公開日: 2022年04月19日

手付金の領収書への印紙税の課税の有無

 

[相談]

私は会社で経理を担当しています。
 当社は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により財務状況が悪化したため、保有している土地の一部を売却することになりました。
 その売買契約書においては、契約金額は別途行う不動産鑑定評価額によることとし、具体的な売買金額の記載はしていませんが、買主との話合いにより、当社は本契約の手付金として350万円を受領し、その領収書を発行することとなりました。
 そこで、その手付金の領収書(紙で発行する領収書)について、印紙の貼付の要否を教えてください。

[回答]

 ご相談の手付金の領収書は印紙税の課税文書(第17号文書)となるため、印紙1,000円の貼付が必要です。

[解説]

1.印紙税法上の領収書の取扱い

 印紙税法上、売上代金にかかる金銭又は有価証券の受取書(領収書)は、印紙税の課税物件表において、課税文書のうち「第17号文書」として定められており、その領収書の作成者は、その領収書の記載金額に応じた印紙税を納付(領収書に貼付)する義務があると定められています。

2.印紙税法上の領収書の具体的な範囲

 印紙税法上の領収書(金銭又は有価証券の受取書)とは、資産を譲渡し、もしくは使用させること、または役務を提供することによる対価(売上代金)として受け取る金銭又は有価証券の受取書をいうものと定められています。

 上記の「対価(売上代金)」には手付けを含むとも定められているため、手付金や内入金等として受け取るものの領収書は、原則として、売上代金の領収書(第17号文書)として印紙税が課税されることになります。

 したがって、今回のケースでは、土地売却代金の手付金の領収書は印紙税の課税文書(第17号文書)となり、その記載金額は350万円とのことですので、課税物件表の「課税標準及び税率」にしたがい、印紙1,000円の貼付が必要となります。

 なお、本件のように、土地の売買契約書に契約金額の記載のないものについて、その売買契約書に手付金額や内入金額の受領事実が記載されており、かつ、その金額(手付金額や内入金額)が100万円を超える場合には、その売買契約書も第17号文書に該当することとなりますので、土地売買契約書の記載内容についてもご留意いただくことをおすすめいたします。

[参考]
印法2、3、別表第一、印法通則3、印基通第17号文書など

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