相続税の申告サポート
大半の方は、相続とは一生に一度か二度経験することであり、
しかも、偶発的に発生することから、何をどこから始めればいいのか戸惑うことが少なくありません。
そのような状況の中で、現実には遺産分割協議を期限までにまとめないと、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の減額、納税猶予などの相続税法上の各種軽減措置の適用を受けることができず、税法を熟知していない一般の方・納税者にとって、限られた時間の中でベストの選択や判断をするのは、専門家の私たちから見ても現実的にかなり難しいこととなります。
TACS会計事務所では、相続人間における公平性、また各種特例を適正に活用することによる税負担軽減をご提案し、
納税者が納得され喜ばれる、適正な税務申告書作成のお手伝いを致します。
相続税申告が必要な場合とは
課税遺産の総額が、基礎控除(30,000千円+法定相続人1名につき6,000千円)を超える場合には、相続税の申告が必要となります。
しかし、実際に納税はしなくても相続税の申告が必要な場合や、不動産を相続した場合の相続登記や相続預金の封鎖解除のため遺産分割協議書を作成する必要がある場合もあります。
当事務所では、個人で行うには煩雑なこれら相続に必要な一連の手続きの支援を行います。
相続スケジュール
被相続人がお亡くなりになった場合、相続人は下記の手続きを期限までに行う必要があります。
相続税申告 | 遺産相続 | 期限 | |
---|---|---|---|
ご本人死亡 | |||
↓ | |||
葬儀 | |||
↓ | 遺言書確認、検証 | ||
相続人確定 | 相続放棄、限定承認 | 3ヶ月以内 | |
↓ | |||
故人の準確定申告 | 4ヶ月以内 | ||
↓ | |||
相続財産把握・評価 | |||
↓ | 遺産分割協議書作成 | ||
相続税申告書作成 | ↓ | ||
↓ | ↓ | ||
相続税申告・納税 | 延納・物納・納税猶予申告 | ↓ | 10ヶ月以内 |
↓ | 相続登記・名義変更 | ||
以降の相続税対策 |
納税資金の確保について
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内とされており、その期間内に被相続人の死亡時における住所地を管轄する税務署長に相続税の申告書を提出し、併せて相続税の納税をしなければなりません。
遺産の分割について相続人間で争いがあり、申告期限までに遺産分割が整わない場合でも、相続税の申告期限は同じく相続開始を知った日の翌日から10か月以内とされています。
この場合の相続税の計算は、遺産を各相続人が法定相続分で取得したものとして未分割財産の計算を行い、各相続人の納付すべき相続税額を計算することになります。
相続税の申告は、必ずしも相続人の全員で行う必要はなく、単独でもできます。
遺産分割が争いにより申告期限までに完了していない場合には、法定相続分による申告を単独で行うこともよくあります。
また遺産分割協議が終わっていないからといって申告期限を過ぎてしまうと、延滞税が加算されるので注意を要します。
特に相続財産が多く多岐にわたり、かつ相続人が多い場合は、遺産分割協議に多大な時間がかかり、申告・納税期間までに遺産分割が間に合わないことも考えられます。
加えて遺産分割が終わっていないので、相続財産である預貯金を相続人の一部が勝手に引き出して納税に使用することもできません。
納税資金の確保が行えない場合について
納税資金は遺産分割協議がまとまらず、納税資金が準備出来ない場合、以下のような方法が考えられます。
- 納税資金を金融機関等からの借入で準備する
- 相続財産を売却する
相続人間で納税資金に必要な預貯金のみ、解約・払出しに合意する
当事務所では、上記のような遺産分割協議がまとまらない、争族で納税資金が確保出来ない等、提携の弁護士と協力して対応しております。お悩みの場合は当事務所へご相談下さい。
限定承認、相続放棄、単純承認の違いについて
相続において、相続人は「限定承認」「相続放棄」「単純承認」の3つから相続方法を選択できます。違いについては以下の表の通りです。
限定承認 | 相続放棄 | 単純承認 | |
---|---|---|---|
概要 | 相続によって得た財産の範囲内で債務を引き継ぐ | 被相続人の財産を全く引き継がない | 債務も含めた財産の全て引き継ぐ |
手続き方法 | 家庭裁判所 | 家庭裁判所 | 必要なし |
手続きの期限 | 相続の開始があったことを知ったときから3か月以内 | 相続の開始があったことを知ったときから3か月以内 | - |
手続きに参加しなければならない相続人 | 相続人全員 | 相続放棄を希望する相続人 | - |
適しているケース | ・債務(借金)が多いのか財産が多いのか分からない | ・財産よりも債務(借金)のほうが明らかに多い | ・債務(借金)よりも財産のほうが明らかに多い |
・債務整理をしつつ家業を継ぎたい | ・相続人が不仲でトラブルを避けたい | ||
・自宅など特定の財産を残したい |
限定承認について
相続人が遺産を相続するときに相続財産を責任の限度として相続することです。
相続する借金など債務が相続する財産よりも多い(債務超過)時には、亡くなったひとから承継する相続財産の限度で、亡くなったひとの借金などの支払をするという限度付きの相続の仕方となります。
相続放棄について
相続放棄とは、亡くなった人の残した財産全てを相続しないことです。 民法では、初めから相続人とならなかったものとみなすと表現されています。
相続財産には、預貯金や価値のある不動産などのプラスの財産と、借金などのマイナスの財産があります。
相続放棄の手続きをするということは、相続するべき財産の一切を相続しないということになりますので、負の財産だけでなくプラスの財産も全て相続しないということになります。
単純承認について
財産も借金なども全て承認する相続です。被相続人の借金を含めた財産に関して無制限に全て相続しなければなりません。
自身が相続人であると知ったときから3ヶ月以内に相続放棄や限定承認の手続きを取らなければ、自動的に単純承認となります。
限定承認、相続放棄などについても提携の弁護士・司法書士と法律・税務の両面からサポートさせて頂きます。
被相続人の準確定申告について
準確定申告とは
相続人が被相続人に代わって被相続人に係る確定申告書を税務署に提出する行為を準確定申告といいます。
具体的には以下の場合が該当します。
a) 納税者が年の中途で死亡した場合
b) 確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合
準確定申告の期限と提出先
a) 準確定申告の期限
相続の開始があったことを知った日から4か月を経過した日の前日
「相続の開始があったことを知った日」とは、一般的には被相続人の死亡日をいいます。
ただし、実際の死亡日と死亡を知った日が異なる場合はその死亡を知った日をいいます。
b) 提出先
被相続人の死亡当時の納税地の所轄税務署
c) 委任状の添付の要否
その申告が還付申告である場合は、原則として各相続人の指定口座に還付金が還付されますが、相続人代表者の口座に一括して還付されるようにすることもできます。
その場合は、ほかの相続人から相続人代表者への委任状が必要となります。
準確定申告での所得控除
確定申告では、配偶者控除や扶養控除などの人的控除の判定は12月31日時点で判定しますが、準確定申告の場合は亡くなった日時点で判定を行います。
また、準確定申告では、生命保険料や社会保険料などの所得控除の対象となる費用は亡くなった日までに支払ったもののみが対象です。
当事務所では相続税申告だけでなく、その前段階の準確定申告から、相続人の皆様のサポートを行っております。
相続発生後、準確定申告についてお困りの方は是非ご相談下さい。
TACS会計事務所は相続税申告に「書面添付制度」の利用を進めております
相続税申告の書面添付制度とは
書面添付制度とは、税理士法第33条の2に規定された制度です。
税理士が、相続税申告書の詳細な内容説明や作成過程などを記載した書面を添付することで、税務署に適正な申告書類であることを証明します。
言い換えますと「この相続税申告書は正しく作成されています」と、税理士が書面を通じて税務署へ提出する制度です。
また添付書面を提出していれば、税務署が税務調査をするかどうか判断するときに、税理士に対して口頭で意見聴取がされます。
申告書に不明な点があり、添付書面でそれが解消できなくても、税理士への意見聴取で解決できれば、税務調査は省略されます。
相続税申告で書面添付制度を適用するメリット
相続税の申告で書面添付制度を利用するメリットには、次のようなものがあります。
1.税務調査が実施される可能性が少なくなる
書面添付制度を利用するにあたり、税理士が正確にかつ適正に税務申告書を作成することが、税務調査が実地される確率を引き下げる一番の理由となります。
当事務所では書面添付制度を適用した相続税申告で税務調査の実地に移行した事例は、これまで有りません。
税務調査が入ると、税務調査官が相続人の自宅にやってきて質疑応答などを行い、相続人はかなりのストレス・精神的負担がかかります。
税理士が責任を持って書面添付制度を利用することで、税務調査が行われる確率が低くなるのは、相続人にとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。
2.税理士への意見聴取だけで済むことがある
税理士が書面添付制度を利用して相続税申告をし、税務署側に疑問があった場合、税務調査を行うか否かを判断するため、税理士への意見聴取が行われます。
意見聴取の時点で税務署の疑問が解消されれば税務調査が省略され、疑問点が解消されなかった場合のみ税務調査が行われます。
税理士が書面添付制度を利用して相続税申告をすれば、突然税務調査が行われることはまずありません。
税理士への意見聴取だけで税務調査を回避できる可能性があるというのは、依頼主である相続人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
書面添付制度は、始めての相続税申告で不安に思われる方や、税務署への対応などでご心配の相続人の方にとって上記のようなメリットが有ります。
当事務所は書面添付制度の積極的利用をご提案し、これまでの適用実績も多いことから、お客様に喜んで頂けるサービスとなっております。