Q. 消費税法において「非課税」、「免税」、「不課税」の相違はどこにありますか。
A. 消費税は国内で消費される財貨やサービスに対して広く公平に負担を求めるものです。
しかし、税の性格から課税の対象とすることがふさわしくないものや特別の政策的配慮から
課税の対象にしないこととされている特定の財貨やサービスの提供があり、
これらが「非課税」といわれるものです。
具体的には、消費税法別表第1に掲げる取引及び別表第2に掲げる貨物の保税地域からの引取りがこれに該当します。
一方「免税」とは、一定の条件が履行されることを前提に、納税義務が成立する資産等について、
その消費税を免除することをいいます。
消費税においては、輸出や輸出類似取引について(国内取引については法7条(輸出免税等)、
8条(輸出販売場における輸出物品の譲渡に係る免税)、租税特別措置法85条
(外航船等に積込む物品の譲渡等に係る免税)等)が「免税」とされています。
また、不課税とは、国内における資産の譲渡等の対価に該当せず、
消費税法の適用外となる取引等をいい、例えば、〔1〕国外取引〔2〕個人事業者が
事業として行わない取引及び〔3〕資産の譲渡、貸付及び役務の提供の反対給付としての対価を
得ない取引(個人事業者の事業用資産の自家消費又は使用及び法人が資産を
その役員に贈与する場合を除く。)等が該当します。
消費税法上の適用関係を整理すると次のとおりです。
1 非課税
(1)消費税は課税されないことから、課税売上げ、課税仕入れのいずれにも該当しない。
2)仕入税額控除を個別対応方式により計算する場合において、非課税売上げにのみ要する課税仕入れは、
仕入税額控除ができない。
(3)課税売上割合の計算上、売上高を分母にのみ算入し、分子には算入されない。
2 免税
(1)売上げについて消費税は課税されないが、消費税法上は課税売上げとなる。
(2)仕入税額控除を個別対応方式で計算する場合は、免税売上げにのみ要する課税仕入れ
(例えば、輸出する商品の仕入れ)は、全額控除できる。
(3)課税売上割合の計算上、免税売上高は分母、分子の両方に算入する。
3 不課税
消費税法上、課税売上げ、課税仕入れのいずれにも関係してこない。
ただし、国、地方公共団体、消費税法別表第3に掲げる公共・公益法人等に不課税となる収入(特定収入)があった場合は、
仕入税額控除の調整(消法60条4項)の問題が生じます。
《法令等》 | 消費税法6条1項 | |
消費税法6条2項 | ||
消費税法7条 | ||
消費税法施行令17条 | ||
消費税法60条4項 |