《国税庁発表》平成23事務年度における相続税の調査事績について
平成23事務年度における相続税の調査事績について
- 無申告事案について1,213億円の申告漏れを把握 -
国税庁から、この度、平成23事務年度における相続税の調査事績の発表がありました。
平成23事務年度の相続税の調査事績
相続税の調査は、平成21年中及び平成22年中に発生した相続税を中心に、国税局及び税務署
において収集した資料情報に基づいて、申告額が過小と想定されるものや、申告義務がありな
がら無申告となっていることが想定されるものなどについて実施しております。
1.調査件数等
その調査件数は13,787件(対前事務年度比100.9%)とほぼ前事務年度並みですが、そのうち、
申告漏れ等の件数は11,159件(対前事務年度比99.0%)と僅かながら減少しております。なお、
申告漏れ課税価格は3,993億円と前事務年度と同程度となっております。
また、重加算税賦課件数は1,569件(対前事務年度比82.7%)、重加算税賦課対象額は581億
円(対前事務年度比95.4%)といずれも減少しております。
2.申告漏れ財産の状況
調査により把握された申告漏れ財産の構成比をみますと、不表現資産である現金・預貯金等
及び有価証券の申告漏れウエイトが前事務年度の49.8%から52.2%に上昇していることからも、
相続税の調査は、従来同様、不表現資産の把握に重点をおいて行われているといえます。
3.海外資産の申告漏れ
海外資産関連事案に係る調査事績は、最近の経済の国際化と国際交流の進展を反映して国外
資産の保有が多くなっていることから、調査件数は741件(対前事務年度比106.6%)、申告漏
れ件数は568件(対前事務年度比103.5%)といずれも増加しています。なお、重加算税賦課件
数は69件(対前事務年度比85.2%)と減少しております。相続税の申告書作成に際しては、相
続人から海外資産の所有の有無を確認することが肝要です。
4.無申告事案に係る調査結果
相続税の申告義務があるにもかかわらず無申告となっているものの把握に重点的に取り組ん
だ結果、調査件数は1,409件(対前事務年度比134.2%)、申告漏れ件数は932件(対前事務年度
比117.2%)とかなり増加し、申告漏れ課税価格も1,213億円(対前事務年度比114.9%)と増加
傾向を示しており、今後も無申告事案に対する調査に重点がおかれるものと思われます。
(参考)国税庁ホームページ>活動報告・発表・統計>発表資料(プレスリリース)目次>「平成23事務年度における相続税の調査の状況について」をご参照ください。