中小企業では、会社と社長の資産が一心同体ともいえるため、会社の資金繰りが
厳しくなったり、倒産を防ぐために、社長が会社に資金を貸したり、反対に社長の
自宅購入資金などを会社から借りたりすることがあります。
ところが、社長が契約書を交わさずに会社とお金の貸し借りをしたり、社長への
仮払金が未精算のままになっているということが見受けられます。
あくまで社長個人と会社は別人格ですから、会社と社長との間の金銭の貸し借りで
あっても、契約書を交わすなど、必要な手続きを忘れないようにしましょう。
具体的には、借入金額、利息(適正な利率に基づく)、返済条件などを明記した
「金銭消費貸借契約書」を作成し、取締役会(取締役会を設置していない会社の
場合は株主総会)の承認を得て、その議事録を残しておく必要があります。
これが無いと例えば、会社の資金繰りが苦しい状況が続いて、社長が貸した資金が
長期間に渡って返済されない時に、税務調査で社長から会社への贈与でないかと
疑われる場合もあります。
*適正な利率とは?
会社が銀行から借り入れた資金を貸す場合は、その銀行の借入利率、
また複数の銀行がある場合はその平均となる借入利率(平均調達金利)。
<社長が会社に金銭を貸すとき>
・社長が会社から受け取る利息について
◎利息を受け取らない・・・・・・問題なし
◎適正な利息より少ない利息・・・問題なし
◎適正な利息以上の利息・・・・・多い分が役員給与
<社長が会社から金銭を借りるとき>
・社長が会社に支払う利息について
◎利息を支払わない・・・・・・・利息分が役員給与
◎適正な利息より少ない利息・・・少ない分が役員給与
◎適正な利息以上の利息・・・・・問題なし
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