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《国税庁発表》相続税の申告状況(平成24年分)について

代表ブログ,相続 | 2014年1月6日 月曜日 14:01

 国税庁から、このたび、平成24年分の相続税の申告状況の発表がありました。

 ○ 平成24年分の相続税の申告状況

   平成24年分の相続税の申告状況は、被相続人数は前年比100.3%、相続税が課税された
  被相続人数は前年比101.6%、課税価格は前年比100.3%といずれも増加しましたが、
  税額は12,514億円(前年12,520億円)とわずかながら減少しました。

   なお、相続税の申告状況の具体的内容は、次のとおりです。
 
 1.死亡者数・課税対象となった被相続人数
   平成24年中(平成24年1月1日~平成24年12月31日)の死亡者数(被相続人数)は、
  1,256,359人(前年1,253,066人)で、前年より3,293人(0.3%)増加してい
  ます。
   また、相続税の課税対象となった被相続人数は52,394人で、前年より835人(1.6%)
  増加し、課税割合も4.2%(前年4.1%)と0.1ポイント増加しています。
 
 2.課税価格・税額の推移
   課税価格は、10兆7,706億円(前年10兆7,397億円)で、前年より309億円
  (0.3%)増加していますが、相続税額は1兆2,514億円で、前年より6億円減少していま
  す。

   また、これを被相続人1人当たりでみると、課税価格は2億557万円(前年2億830万
  円)、相続税額は2,388万円(前年2,428万円)といずれも前年より減少しています。
 
 3.相続財産の種類別構成比
   相続財産の金額の構成比は、土地45.9%(前年45.9%)、現金・預貯金等25.4%(前
  年24.4%)、有価証券12.3%(前年13.0%)で、相続財産に占める現金・預貯金等の割
  合は過去最高となっていますが、一方、土地の割合は、昭和35年以降では最低となっていま
  す。 

  なお、この詳細については、国税庁ホームページ>活動報告・発表・統計>報道発表資料>
 「平成24年分の相続税の申告の状況について」をご参照ください。
                                          以上

《国税庁発表》平成25年分の所得税における未分割遺産から生ずる不動産所得に係る取扱いについて

代表ブログ,相続 |  14:01

国税庁は、最高裁判所が平成25年9月4日に非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とす
る民法第900条第4号ただし書の規定を違憲とする決定(注)を行ったこと、また、民法の一
部を改正する法律(平成25年法律第94号。以下「民法改正法」といいます。)により嫡出に
関する規定が削除されたことを踏まえ、平成25年12月11日付で「平成25年分の所得税に
おける未分割遺産から生ずる不動産所得に係る取扱いについて(情報)」を発遣し、同月18日
に公表しましたので、その内容についてご紹介します。

  なお、民法改正法は、平成25年12月11日に公布・施行され、同年9月5日以後に開始さ
 れた相続について適用することとされています(以下、民法改正法による改正前の民法を「旧民
 法」、改正後の民法を「新民法」といいます)。
 

(注)最高裁大法廷平成25年9月4日決定「遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別
抗告事件」LEX/DB25445838

 1.未分割遺産から生ずる不動産所得の収入金額
   未分割遺産から生ずる不動産所得の収入金額については、次の区分に応じ、それぞれ次のと
  おり取り扱う。

 (1)平成25年9月5日以後に開始された相続の場合
    新民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。

 (2)平成25年9月4日以前に開始された相続の場合
    旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。

 (3)(2)のうち、平成13年7月から平成25年9月4日までの間に開始された相続の場合
    不動産所得の総収入金額の収入すべき時期に応じ、次のとおり取り扱う。

   ① その収入すべき時期が平成25年9月4日以前である賃貸料等
     旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。

   ② その収入すべき時期が平成25年9月5日以後である賃貸料等
     嫡出に関する規定がないものとして旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分に
    応じて各相続人に帰属する。
 
 2.供託された賃貸料等に係る調整

   上記1の(3)の場合において、未分割遺産から生ずる不動産の賃貸料等が供託され、当該
  供託に係る供託金の全部又は一部についての払渡請求が、平成25年9月5日以後に行われた
  ときは、嫡出に関する規定がないものとして旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分
  により払渡しが行われることとされている(法務省民事局に確認済)。

   このため、その収入すべき時期が平成25年9月4日以前である賃貸料等について供託され
  ている場合には、当該賃貸料等について各相続人が不動産所得の総収入金額に算入した金額の
  合計額と各相続人に帰属する供託金の額に差額が生じることとなるが、この差額については、
  平成25年分の不動産所得に係る総収入金額又は必要経費に算入する。
 
 (参考)未分割遺産から生ずる不動産所得の取扱い
     相続財産について遺産分割が確定していない場合、その相続財産は各共同相続人の共有
    に属するものとされ、その相続財産から生ずる所得は、各共同相続人にその相続分に応じ
    て帰属するものとされているところ、未分割遺産から生ずる不動産所得については、遺産
    分割が確定するまでの間は、各相続人にその法定相続分に応じて帰属することとなる。
     なお、遺産分割協議が整い、分割が確定した場合であっても、その効果は未分割期間中
    の所得の帰属に影響を及ぼさない。
 

◎ 詳細につきましては、平成25年12月11日付国税庁個人課税課情報7号「平成25年分
の所得税における未分割遺産から生ずる不動産所得に係る取扱いについて(情報)」(国税庁
ホームページ>税について調べる>その他法令解釈に関する情報>申告所得税関係目次)をご
覧ください。
                                          以上

《リスク管理・相続》 任意後見制度を利用するには?

代表ブログ,相続 | 2013年11月28日 木曜日 16:11

【リスク管理・相続】任意後見制度を利用するには?

(質問)

今年、68才になりました。万が一のことを考え、任意後見制度の活用を検討しようと思っています。

詳細について教えてください。

(回答)

最近の厚生労働省の調査では、65歳以上の高齢者の認知症発症者の割合は約15%、

認知症になる可能性がある軽度認知障害も含めると65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍との推計が発表されました。

経営者が自分の判断能力低下に備えることは、中小企業の事業戦略として重要なリスク管理です。

是非、この機会に検討してみて下さい。

1 任意後見制度とは

判断能力が低下した人を支える制度として、成年後見制度があります。

成年後見制度には、既に判断能力が低下してしまった人のための法定後見制度

(低下の程度に応じて、後見・保佐・補助の3類型があります)と、判断能力がある人が

将来の自分の判断能力の低下に備えて準備をしておくための任意後見制度の二つがあります。

任意後見制度では、任意後見人に依頼したい事項を自分で自由に定めることができる、

任意後見契約の発効が会社役員としての欠格事由とならず、将来的にも役員報酬を確保できるなどの特徴があり、

経営者が将来に備えるためには、任意後見制度の活用がふさわしいでしょう。

2 任意後見契約の締結

任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によって締結しなければなりません。

本人と任意後見人の受任予定者がよく話し合って契約内容を確定した上で、公証役場で締結します。

日本公証人連合会などが任意後見契約の文例を公表していますので、これを参考にするのも一つですが、

事業承継対策の一環として作成するのであれば、弁護士や税理士と相談して会社の実情に適した内容を確定したほうがよいでしょう。

3 後見人や後見監督人の資格

任意後見受任者の資格に法律上の制限はありません。また、複数の受任者との間で任意後見契約を締結することもできます。

複数受任の場合、契約の定め方により、(a)それぞれの受任者が単独で代理権を行使する方法と、

(b)共同で代理権を行使する方法があります。

任意後見監督人は、家庭裁判所がふさわしい候補者から選任します。

申立人が推薦しても裁判所はこれに拘束されません。

多くは、第三者の弁護士、司法書士などが事案に応じて選任されています。

4 委任できる事務の内容

任意後見契約において委任できる事務は、契約自由の原則があてはまり、本人の存命中の行為であれば自由に定められます。

代理権を付与することができる事項は、財産管理の事項(不動産その他重要な財産の管理・処分、

預貯金債権の管理・払戻し、賃貸借契約の締結・解除、遺産分割など)、身上監護の事項(介護契約・施設入所契約・医療

契約の締結、要介護認定の申請)などで、法律行為である必要があります。介護行為などの事実行為も、

準委任事項として任意後見契約に定めることができます。

事業承継対策という観点からは、後継者を代表取締役に選任するための株主総会における議決権行使

(会社法349条3項)が重要でしょう。

同法310条で代理行使が認められており、任意後見契約で代理権を付与することができます。

ただし、もし定款で議決権行使の代理人資格を株主に限定している場合には、

任意後見受任者が株主でなければ議決権行使ができないことになりますので、注意が必要です。

後述する任意後見契約の落とし穴を避けるために後継者以外の者を任意後見人とする場合には、

株主資格を有する者とそれ以外の者と複数を受任者としておくことも選択肢の一つです。

5 費用はどれくらい?

任意後見契約を利用するためにかかる費用としては、(1)契約の締結時の作成手数料

(2)契約発効後の任意後見人の報酬(3)任意後見監督人の報酬があります。

 まず(1)の契約締結時にかかる必要経費は以下のとおりです。
・公証役場の手数料:1契約につき11,000円、それに証書の枚数が規定を超える1枚ごとに250円が加算されます。
・法務局に納める印紙代:2,600円
・法務局への登記嘱託料:1,400円
・戸籍謄本、住民票、印鑑登録証明書など必要書類の取得費用(自治体により異なる)
・弁護士・司法書士・税理士に契約書作成を依頼する場合の手数料は、事案により、受任者により異なりますので、
 お問い合わせ下さい(事業承継対策を含ませると非定型な契約となるので、おおむね20万円~50万円程度でしょう)。

(2)の判断能力が低下して効力を生じた場合の任意後見人受任者の報酬は、任意後見人受任者との話し合いによって

任意後見契約で定める額となります。一般的に、親族が受任する場合には無報酬の場合も多く見られます。

(3)の任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が、事案に応じて監督事務の内容や本人の財産状況に照らして、

審判により決定します。

東京家庭裁判所の「報酬額のめやす」では、管理財産額が5,000万円以下の場合には月額1~2万円、

管理財産額が5,000万円を超える場合には月額25,000円~30,000円とされています。

6 安心して利用するために

任意後見制度の最大の問題点は、契約を締結したものの適切な時期に効力が生じない、

すなわち任意後見監督人の選任申し立てがなされない、という点にあります。せっかく任意後見契約をしておいても、

本人が判断能力の低下を自覚せず、受任者も気づかないのでは意味がありません。

受任者に、本人の判断能力について、継続的に見守ってもらえる状況を作っておくことが必要です。

また、事業の後継者を任意後見受任者にすることには、一長一短があります。

確実に後継者に事業を承継することを重視すれば、後継者の代表取締役への選任、自社株式や

事業用資産の後継者ないし会社への移転など、後継者を任意後見受任者として代理権行使させることに合理性があります。

他方、本人の老後の生活を安定的に維持することを重視すれば、事業承継後に本人の資産が事業経営に

流用されてしまうことがないよう、任意後見受任者と後継者を分けておく、

あるいは、後継者と第三者を共同受任者として代理権の共同行使を定めて、

安全性を確保しておくことも有効です。

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