標準法人税額がない場合には、復興特別法人税申告書を提出す
  る必要はありません(財源確保法53①ただし書)。
 

 2.法人税の重加算税通達及び過少申告加算税・無申告加算税通達の準用

   復興特別法人税に係る加算税の取扱いについて、基本的な事項(正当な理由があると認めら
  れる事実や更正があるべきことを予知してされた修正申告書の提出の例示など)は、通常の法
  人税と同様に、平成12年の法人税の重加算税、過少申告加算税・無申告加算税の取扱通達(事
  務運営指針)に準じて取り扱われます。

 
 3.法人税の修正申告等に伴い新たに復興特別法人税申告書の提出等があった場合の取扱い
   法人税確定申告書(期限後申告書を含みます。)等に記載されたところにより計算した課税
  標準法人税額がないため、復興特別法人税申告書の提出がなかった場合において、その後、そ
  の事業年度について法人税の修正申告又は更正があったこと等に伴い、復興特別法人税につい
  て期限後申告書の提出があったとき又は決定をするときは、法人税について期限内申告が行わ
  れたかどうかにかかわらず、その期限後申告又は決定に係る復興特別法人税については、無申
  告加算税が賦課されることになります。

 したがって、復興特別法人税の課税の有無と連動する法人税の申告が期限内申告であったか、
  期限後申告であったかにかかわらず、結果的に期限後申告となった復興特別法人税に無申告加
  算税が適用されることになりますので注意が必要です。
 

 4.復興特別法人税につき零申告があった場合の取扱い

   法人税確定申告書等に記載されたところにより計算した課税標準法人税額がないため、復興
  特別法人税申告書の提出を要しないこととなる法人が、課税標準法人税額を零とし、かつ、還
  付金額(財源確保法53条1項3号に規定する控除しきれなかった金額をいいます。)の記載がな
  い復興特別法人税に係る申告書を提出した場合には、その申告書は、通則法2条6号(定義)に
  規定する納税申告書に該当するものとされます。

 したがって、その申告書に係る課税標準法人税額、復興特別法人税の額又は還付金額につき、
  その後に税務署長が行う処分は、決定ではなく、更正となります。

  このことから、欠損申告法人等、課税標準法人税額がないため復興特別法人税申告書の提出
  を要しないこととなる法人については、復興特別法人税につきあらかじめ零申告をすることも
  考えられます。
 

 【参 考】
平成24年6月25日付課法2-9ほか3課共同
「復興特別法人税に係る加算税の取扱いについて」(事務運営指針)

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