公開日: 2022年09月06日

丸投げ工事の消費税簡易課税制度における事業区分

[相談]

 当社は建設業を営んでいます(消費税の申告方法は簡易課税制度を選択しています)。
 このたび、請け負った工事の一部について、そのすべてを下請業者に行わせる(いわゆる丸投げ工事)ことなったのですが、このような丸投げ工事を行った場合、その工事の売上の消費税簡易課税制度上の事業区分はどのようになるのでしょうか。教えてください。
 なお、上記の丸投げ工事は、建設業法の一括下請負禁止の規定における例外規定に基づき、その規定を遵守したうえで行うものであることを申し添えます。

[回答]

 ご相談の丸投げ工事の売上の事業区分は、第3種事業となります。

[解説]

1.建設業法における一括下請負禁止規定の概要

 建設業法上、建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならず、また、建設業を営む者は、建設業者からその建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負ってはならないとも定められています。

 ただし、建設工事が多数の人が利用する施設又は工作物に関する重要な建設工事(共同住宅を新築する建設工事)以外の建設工事である場合において、その建設工事の元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得たときは、上記の禁止規定は、適用しないと定められています。

2.丸投げ工事の消費税簡易課税制度における事業区分

 消費税簡易課税制度を適用するときの事業区分およびみなし仕入率は、次のとおりです。

事業区分 みなし仕入率
第1種事業 卸売業 90%
第2種事業 小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る) 80%
第3種事業 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業 70%
第4種事業 第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業 60%
第5種事業 運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く) 50%
第6種事業 不動産業 40%

 上記の事業区分について、次の事業は、第3種事業に該当するものとして取り扱われています。

  • 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品として販売する、いわゆる製造問屋としての事業
    (なお、顧客から特注品の製造を受注し、下請先(又は外注先)等にその製品を製造させ顧客に引き渡す事業は、顧客からその特注品の製造を請け負うものであるから、原則として第3種事業に該当することとされています。)
  • 自己が請け負った建設工事(※)の全部を下請に施工させる元請としての事業
  • 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業
  • 新聞、書籍等の発行、出版を行う事業

※ 上記の表の分類区分では第3種事業に該当する建設業であっても、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業は、第4種事業に該当することとされています。

 したがって、今回のご相談のように、建設業者が請け負った工事を自ら行わないで、すべて下請業者に行わせる(丸投げ工事)場合の、その工事売上の消費税簡易課税制度上の事業区分は、第3種事業に該当することとなります。

 なお、仲介料(口銭)のみを受領することとしているものについては、第5種事業に該当することとされていますので、ご留意ください。

[参考]
消基通13-2-4、13-2-5、国税庁消費税相談事例、建設業法22、建設業法施行令6の3、「一括下請負の禁止について」(平成28年10月14日国土建第275号)など

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