このたび、私の子(19歳)が今年(2022年)の年末に結婚することとなりました。
その結婚資金(挙式費用など)について、6月に私から子への贈与を検討しているのですが、この贈与について、結婚・子育て資金の贈与税非課税制度は適用できるのでしょうか。
[回答]
ご相談の贈与については、結婚・子育て資金の贈与税非課税制度を適用できるものと考えられます。
[解説]
1.民法改正による成年年齢の引き下げ
平成30年に明治9年以来約140年ぶりに成年年齢の見直しが行われ、同年6月13日に、成年年齢を20歳から18歳に引き下げるという改正民法が成立しました。
その改正民法は、令和4年(2022年)4月1日から施行されました。
2.結婚・子育て資金の贈与税非課税制度の概要
贈与により財産を取得した場合には、原則、贈与税がかかります。ただし、贈与があっても贈与税が課されない、一定の非課税制度が用意されています。その非課税制度の中に、「結婚・子育て資金の贈与税非課税制度」があります。
結婚・子育て資金の贈与税非課税制度とは、令和5年(2023年)3月31日までの間に、個人が、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(父母・祖父母など)から①信託受益権を付与された場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合、③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等において有価証券を購入した場合には、それらの信託受益権や金銭等の価額のうち1,000万円までの金額に相当する部分については、金融機関等の営業所等を経由して結婚・子育て資金非課税申告書を提出することにより、原則として、贈与税が非課税となる制度です。
上記の制度における「個人」については年齢要件が設けられており、従前は「20歳以上50歳未満」と定められていましたが、上記1.の成年年齢引き下げに伴い、令和4年(2022年)4月1日以後の贈与者からの信託受益権等の取得については、「18歳以上50歳未満」と改正されました。
このため、今回のご相談における今年(2022年)の年末に結婚するお子様への結婚資金の贈与については、原則として、上記の贈与税非課税制度が適用できることとなります。なお、この制度の適用が受けられる支払か否かには、ご注意ください。
(注)結婚・子育て資金の贈与税非課税制度における年齢の判定日は、「結婚・子育て資金管理契約締結の日」と定められています。
[参考]
相法21の2、21の5、21の7、措法70の2の3、70の2の4、民法4、731など
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