公開日: 2022年07月05日

プロスポーツ選手に支払う契約金の法人税法上の取扱い

 

[相談]

当社は、バドミントンスクールを運営しています。
 このたび、当社ではバドミントンスクール生の新規獲得を目的としてプロバドミントン選手と専属契約を締結し、その契約金を支払うこととなりました。
 その選手には、当社のロゴ入りのユニフォームを着て公式試合に参加してもらうなどして、当社の広告宣伝活動を行ってもらう予定です。
 そこでお聞きしたいのですが、法人税法上、当社が支出するその契約金は、その全額を広告宣伝費として、支出した事業年度の損金の額に算入することができるのでしょうか。

[回答]

 ご相談の契約金については、法人税法上の繰延資産として計上し、一定期間にわたって償却する必要があります。このため、契約金を支出した事業年度において、その全額を損金に算入することはできません。

[解説]

1.法人税法上の繰延資産の概要

 法人税法上、その事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で債務の確定していないものを除きます)の額は、その事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入することと定められています。

 一方で、法人が支出する費用のうち、その支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶもので一定のもの(※)は「繰延資産」として計上し、その支出の効果の及ぶ期間を基礎として計算した金額を、各事業年度の所得金額の計算上、償却費として損金の額に算入することと定められています。

 上記の(法人税法上の)繰延資産には、次の費用が該当します。

  1. 創立費
  2. 開業費
  3. 開発費
  4. 株式交付費
  5. 社債等発行費
  6. 上記①から⑤に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの
    イ 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用
    ロ 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用
    ハ 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用
    二 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用
    ホ イから二までに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用
  7. ※資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除きます。

    2.プロスポーツ選手等の契約金等の法人税上の取扱い

     今回のご相談のように、法人がプロスポーツ選手等との専属契約をするために支出する契約金等は、法人税法上、繰延資産(上記1.⑥ホの「(その他)自己が便益を受けるために支出する費用」)に該当するものとして取扱われています。

     この場合の償却期間は、原則として契約期間とされ、契約期間の定めがない場合には、3年とすることとされています。

     したがって、ご相談の契約金は繰延資産として計上し、その契約期間を償却期間(原則)として計算した償却費を、各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入することとなります。

    [参考]
    法法2、22、32、法令14、64、法基通8-1-12、8-2-3、国税庁法人税相談事例など

    ※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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