Q2.今回の「グループ法人税制」とは、どのようなものですか?
A2.企業グループの一体的運営に税制が対応できるように導入され、
グループ内の効率的な資金・資産の移転が可能になる反面、
中小企業特例が使えないケースも出てきます。
(1)対象となる法人は?
連結納税制度を採用する法人以外の100%支配関係のグループ法人すべてが対象です。
つまり、原則的には発行済株式の全部を直接または間接に保有する関係のある法人で、
個人および特殊支配関係人等に支配されている法人も含まれます。
なお、100%支配関係の有無は、基本的に取引時点で判断されます。
(2)適用になるとどうなる?
以下のような取り扱いとなります。
①グループ内の法人間で資産の譲渡を行った場合、その譲渡損益はグループ外に
移転するまで繰延べられる。
②完全子会社株式等の受取配当等は負債利子控除がされず、全額益金不算入となる。
③グループ内の法人間の寄付金は、支出側では全額損金不算入、
受領側では全額益金不算入とされる。
④資本金5億円以上の企業の100%子会社は、以下の中小企業の特例措置が
受けられない。
●中小法人の軽減税率
●特定同族会社の特別税率(留保金課税)の不適用
●貸倒引当金の法定繰入率
●交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
●欠損金の繰り戻しによる還付制度
【まとめ】
まず、自社がグループ法人税の対象企業となりうるのかを確認し、
対象企業となる場合については、規制される取引などの内容、税的な影響も
含め検討することが必要となります。