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《税務質疑応答》事業復活支援金の所得税法上の取扱い

代表ブログ,税務質疑応答 | 2022年4月15日 金曜日 14:04

Q. 私は個人で衣料品販売店を経営しています。
 私の店の売上は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、従前と比べ大きく落ち込んでいるのですが、このたび、政府が「事業復活支援金」という給付金制度を新たに設けることを知りました。

 そこで、その支援金を受給した場合、①受給した支援金は所得税の課税対象となるのか、②所得税の課税対象となるとした場合、いつの時点の収入金額に計上することになるのかについて教えてください。

A.ご相談の事業復活支援金については、①所得税の課税対象となり、②支給決定がされた日の属する年分の収入金額として計上することになるものと考えられます。

[解説]
1.事業復活支援金の概要
 事業復活支援金とは、政府が、新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、地域・業種を限定しない形で、2022年3月までの見通しを立てられるよう、固定費負担の支援として事業規模に応じた給付金を一括支給するという制度です(令和3年度補正予算)。

 具体的な対象者は、新型コロナの影響で、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して、50%以上または30%~50%減少した事業者(中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主)とされています。

 その他、給付額や算出式などの詳細な情報は、経済産業省や中小企業庁のリーフレット等にてご確認ください。

2.事業復活支援金の所得税法上の取扱い
 所得税法上、国や地方公共団体から個人に対して、その個人の事業の収入が減少したことに対する補償や支払賃金などの必要経費に算入すべき支出の補てんを目的として支給される給付金、助成金等については、原則として、事業所得等の収入金額として所得税の課税対象とされています。
 また、それらの給付金や助成金等については、国や地方公共団体により助成金等の支給が決定された日に収入とすべき権利が確定すると考えられますので、原則として、その助成金等の支給決定がされた日の属する年分の収入金額として計上することとされています。

 したがって、今回のご相談の事業復活支援金については、事業者の固定費負担の支援として国から支給されるものであることから所得税の課税対象(事業所得)となり、また、その支給決定がされた日の属する年分の収入金額として計上することになるものと考えられます(※)。
 
※手続開始時期は2022年(令和4年)1月以降と想定されるため、事業復活支援金の収入計上時期は、基本的には2022年(令和4年)になるものと思われます。

[参考]
所法9、36、国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」(令和3年12月17日更新)、経済産業省ホームページなど

《税務質疑応答》令和3年分の所得税の確定申告時期

代表ブログ,税務質疑応答 | 2022年2月17日 木曜日 12:02

Q.令和3年分の所得税の確定申告書の提出時期は、いつになりますか。
 納税をする場合のその期限もあわせて教えてください。

A.令和3年分の所得税の確定申告書の提出時期は、令和4年(2022年)2月16日から同年3月15日となります。

ただし、還付申告についてはそれよりも前に行うことができます。
なお、納税の期限は、口座振替の手続きを行なっている場合は令和4年(2022年)4月21日、それ以外は原則、法定納期限である令和4年(2022年)3月15日となります。

[解説]
1.所得税の確定申告
(1)確定申告書を提出する人
 所得税の計算上、各種の所得金額の合計額から、所得控除を差し引き、その金額に所得税の税率を乗じて計算した税額から配当控除額を差し引いた結果の残額がある方は、原則として、確定申告書の提出が必要です。

 ただし、サラリーマンや公的年金等受給者等については、一定の確定申告不要制度が存在しています。

(2)確定申告書を提出する時期
 所得税の確定申告書の提出時期は、原則、その年の翌年2月16日から3月15日までとなっています。

 令和3年分の所得税の確定申告書を提出する時期は、原則、令和4年(2022年)2月16日から3月15日です。

 ただし、確定申告をすれば税金が還付される申告(還付申告)の場合は、2月16日よりも前に申告書を提出することができます。

(3)確定申告に係る所得税の納期限
 所得税の確定申告を行なったことにより納付すべき所得税(復興特別所得税を含む。)が生じた場合には、原則、その年の3月15日までに納めなければなりません。

ただし、口座振替手続きを行なっている場合には、別途定められた振替日に当該口座から引き落しが行われます。

 令和3年分の所得税の確定申告の法定納期限は、令和4年(2022年)3月15日です。振替日は令和4年(2022年)4月21日です。

2.個人事業者の消費税の確定申告
 個人事業者が消費税の納税義務者である場合には、上記所得税の確定申告とは別に、申告書を作成して提出します。

 この場合の提出期限や納期限も上記とは異なります。具体的には、申告書の提出期限及び法定納期限は、原則、その年の翌年3月31日です。

 令和3年分の消費税の確定申告書の提出期限及び納期限は、原則、令和4年(2022年)3月31日です。

 なお、消費税について口座振替手続きを行なっている場合には、原則、振替日である令和4年(2022年)4月26日に引き落とされます。

《税務質疑応答》未分割財産に係る所得税の確定申告を分割後に是正する必要があるのか

代表ブログ,税務質疑応答 | 2022年1月14日 金曜日 13:01

Q.
亡き父の遺産分割協議が難航したため、未分割のまま相続税の申告書を提出し、納税を行いました。

未分割の財産の中には賃貸アパートがあり、遺産分割協議が調うまで法定相続分で賃貸収入を受け取り、昨年分はその金額で所得税の確定申告を行いました。今年に入り、ようやく遺産分割協議が調い、それ以降は遺産分割後の持分に応じて賃貸収入を受け取っています。

この分割が確定したことで、相続税の申告について更正の請求等手続きを行いますが、昨年分の所得税の確定申告についても、何等か是正等の手続きを行う必要はありますか?

A.
昨年分の所得税の確定申告について、是正等の手続きを行う必要はありません。

[解説]
 未分割の相続財産(不動産)から生ずる収入は、遺産とは別個のものであって、法定相続人各人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものであるから、その帰属につき、事後の遺産分割の影響を受けることはない、と最高裁判決で示されています(最高裁平17.9.8判決)。

 そのため、ご相談のケースでは、昨年分の所得税の確定申告について、分割が確定したことによる是正等の手続きを行う必要はありません。

[参考]
大阪国税局「個人課税関係 令和2年版 誤りやすい事例 所得税法」

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