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2023年度の賃金改定状況


 今年4月に財務省から、2023年度の賃金改定状況に関する調査結果(※)が発表されました。ここでは、同資料からその結果をみていきます。

 上記調査結果から2022年度と2023年度の賃金改定状況をまとめると、下表のとおりです。

 全産業では、2023年度に賃金引上げを行わなかった企業は3.4%で、何らかの賃金引上げを行った企業は96.6%に達しています。賃金引上げ状況は、定期昇給を行った企業が81.6%、ベア(ベースアップ)を行った企業が62.1%で50%を超えています。賞与・一時金・手当等増額を行った企業は30.5%でした。
 前年からの増減では、ベアを行った企業が23.4ポイント増加しました。賞与・一時金・手当等増額は5.6ポイント、賃金引上げを行わなかった企業は4.7ポイント減少しています。

 2023年度の業種別では、製造業は定期昇給を行った企業が86.4%、ベアを行った企業も69.8%で、いずれも前年度より増加しました。非製造業は定期昇給を行った企業が77.8%、ベアを行った企業が56.0%でした。ベアを行った企業は27.2ポイント増加しました。

 同調査から賃金引上げ率をみると、ベアを行った企業のベアのみの引上げ率は3%以上の企業が37.3%、3%未満が62.7%でした。前年度は3%以上の割合が13.7%だったので、23.6ポイント増加したことになります。
 ベアまたは定期昇給を行った企業のベア+定期昇給分の年収ベースの引上げ率は3%以上が51.2%、3%未満が48.8%でした。前年度の3%以上の割合は18.8%であり、32.4ポイント増加しました。

 賃金引上げの実施理由では、社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止が最も多く、物価上昇への対応を上回りました。人材確保等のために賃上げを行う企業が多いようです。

(※)財務省「地域企業における賃上げ等の動向について(特別調査)
 各財務局が管内経済情勢報告を取りまとめる際に従来から継続的にヒアリングを実施している企業等、全国計1,161社を対象に2023年3月中旬から4月中旬に実施した調査です。ベア(ベースアップ)とは、賃金表等の改定により賃金水準を引き上げること、定期昇給とは、毎年一定の時期を定めて、その企業の昇給制度に従って行われる昇給で、毎年時期を定めて行っている場合は、能力、業績評価に基づく査定昇給なども含みます。

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