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 最低賃金については、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」等において、「今年は全国加重平均1,000円を達成することを含めて、公労使(公益代表者、労働者代表者および使用者代表者)三者構成の最低賃金審議会で、しっかりと議論を行う」とされていました。先日、厚生労働省中央最低賃金審議会から、2023年度地域別最低賃金額改定の目安が公開されたことから、以下では、その目安と最低賃金の決定の流れについてとり上げます。

[1]2023年度地域別最低賃金額改定の目安
 今年度は都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をA(6都府県)・B(28道府県)・C(13県)の3つのランクに分けて、引上げ額の目安を提示しています。各ランクの引上げ額の目安をAランク41円、Bランク40円、Cランク39円と示しました。各都道府県に適用される目安のランクと引上げ額の目安は以下の通りです。※図はクリックで拡大されます。

 仮に、目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,002円となります。この場合、全国加重平均の上昇額は、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額の41円(昨年度は31円)となります。また、引上げ率に換算すると4.3%(昨年度は3.3%)となっています。

[2]最低賃金の決まり方
 最低賃金は、まず中央最低賃金審議会で諮問、調査審議が行われ、目安について答申が行われます。そして、この目安を参考にしながら、地方最低賃金審議会で地域の実情を踏まえて調査審議が行われ、答申を得た後、異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長が決定します。現在は、中央最低賃金審議会の答申が終わったところです。

 正式な最低賃金額は、地方最低賃金審議会を経ての決定になりますが、大幅な引上げになることは確実です。会社としては、今のうちから、仮に引上げ額通りとなった場合に最低賃金額を下回る従業員がいないか、確認の上、対策を検討しておきたいところです。

■参考リンク
厚生労働省「令和5年度地域別最低賃金額改定の目安について

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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